コラム

TOEFL90点のスコアのレベルって?90点を突破するための対策・勉強方法

TOEICと並んでグローバルに知名度が高い英語のテストがTOEFLです。主に留学をはじめとした教育機関にチャレンジする場合はTOEFLのスコアが判断基準とされることが多いです。また就職活動においても、TOEICと並行してTOEFLの点数も加味してくれる企業は多いです。

TOEFLは120点満点ということを考えると、スコアで90点というのはそれなりに高い点数といえます。今回はTOEFL90点のレベルの目安や、90点を突破するための勉強法についてご紹介します。

TOEFLの点数別のレベルとは?

まずTOEFLの点数ごとのレベル感について簡単におさらいしましょう。TOEFLは最もポピュラーなiBTの場合、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能全てを測定します。各々の配点が30点、計120点満点です。TOEICはこれとは対照的に一般的に使用されるLRテストではリーディングとリスニングしか必要としません。そのため、単純比較はしきれないところはありますが、概ね以下のような相関関係になっていると言われます。

参考までに日本では老舗資格の英検やイギリス発祥の英語テストであるIELTSとの相関も紹介します。

TOEFL(iBT): 109〜120

  • TOEIC:960以上
  • IELTS:8〜9
  • 英検:該当なし(英検1級より難しい)

TOEFL(iBT):100〜108

  • TOEIC:875〜950
  • IELTS:7〜7.5
  • 英検:1級

TOEFL(iBT):61〜99

  • TOEIC:645〜865
  • IELTS:5〜6.5
  • 英検:準1級

TOEFL(iBT):41〜60

  • TOEIC:470〜635
  • IELTS:4〜4.5
  • 英検:2級

TOEFL(iBT):32〜40

  • TOEIC:300〜465
  • IELTS:3〜3.5
  • 英検:準2級

日本では相応に英語力があるとみなされる英検2級でもTOEFLになると60点に満たない程度ということになり、TOEFLのレベルの高さが伺えます。今回のトピックにしているTOEFL90点以上は、概ね英検準1級の成績優秀層、TOEICでは800点前後の点数となります。ただしTOEICと異なりスピーキングやライティングの能力も測定されるので、より実践的な英語力を測定できるといえます。

TOEFLの90点は実用面ではどのようなレベルか

さて、他のテストとの比較でのTOEFLのレベルは前章で紹介した通りですが、TOEFL90点をとっていると、実用面でのような効果や、どの程度英語を活用できるかを説明します。

まず「資格として」の活用度から説明します。TOEFLは概ね80点以上あたりから英語圏の海外留学における英語の基準をパスできるようになります。アジアの大学であれば、もう少し低くても可能です。90点となると、一部のトップランクの大学を除けば、多くの大学において英語での基準は満たしていることになります。これは裏を返せば、留学した時に語学面で学業に致命的な支障が出る心配がないとみなされているということになります。TOEFL90点というのは、少々難関大学レベルの授業を全英語で受けても対応可能なレベルですから、英語圏での日常生活も可能ですし、仕事も充分こなすことができます。

就職活動面からいうと、現在日本の多くの企業においてはTOEICが基準になっていることが非常に多いので、自分の就職希望の企業について調べておきましょう。

もし日本国内の企業を受ける場合、さほど海外に力を入れていない企業においては、TOEICを受験しておいたほうがいいでしょう。とはいえ、TOEFLで90点を獲得できるのであれば、TOEICでも相応に高い点数を獲得できるはずですので心配はいらないでしょう。

逆にTOEICで800点クラスなどを推奨するような日系ながら海外比率の高いグローバル企業や、外資系企業については、TOEFLを受験しているとスピーキング・ライティングの能力も証明できるので高く評価されることもあります。

スピーキング・リーディングの能力は実際に英語を活用して働くとなると途端に重要度が上がりますので、働き始めるとTOEFL90点超えというのは高い効果を発揮します。特に日本人は、4技能の中でリーディングを得意としていることが多いです。これは大学受験をすると多くの生徒がリーディングの配点が高いセンター試験を受けるので、学校教育で重視されていることが多いためと言えるでしょう。従って一般的にTOEFL90点はTOEIC800点相当となりますが、日本人の場合はTOEIC800点ホルダーなのに英語を全く話せない、ということも発生します。TOEFLであればスピーキングも問題なくできるので、実際に海外の人とコミュニケーションをとったり、海外で働いたりということが可能となります。

一方で、まだ「ネイティブと同じように」とはいかないというのも事実です。特に金融機関など専門性の高い仕事をする場合はある程度は慣れが必要であったり、専門用語を覚えるまでは電子辞書を持ち歩いたりすることが必要になるかもしれません。相手方がある程度日本人であることに気を使ってくれれば仕事をこなすことは問題なく可能です。

このようにTOEFL90点は資格面でも実用面でも高い効果を発揮します。TOEFL90点を目指して学習を継続していれば、大学ではもちろん、充分仕事でも使える英語力が身につきます。記事の後半では学習の方法を紹介しますが、英語を仕事や学業で活かしたいと思っている方は、是非TOEFL90点を目指しましょう。

TOEFLの問題構成や配点

ここでTOEFLの問題構成・配点と、90点を目指す場合にどのように得点すれば効率的に90点がとれるか、考えて見ましょう。

まずは、TOEFLの問題構成ですが、以下のようになっています。

Reading:60-80分

  • アカデミックな長文読解問題で構成
  • 問題数:3-4パッセージ(各パッセージ約700語、12-14問)

Listening:60-90分

  • 講義と会話の2種類の問題で構成
  • 問題数:講義 4-6題(1題 3-5分、約500-800語、6問)・会話 2-3題(1題 約3分、5問)

Speaking:20分(2種類の形式・全6問で構成)

  • Independent tasks
    • 問題数:2問
    • 時間:準備15秒・解答45秒
  • Integrated tasks
  • Read・Listen・Speak 2問(準備30秒・解答60秒)
  • Listen・Speak 2問(準備20秒・解答60秒)

Writing(50分・  2種類の形式・全2問で構成・タイピングにて解答)

  • Integrated Task
  • Read / Listen / Write
  • 問題数:1問
  • 時間:20分
  • Independent task
  • 問題数:1問
  • 時間:30分

出所:https://www.cieej.or.jp/toefl/toefl/format.html

配点はそれぞれの技能毎に30点で合計120点です。大体4時間〜4時間半の長丁場になりますので、集中力の持続も鍵となってきます。特に後半のリスニングやライティングでは、それぞれ複合的な能力を必要とする問題が出題されます。総合的な英語力を試すという意味では非常に優れたテストですが、複合的な能力を使うことでより疲れてきやすいので、より集中力が必要となります。

セクション別の目標を立てる

90点を目指す上でまず大事なのは、セクション毎の目標点数を定めることです。もちろん、バランスよく得点できるに越したことはないのですが、まずはどんな形であれ90点をとることが、就職活動や留学を念頭に置いた場合には重要です。

単純に90点を各セクションに配分するとなると、22.5点となります。しかし、22.5点をそのまま目標にすることはあまりおすすめできません。なぜなら、人それぞれ得意な分野が違うからです。一般的に日本人の場合はリーディング・ライティングが相対的に得意で、リスニング・スピーキングが苦手なことが多いので、配点の高いセクション順に、リーディング>ライティング>リスニング>スピーキング、となることが比較的多いようです。もちろん苦手なスピーキングを高めるというのも長期的な英語力の向上には役立つものですが、まずは90点を取ることを重視すると、この順に目標点を高く設定することがセオリーです。

ちなみに90点を取る日本人のパターンとして、リーディングは90%近く得点する人も珍しくないようです。そこまではいかずとも、セオリー的な得点目標としてはリーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの順で25点・22点・20点・23点というところでしょうか。リーディングが高く感じますが、TOEFL90点クラスの人は、TOEIC800点クラスの人と同様で時間をかければ満点も狙えるというような状態になっていることが多いので、不可能でありません。むしろ「それくらいでないと90点には届かない」と覚悟しておく必要があるでしょう。

TOEFL90点を目指す前に

TOFELの勉強法をセクションごとに紹介する前にお伝えしておきたいのは、TOFELで90点を目指す勉強には大前提として、ある程度時間をかけて臨むことが必要になります。巷には「〇〇日でTOEFL90点」のような記事も散見されますが、これは極めてセンセーショナルな例に過ぎず、一般的に90点というのは英語の素養がない状態から始めるならば、時間をかけながらじっくり点数を高めて行く必要があります。

幸いTOEFLは、英検やTOEICと比べ、頻繁に開催されるという特徴があります。少なくとも月3回程度、月によっては開催日数が4回の月もあります。比較的いつでもチャレンジ可能ですので、焦らずに点数を高めていきましょう。

TOEFL90点を目指す対策法・リーディング②

先に紹介した通り、合計点数90点を取ることを海外生活や留学経験のない日本人が取得するとなると、リーディングをまず得点源にしていくのがセオリーです。TOEFLはもともと留学生向けの英語試験という側面が強いため、出題される文章も、大学初級程度の学問的な内容が多いです。文法には大きな特徴はありませんが、単語や読解対策を進める上では、文章の内容が学問的であることに留意して臨むことが必要でしょう。では、リーディングの能力を高めて行く上でのポイントを、単語・文法・読解に分解して考えて見ましょう。

習得必要単語数は8,000〜10,000語レベル

TOEFLで90点を獲得しようとする場合、単語の目標習得語数は8,000〜10,000語レベルといわれています。ただし、これはbe動詞など極めて基本的な語も含めた単語数です。単語帳等を使って意識的に覚えて行くべき語数という意味では5,000語前後であると思われます。

単語については地道に覚えて行くしかない部分が大きいといえます。まずは市販の単語帳を購入しましょう。そして、極力毎日単語帳を開くことが肝要です。要領としては、1周目はページの7割、2周目は9割覚えたら次に進み、3周目では覚えて切ってから進めるようにしましょう。最低でも3周は活用して、確実に単語を浸透させていきます。単語帳は市販のTOEFL専用のものを購入することをおすすめします。基本的に90点を取るとなると最高難易度のものを粗々マスターしておく必要があります。難しい方は一つ下のランクの単語帳から始めてもいいですが、とにかく最高難度の単語帳までマスターしなければ90点獲得は難しいです。

文法は高校レベルをマスターしておく

3要素の中で最も時間をかけないで済ませたいのが文法です。正直文法というのは高校までで、少なくとも英語実用に耐えるほどには完成されています。実際上位の大学の英語の講座で英語文法を改めて学ぶことはほとんどありません。高校までの文法で間に合わない部分を拾いに行くのは時間がかかる割に収穫の少ない勉強となってしまうでしょう。

万が一、文法に苦手意識がある方は、高校レベルの文法学習帳をマスターしましょう。現在は参考書・問題集形式、単語帳のように左右に分かれて構成されているものなど、さまざまな工夫が凝らされたものが発売されているので活用しましょう。

リーディングはTOEFL用の問題集を解きつつ普段から英文を読む

TOEFLで出てくる長文の語数は500〜800語です。これは日本でも難関大学であれば普通に長文問題で出てくる語数で、慶應大学SFCや上智大学など英語に力を入れている学部であれば、むしろもっと長いのもあるくらいです。おそらくこれを3-4本読むというのは、TOEICよりは楽に感じるでしょう。対照的に、TOEICは2-5問ごとにパッセージが分かれているので集中力と時間の勝負になりがちです。

問題集については、かならずTOEFL専用のものを利用しましょう。出題傾向が学問的で、文章ジャンルに偏りがあるため、TOEICの問題集では不十分になってしまいます。TOEFLは1パッセージごとの問題数が多いため精読に近くなりますが、速読力を維持するのと、英語に慣れておくために普段から短めの英文を読んでおくことをおすすめします。文章のジャンルについては、本来学問的な内容が望ましいのですが、大学初級の短い学問的な文章はそうそうあるものではありませんので、ニュースや新聞などから比較的アカデミックなものを選択する、という程度で大丈夫です。

TOEFL90点を目指す対策法・リスニング

続いてはリスニングの訓練についてです。TOFELのテキストを使う場合は、先ほど決めた目標の点数を目指して勉強しましょう。しかし、TOEFLの問題集を毎日、なんてやるとすぐに問題が終わってしまいますので、TOEFLの問題集は定期的か、毎日取り組むにしても少しずつにしましょう。

リスニング力を向上させるために、一番大切なことは継続的に英語を聞くことです。

継続的に英語を聞くために、TOEFL専用のものを使用する必要は特段ありません。何かしらリスニングの対策書・アプリなどを利用したほうがいいことは確かです。と言いますのも、リスニング力を上げるには英語の音声と、英語のスクリプトがあるほうが望ましいからです。また、英語力に不安がある人は、日本語のスクリプトも併せてついているものを選ぶようにしましょう。

まず、自分の実力をはかりましょう。音声を聞いて、スクリプトなしでどの程度意味を理解できるか試します。80%くらい意味がわかるなら次に行ってください。できればより難しい音声を聞いてください。そこまでわからなかったという場合は、スクリプトを読み、わからなかったところを繰り返し聞いてください。実際に聞き取れなかった部分を、自分で発音することも効果的です。その後もう一度聞いて、やはり80%くらい理解できるようになったら次に行ってください。これを繰り返すことで、リスニング力は着実に向上していくでしょう。

TOEFL90点を目指す対策法・スピーキング

大抵の日本人が最も苦戦する傾向にあるスピーキングですが、何とか66%、感覚としては70%程度を目指していきましょう。

スピーキングは英会話を学ぶのが間違いなく最も近道です。TOEFLではTaskが2種類に分かれていますが、種類ごとの対策にこだわる必要はなく、とにかく話す機会を作ることが大切です。

しかし、おそらくそんな時間やお金がないから悩んでいるという人も多いと思います。その場合は、インターネット、リスニング問題集、なんでも良いですが、「問いかけ」形式になっている音声を集めてください。音声で出題されるタイプのリスニング問題でもいいです。

そして、それらに対して、聴いたら声に出して回答する、これを繰り返してください。TOEICのリスニング問題Part 3や4を紙を見ずに会話で答えるようにするのも良いかもしれません。(実際のTOEICよりはるかにハードルが高くなるので正答率はこだわらなくていいです)これで相応に会話を補完する効果があります。

しかし、繰り返しになりますが、絶対に実際に話すほうが効果的であるのは間違いありません。

TOEFL90点を目指す対策法・ライティング

ライティングは日本人はリーディングの次くらいに得意なことが多いです。本番は最後のセクションになる可能性もあるので、集中力の維持が課題になるかもしれないので、集中力もつけていきましょう。

ライティングについても、単純ながら「とにかく書く」が一番効果的といえるでしょう。やり方はいろいろありますが、リーディングと組み合わせた対策法として、本来選択肢スタイルの問題を英作文で答えていくスタイルで、ベーシックな英作文力が養っていくこともおすすめです。

しかし、これだけでは不充分なのがTOEFLの手強いところです。というのも、TOEFLの英作文は要約と自由英作文の両方が課せられているからです。要約はなにかしらの英文を150〜250語程度を目安に要約したり、自由英作文はテーマを決めて300語で書いてみたりしましょう。「とにかく書く」ということがここでも重要になってきます。

そして、ライティングでは「リライト」、書き直しの作業をすることで格段に力がつくと言われています。できれば英会話の先生に依頼するなどして添削をしてもらうのが望ましいです。いない場合でも、とにかく作文し、可能な限り辞書や文法書を使用して書いた文章が正しいか検分するようにしましょう。完璧だと思っていても、一度落ち着いて見直してみるとスペルミスなどが見つかる場合もあります。

地道な努力が一番の近道

TOEFL90点は留学や海外生活経験のない日本人にとって簡単な道ではありません。英検準1級アッパーのレベルだということであればその難しさがわかるかと思います。一方で決して目指せない点数ではなく、地道な学習により習得できる水準でもあります。またこれだけの高得点を獲得すれば、自身の英語力は飛躍的に向上し、様々な場面で英語が使用できるようになっているはずです。海外留学や、グローバル企業への就職を目指すなら、ぜひトライしてみましょう。

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