IELTS 対策

IELTS(アイエルツ)の難易度は?

IELTSは、TOEICや英検、TOEFLとどう違うのでしょうか。難易度はどちらが難しいのか気になる方もいるでしょう。

日本では馴染みが薄いので、情報が少なく、周りに受験者が少ないのも原因かもしれませんね。

今回は、IELTSの難易度についてご紹介します。

IELTSはどんな試験か

IELTSは、「International English Language Testing System」で、留学や海外移住の際に必要とされる英語能力検定のひとつで、イギリスやアメリカ、オーストラリアなどで必要とされます。

イギリスへの留学や、移住のビザ取得の際にも必要とされることもあり、出題は、イギリス英語でされます。

アメリカの大学への留学ではTOEFLスコアの取得がメジャーですが、そのイギリス版、と考えると分かりやすいでしょう。

スコアは、4技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)の4技能で評価され、1.0から9.0まで0.5ポイントずつのスコアとなります。

満点は9.0です。

日本人のIELTSのスコア

IEFTS主催団体が日本人受験者のスコアデータを公開しています。

・アカデミックモジュール:5.8点

・ジェネラルトレーニングモジュール:5.7点

(2017年の日本人平均スコア)

5.5から6.0くらいのスコアを取っている人が多いということが分かりますね。

ますは、アカデミックとジェネラルトレーニングの違いについて確認しておきましょう。

アカデミックモジュールとは

アカデミックモジュールとは、主にイギリスの大学や大学院に留学したいと考えている、英語圏の病院で医師や看護師の申請をする際にも使えるテストです。

その名の通り、英語力が英語で授業を行う大学や大学院に入学できるレベルに達しているか、それを判定する内容になっていて、出題も学術系雑誌、新聞などのトピックからアカデミックな内容が選ばれています。

ジェネラルモジュールとは

主に、英語圏での検収や移住申請に使われるテストで、移住した後に生活する上で、英語で困ることがないかチェックする目的で使われているテストです。

そのため、出題内容も、アカデミックと異なり、日常的トピックが多く出題されています。

アカデミックモジュールとジェネラルモジュールの問題の違い

IELTSは4技能、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングで英語能力をテストします。

アカデミックとジェネラルは、両方とも4技能と受けますが、内容が異なるのはリーディングとライティングの2技能となります。

つまり、リスニングとスピーキングは、どちらのテストも同内容が出題されるのです。

内容が異なるリーディングとライティングですが、受験時間や問題数は同じです。

内容が、学術的な内容か、日常的なものか、の違いのみになります。

IELTSの英語力は

IELTSのスコアは1.0から9.0まで0.5ずつに分けられています。

難易度としては、ノンネイティブの日本人であれば、8.5が取れれば最高ではないかというところです。

ネイティブの英語講師でも9.0という人は、あまりいないのが実情です。

かなりレベルの高い英語能力テスト、ということができるでしょう。

それでは、公式発表されているIELTSの英語力についてご紹介します。

9.0はエキスパートユーザー。

充分に英語を駆使する能力があり、適切で正確、さらに流暢に使いこなし、完全な理解力もあるとされています。

IELTSはイギリスへの移住のビザ申請にも使われますから、9.0であれば生活に支障なく英語を話すことができるという証明になるでしょう。

8.0と8.5は非常に優秀なユーザー。

非体系的な不正確さがみられることも。

ただし、充分に英語を駆使する能力を有していて、慣れない状況で誤解が生ずる可能性はあるものの、混み入った議論にうまく対応することができるとされています。

7.0と7.5は優秀なユーザー。

時折、不正確さや、状況により誤解が生ずる可能性はあるものの、英語を駆使する能力を有していて、複雑な英語も上手に扱うことができ、詳細な論理を理解しているとされています。

6.0と6.5は有能なユーザー。

不正確さや誤解がいくらかみられるものの、効果的に英語を駆使する能力を有していて、特に、慣れた環境下であれば、かなり複雑な言語を使いこなすことも可能とされています。

5.0と5.5は中程度のユーザー。

たいていの状況下であれば、全体的な意味を掴むことができるものの、間違いを犯すことも予想される。ただし、自分の分野であれば、基本的なコミュニケーションを行うことができるレベルとされています。

日本人受験者の平均が5.7-5.8ですから、中程度から有能なユーザーというレベルであることが分かります。

基本的なコミュニケーションはできるが、不正確さがみられるということですね。

4.0と4.5は限定的ユーザー。

慣れた状況であれば、基本的に英語の能力を発揮できるものの、理解力、表現力の問題が頻繁にみられ、複雑な英語は使用できないレベルとされています。

3.0と3.5は非常に限定的なユーザー。

慣れた状況で、一般的な意味のみを伝え理解することはできるが、コミュニケーションが頻繁に途絶えるレベルとされています。

このようにIELTSでは段階的に、どの程度英語が使えるかをテストしています。

IELTSの難易度を、英検などから比較する

IELTSの公式のレベルについて理解できたものの、実際に自分が今受験したらどの程度のスコアなのか気になりますよね。

IELTSの試験勉強をするにしても、立ち位置を知っておくことで効率よい勉強が可能でしょう。

ここからは、日本人が良く受ける英検やTOEIC、そしてTOEFLとのスコア換算を見ながら比較して難易度を確認していきましょう。

IELTSと英検のスコア比較

まずは英語能力検定として、日本人の多くが受験する英検と比較してみましょう。

公式に発表はされていませんが、英検とIELTSの両方を受けた人のデータを分析すると、おおよその比較をすることができます。

英検最高峰である1級で、IELTS7.0程度

準1級でIELTS6.0程度と考えられます。

IELTSの満点は9.0ですが、7.0で英検1級ですから、かなり難易度が高いことが分かりますね。

多くの人が持っている2級以下も参考までに確認しておきましょう。

英検2級=IELTS 5.0

英検準2級=IELTS 4.0

英検3級=IELTS 3.0

英検4級=IELTS 2.0

日本人のIELTS受験者の平均が5.7~5.8ですから、英検2級以上の実力のある人と考えられます。

英検やTOEIC、TOEFLなどを受験したことのない人が、いきなりIELTSを初めて受ける、という可能性は低いと思います。

これまでにさまざまな方法で英語を学んできた人が、IELTSを受験していると考えるのが妥当でしょう。

総じて、IELTSを受験している日本人の英語レベルもある程度高いと考えられますね。

IELTSとTOEICのスコア比較

IELTSとTOEIC、両方を受けたことのある人のスコアを分析して、換算されたものをご紹介します。

TOEICの満点は990点です。

満点、及び満点近いスコアで、IELTSを換算すると下記のようになります。

TOEIC 970-990=IELTS 7.5

TOEIC満点というレベルでも、IELTSに換算すると7.5にしかなりません。

つまり、IELTS9.0というのは、ノンテイティブの人達にはかなり高いレベルということが分かります。

TOEICスコアをお持ちの方も多いでしょうから、ご自分のスコアがIELTSでどの程度の点数になるのかご紹介しておきます。

TOEIC 870-970=IELTS 7.0

TOEIC 820-870=IELTS 6.5

TOEIC 740-820=IELTS 6.0

TOEIC 600-740=IELTS 5.5

TOEIC 550-600=IELTS 5.0

TOEIC 500-550=IELTS 4.5

TOEIC満点を取ったあとに、さらに英語を磨きたい場合にIELTSの勉強をするのもよいかもしれません。

IELTSとTOEFL iBTのスコア比較

最後に、IELTSとTOEFL iBT(以下、TOEFL)のスコア比較をご紹介します。

実は、IELTSとTOEFLは目的が似ていることもあり、一番比較しやすいテストと言えます。

TOEFLもアメリカやカナダなど、英語圏での大学、大学院への入学の際に英語力を測るために使われることが多いからです。

IELTSの、特にアカデミックモジュールと目的が似ていますよね。

違いとしては、IELTSは主にイギリスで使われることがほとんどで、イギリス英語であることです。

それでは、スコアを比較してみましょう。

TOEFL 120=IELTS 9.0

TOEFLの満点120点と、IELTSの満点9.0は同レベルと考えられます。

どちらも、英語圏の大学や大学院に入学しても、問題なく英語を使って講義を受けたり、ディスカッションに参加できるという評価と捉えられるでしょう。

TOEIC満点や英検1級と、TOEFL、IELTSの満点は性質が異なります。

TOEIC満点や英検1級は、ノンネイティブである立場で、ネイティブな人と意思疎通が可能である、というレベルですが、TOEFL、IELTSの満点は、「実際に英語圏のアカデミックな場でも通用する英語」です。

英語圏での大学、大学院に留学し、英語に不安を抱えることなく研究をするために、学校側の指定するスコアは持っておくのはもちろん、少し上のスコアを目指して勉強しておくのがお勧めです。

というのも、せっかく希望の大学に入学できたのに、英語の勉強に時間を割かれて研究に集中できない状況はもったいないですよね。

できるだけ入学前に英語能力は高めておいて、英語の不安なく研究に没頭できるようにしておきましょう。

IELTSは難易度が高い!

IELTSの難易度についてご紹介しました。

日本人にはまだ馴染みが薄い英語テストですが、イギリスの大学や大学院を受験したい、また移住を考えている場合には必要になることがあります。

レベルや難易度を把握して、どのスコアを目標にするかで勉強方法も異なります。

英検やTOEIC、TOEFLとのスコア比較もご紹介しました。

これらの級やスコアを持っている人も多いでしょうから、自分のスコアと比較して、対策するのもよいですね。

英検1級やTOEIC満点である990点を持っていても、IELTS9.0には遠く及びません。

難易度は高いですが、英語をさらに学んでブラッシュアップしたいと考えている人には、よい目標となるでしょう。

また、TOEFLとは性質が似ていることもあり、満点が同レベルです。

アメリカの大学や大学院を目指していたが、イギリスに変更しよう、という人は試験対策をすることで高スコアを取ることもできるでしょう。

その場合、イギリス英語に慣れること、試験対策本で出題内容を把握して慣れておくことでスムーズな受験が可能になります。 必要に応じて、IELTSの対策をして、高得点を目指しましょう。

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