コラム

IELTS とは? IELTSの概要と試験詳細

IELTS(アイエルツ)は近年TOEICと同様、注目度が高まってきている英語の試験です。TOEICと異なり、留学生や移民の英語能力をチェックするものとして実施されるものです。世界で年間300万人が受験しており、日本でも受験者が増加中です。今回はIELTSの概要や試験詳細についてご説明します。

IELTSの概要

IELTSの特徴について簡単にまとめました。IELTSは留学生・移民向けの英語試験ではありましたが、近年はそうした用途に限定せず、TOEICに代わる「英語試験をチェックする方法」として普及し始めています。日本でも、東大や外務省などではいち早く英語能力のチェック指標として導入されています。試験の詳細な実施方法は次章に譲りますが、IELTSの特徴は以下の通りです。

  1. リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つすべてが試される
  2. TOEICと違い記述式
  3. スピーキングは面接・プレゼンの実施もある
  4. イギリス英語

TOEICは一般的なものはリスニングとリーディングなので、4つの技能をしっかり測ることができません。一方、IELTSは上記の全ての技能を測る試験がセットで実施されますので、総合的に英語能力を測ることができます。

日本人の英語力向上にとってとくに効果的なのが、「記述式」「プレゼン・面接試験の実施」です。TOEICはマーク式ですが、これでは正しいスペリングや自在な文章構造の形成などは測れません。IELTSは記述で問題を解くので、もちろんスペルや書いた文章の正誤もしっかりチェックされます。また、英語の試験が筆記であることが圧倒的に多いために、スピーキングを苦手とする人が多いのも日本人の特徴です。IELTSは面接試験でしっかりと会話能力や英語でのアウトプット能力を測定されます。

最後はややデメリットに近い部分ですが、IELTSは英ケンブリッジ大学が主催する試験のため、使用するのはイギリス英語で、ややアカデミックな内容や使いまわしが多いです。この点はTOEICがビジネスや日常的なシチュエーションを想定した設問が多いことと比較すると、ややとっつきにくい部分はあるかもしれませんが、それでも英語の基本4技能を全てチェックすることのできる効果は大きなものがあります。

<IELTSの試験詳細

続いてIELTSの試験がどのように実施されているのか、試験の詳細をご紹介します。日本では、IELTSは英検を主催する公益財団法人日本英語検定協会が実施しています。

実施会場・日程

日本では、全国16都市で開催されています。東京・大阪のみ「2日間(2DAY)」のコースがありますが、基本は1日(1DAY)での開催です。

東京・大阪では、1DAYはほぼ毎週、2DAYは不定期(概ね月2〜3回程度)で、月1回は木曜日、残りは土曜日開催となっています。2DAYの場合は連続した土日を使用するのが基本です。それ以外の14都市については、毎週輪番のような形で実施されます。1会場あたりの実施頻度は2ヶ月に一度程度です。

スケジュールが変則的なので、詳細はこちらで確認することをおすすめします。

http://www.eiken.or.jp/ielts/schedule/

試験概要

先に説明した通り、IELTSは4技能全ての能力を測ることができ、筆記とスピーキング試験があります。概ね以下のような構成になっています。

筆記テスト(午前中に実施)

  • 準備や説明など(20分)
  • リスニング(40分)
  • リーディング(60分)
  • ライティング(60分)

スピーキングは、1DAYなら午後、2DAYなら筆記テスト翌日の午前中に実施されます。公式には構成の詳細は書かれていませんが、だいたい以下のようになっています。約15分程度の試験時間となっています。

  • 5分程度:インタビュー形式で短めの質問パート
  • 5分程度:TOPIC CARDが渡され、内容に沿って話をする
  • 5分程度:TOPIC CARDの内容について、より掘り下げた話をする

リーディングとライティングは2つのモジュールがあり「アカデミック」「ジェネラル」を選択します。問題の方向性が異なるので、自分の英語の使用シーンを鑑みて選択するといいです。日程によっては片方しか開催されない日があるので、ここは試験日程を確認の上申し込みましょう。

申し込み方法

申し込みをする上で、主な留意点は下記の通りです。

  • 身分証明書は「パスポート」
  • 事前に「IELTS ID」を作成する必要がある
  • 申し込みは全てWEBでの実施となる
  • 締め切りは筆記の実施日の19日前の正午まで
  • 支払はクレジットカード・コンビニ現金支払・ゆうちょ銀行ATMで実施可

その他お申し込み方法の詳細は下記の公式ページを参照してください。

http://www.eiken.or.jp/ielts/apply/

受験費用は試験を受けることで、25,380円、成績書の発行・郵送で合計2,700円かかります。ここはTOEICよりだいぶ高額なので注意が必要です。

<h2>IELTSは英語の総合力を示す目印

今回は近年注目度が高まってきているIELTSの試験の概要や試験詳細についてご説明しました。費用が高額なのはネックではあるものの、総合的な英語力の向上にとても役立つ試験です。

仕事や大学で、あるいは留学などで頻繁に英語を使うことが想定される方は、是非受験してみることをおすすめします。

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