英検 4級 勉強法

小学生でも合格!【英検4級レベル】難易度・範囲・問題傾向

英検は7つの級に分かれて受検を行うことができます。英語初級から大学の上級者クラスまで幅広いレベルに対応出来る試験です。今回はそのうちの英検4級について難易度や出題範囲、問題傾向などをご紹介します。一部小学校でも英語教育が始まっていますが、まだまだ「英語は中学生に入ってから」という意識が根強いです。英検4級ももちろん難易度は中学レベルではありますが、小学生でも適切に勉強すれば合格は不可能ではありません。

そもそも英検の難易度の分布とは?

さて、4級の紹介に入る前に、そもそも英検の級と難易度の関係についておさらいします。英検は7つの級に分かれていて、一番下が5級、一番上が1級です。(間に準2級と準1級があります)級とレベルの関係は英検を主催している日本英語検定協会に記載の通り、7つの級が3つの区分に分けられています。

使える英語の登竜門(基礎力定着・高校入試レベル)

  • 5級:中学初級程度
  • 4級:中学中級程度
  • 3級:中学卒業程度

3級までが中学生レベルとの位置付けで、英語力としてはベーシックなレベルになっています。とはいえ5級から3級に至る中でレベルはどんどん上がっていき、3級からは早速面接が実施され、会話力も測定されます。4級5級には昔は一切スピーキングを測定するフェーズがありませんでしたが、現在は合否に関係ない形で、4級5級でも録音形式のスピーキングテストを受けることができます。

使える英語で世界へ(大学入試レベル・2級から海外留学が可となることが多い・履歴書で評価される)

  • 準2級:高校中級程度
  • 2級:高校卒業程度  

いわゆる高校レベルの英語能力となります。高校レベルの英語がマスターされていれば海外留学も充分可能ですので、2級の取得が海外留学をする上での基準となっていることが多いです。また、ライティングは3級から実施されますが、この準2級から本格化し、相応の長文を書き上げる能力が必要となってきます。

リーダー(の英語(ライティング、スピーキングを含む4技能の総合力を測定)

  • 準1級:大学中級程度
  • 1級:大学上級程度

1級・準1級となると、本格的に英語を教育機関やビジネスで利用する際に必要な能力が備わっていることを証明するレベルです。英作文は指定語数が3桁になり、二次試験では資料や絵を見て状況を英語で説明しなければなりません。準1級以上を持っていれば海外部門や外国人とのコミュニケーションを必要とする部署や企業でも問題なく仕事を行うことが可能であるとみなされます。

英検4級はこのように、まだベーシックなレベルの中程度であり、中学生であれば適切に勉強すれば習得可能ですし、小学生でも努力次第では充分対応可能なレベルです。

4級の達成目標や出題のレベル

続いては4級の出題内容や期待されるレベルについて詳しくご説明します。先の章で説明した通り、4級の期待されるレベルは中学中級程度です。概ね中学2年生程度のレベルをイメージするといいでしょう。

日本英語検定協会によると、4級の審査基準、求められるレベルは以下のようになっています。

(4級の審査基準)

  • 読む:簡単な文章を理解することができる
  • 聞く:簡単な内容を理解することができる
  • 話す:簡単な内容についてやりとりすることができる
  • 書く:簡単な文を書くことができる

ここでいう「簡単な」というのが漠然としていて難しいですが、公立中学の場合、中学2年生で学ぶレベルをイメージすると良いでしょう。

設問構成に関しては、4級の試験時間は筆記(35分)・リスニング(約30分)です。出題構成は以下の通りで、選択肢はリスニングの会話応答文だけが3択、それ以外は全て4択となっています。上位の級で行われているライティングの問題はまだ出題されません。

リーディングセクション

  1. 短文の語句・空所補充   …文脈に合う適切な語句を補う(15問)
  2. 会話文の空所補充     …会話文の空所に適切な文や語句を補う(5問)
  3. 日本文付き短文の語句整序…日本文を読み、その意味に合うように与えられた語句を並べ替える(5問)
  4. 長文の内容一致選択 …パッセージの内容に関する質問に答える(10問)

リスニングセクション

  1. 会話の応答文選択  …会話の最後の発話に対する応答として最も適切なものを補う(放送回数2回、補助イラスト付き・10問)
  2. 会話の内容一致選択 …会話の内容に関する質問に答える(放送回数2回・10問)
  3. 文の内容一致選択  …短いパッセージの内容に関する質問に答える(放送回数2回・10問)

4級ではまだ英語初級者であることを念頭に、ライティングセクションは実施されません。また、二次試験の面接もなく、上記の構成をこなすことができればそのまま合格となります。尚、合否には影響しませんが、録音音声をもちいたスピーキングテストを追加で受けることができます。合否には影響しないとはいえ、次の3級からは面接が実施されるようになりますので、3級受検に向けた足慣らしとして受検しておくことをおすすめします。

スピーキングテスト

  1. 音読             …25語程度のパッセージを読む(1問)録音型面接
  2. パッセージについての質問 …音読したパッセージの内容についての質問に答える(2問)
  3. イラストについての質問  …イラスト中の人物の行動や物の状況を描写する(1問)
  4. 受験者自身のことなど  …日常生活の身近な事柄についての質問に答える(カードのトピックに直接関連しない内容も含む・1問)

時間は大体4分程度となっています。こちらにしっかりと対応できるようであれば、3級の二次試験についても比較的スムーズに対応することができるようになります。

いずれにしてもスピーキング能力は中学レベルよりさらに上の段階に進む上では必須となってきますので、4級のうちからスピーキング能力を養っておくと良いでしょう。

以上が出題構成ですが、ここで英検4級の合格ラインを確認しましょう。英検は全ての設問の配点が1点ずつとなっており、計65点満点です。英検の合格ラインは公表されておらず、その時々、問題の難易度等によって変化するので一様ではありませんが、概ね60〜65%に設定されることが多く、70%を越えればほぼ間違いなく合格します。従って70%が一つの得点の目標となります。ちなみにリーディング・リスニングの比率については問いませんが、4級はまだリスニングの内容がかなり優しく、全ての設問が二度読まれるので、リスニングの方が高めに稼げる場合が多いです。あくまで個々の特性にはよりますが、イメージはリスニング80%、リーディング65%程度を一つの目安と置くと良いでしょう。

4級の具体的な出題範囲

4級の出題範囲について、「中学中級程度=中学2年生程度」と紹介しましたが、具体的に中学2年生の英語レベルとはどのようなものなのか、改めて確認してみましょう。

(中学2年生で学ぶ主な文法)

  • be動詞の過去形(was, were)
  • 一般動詞の過去形(不規則動詞)
  • 過去進行形
  • 未来形(be going to/will)
  • have to, has to
  • 発展的な助動詞(could/would/should/shall/may/must)
  • 文型の概念(SVC/SVOO/SVO to 人)
  • 不定詞(名詞的用法/形容詞的用法/副詞的用法)
  • 動名詞
  • 比較(比較級/最上級/more/most)
  • There is[are, was, were] ~
  • 接続詞の使い分け(when/because/that/if/after)

中学2年生はまだまだ基礎レベルとはいえ、さまざまな構文の習得が進むので英語での表現力が大きく増す一方、文構造も大きく複雑化するのが特徴です。英単語については中学1年生で500語、中学2年生で400語を習得すると言われているので、英検4級の目安は900語程度となります。ただし、単純な新単語の他に、不規則動詞や比較級・最上級の表記も覚えていく必要があるのは注意が必要です。

とくに重要度の高い文法

上記の文法はもちろん全て重要なわけですが、リーディングで65%程度の得点率を取ることや、今後さらに英語力を発展させていくことを念頭に置いた上で、とくに重要度が高い文法は以下の通りです。

  • 一般動詞の過去形(不規則動詞)
  • 未来形(be going to/will)

時制は英語での表現力を維持する上で、基本かつ重要なものです。とくに中学2年生では不規則動詞の習得が必要となってきます。動詞それぞれで異なる活用をしますが、これまで習得した動詞については可能な限り全部の過去形を表記できるようにしておきましょう。また未来形も極めて重要です。英語の時制は未来・現在・過去が根幹にありますので、これら3つは自在に使い分けるようにできていることが重要です。

  • have to, has to
  • 発展的な助動詞のうちmust

「〜しなければならない」というような意味合いの文章を作成することが意外に多く、また「〜しなければならない」を表す表記方法は、英語の場合は上記のやや特徴的な使い回しをします。これらを覚えておかないと、この表現を英語で表すことができませんので、確実に使いこなせるようになっておく必要があります。

  • 不定詞(名詞的用法/形容詞的用法/副詞的用法)

不定詞は英語の文章構造を複雑化し、また複雑な英文を読み解く上で非常に重要かつ英語にとって特徴的な文法です。同じtoなのに3用法ある点も、多くの中学生がマスターするのに苦労する単元です。裏を返せばここを習得しているかどうかで得点率は大きく変わってきますので、しっかりと押さえておきましょう。

  • There is[are, was, were] ~

意味としては他の表現と比べると「頻繁に使う」というほどではないのですが、これまでに習得してきた文法と比較しても特徴的な形をしているので、しっかり覚えておかないと意味がわからなくなってしまいます。there=そこ、とだけ覚えている場合は、しっかりとこの用法を理解する必要があります。

  • 接続詞の使い分け(when/because/that/if/after)

andやorと異なり、従属接続詞の発生頻度が急激に上がるのも中学2年生で学ぶ英語の特徴です。不定詞と並んで、これまでより複雑な内容を表現する上でなくてはならないですし、中学校後半〜高校生以上で読み解くべき文章では頻繁に出てくるようになる表現です。

もちろんここで紹介を省いた文法についても重要なのはいうまでもありませんが、英検4級においてとくにポイントとなりやすく、また覚えていないと今後の英語力向上にとくに大きな影響が出るものをピックアップしました。少なくともこれらの文法は確実にマスターしておく必要があるでしょう。

英検4級合格に向けた学習のポイント

英検4級の難易度や出題のポイントはここまで紹介した通りですが、これらの特徴を念頭に、最後の章では英検4級の合格を目指す場合の勉強方法を紹介していきます。

ライティングは教科書・参考書があれば自宅学習で充分

まず、英検4級に合格する上で、そのために塾に通う必要があるかと言いますと、特段必要はありません。適切な教科書・参考書を準備すれば自宅学習で充分対応可能ですし、英検4級程度の難易度ですと、塾に通うことの効果もそこまで大きいとはいえません。

もし、現役の中学生で中学1〜2年生の教科書を持っている場合は、そちらを活用して学習するのが近道です。学校の教科書には各学年の学習内容がしっかりまとまっているので、これにより学習範囲を漏らすことなく準備できます。一方4択式に慣れておく必要があるので、過去問を活用してといておくといいでしょう。英検は日本英語検定協会にて過去問が掲載されております。過去3回分がダウンロードできますので、こちらを活用しましょう。

一方、小学生でチャレンジする場合などは、中学生の教科書を持っていないことが一般的かと思います。「英検のためだけに」塾に通うようなことは必要ありませんが、もし英検に関係なく普段から英語教室に通っている方の場合は、英語教室に相談すれば対応してくれることも多いので、まず相談してみることをおすすめします。

一方、すべて自力で学習するという場合は、書店にて参考書を購入すれば充分対応可能です。英検4級に合致したテキストは数多く販売されていますので、こちらを購入します。どのテキストを購入するかは人それぞれですが、先にも紹介した通り、英検は過去問がホームページでダウンロードできます。従って問題量はさほど多くなくてもいいので、重要な構文や文法などに焦点を当てた参考書が望ましいといえます。

勉強期間は、もし英検5級は保有できているというなら1ヶ月程度あれば大丈夫です。英語に初めて触れるレベルということであれば、そもそも5級の内容を抑えなければならないので、2〜3ヶ月程度はかけたほうが良いでしょう。

リーディングの鍵は文法

上記で説明したように、英検4級の参考書で一通り勉強を進めていることを前提とすれば、英検4級を攻略する上で最も鍵となるのは文法です。前章で紹介した通り、中学2年生では多少語彙力も増えてくるので、より複雑な文章構成を可能とする文法がいくつも出てきます。もちろん文法問題はこのあたりを押さえた設問が頻出しますし、長文においても新たに学ぶ文法を活用した、これまでより難しい文章が混ざりこんでいます。長文読解自体は4級から初めて出題されますが、各設問の単語数はまだ100語台ですので、長い文章を読めるようになっていなくても、文法が出来上がっていれば充分対応可能です。

空所穴埋めなど文法系の問題も、長文読解も、共に文法や構文をしっかり身につけておくことが鍵になります。

リスニングも参考書+過去問で対応

さて、英検においては高い比重を占めるリスニング問題の対策ですが、英検4級クラスであれば、読まれる英語の速度はそれほど早くありませんので、耳を鳴らしておき、上記中学2年生までの内容をしっかりと学習しておけば問題なく対応できます。

リスニングについても、日常的に英語教室に通っているのであれば相談し練習するのはもちろんいいですが、英検4級のためだけに英語教室に通う必要はなく、自宅学習で充分対応できます。現在はCDやメディアをダウンロードすることにより音源を入手できる参考書が多く、こちらを活用すれば大丈夫です。

また、リスニングにもホームページにてスクリプトと音源が入手できます。過去3回分あるので、直前になったらこちらを活用して耳慣らしをするのが効果的です。

英検の場合は過去問を見ることができますので、いわゆる「模擬試験」形式の参考書はあまり必要ないといえます。

小学生でも合格できる英検4級

今回は英検4級の難易度や特徴、学習方法のポイントなどを紹介しました。英検4級は中学2年生レベルで、まだまだ基礎的なレベルである一方、今後の英語能力発展に向けて重要な文法が多く出てきます。しっかりと勉強すれば小学生でも取得は充分可能ですので、専門の参考書などを活用して充分に事前準備を行った上で当日の試験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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