コラム

TOEFL100点って高いの?スコアと各大学の合格点

本稿では、「TOEFLの試験ってなんだ?」というところから、TOEFLスコアの実際の使われ方についてご紹介します。TOEFLスコアの英語力がどの程度のものなのか、詳しく解説します。

TOEFLの試験の目的

まず、TOEFL(トフル)と呼ばれる試験は、何のための試験なのでしょうか。基本的にTOEFL(トフル)は、「海外留学のための試験」です。TOEFLというのはもちろん略語で、「Test Of English as a Foreign Language」という試験名があります。

この試験名からわかるように、アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドといった英語での教育をしている国の大学や大学院に、英語を母国語としない学生が留学するときに、英語力を測る試験として利用されています。

要するに、この試験のスコアによって、どの大学・大学院に入学できるかが決まります。

TOEFLの試験は、iBT・CBT・PBTと3つの試験があります。9割以上の受験者が「TOEFL iBT」を受験します。そのため、「TOEFLのスコア100点」と聞いた場合は、「TOEFL iBT」が100点あると理解して大丈夫です。

後述しますが、「TOEFLのスコア100点」というものは、とても高い点数で、日本人では得点できる人が少ないくらい難しい点数です。満点は120点です。

「TOEFL iBT」は、パソコン上から出てくる問題を見たり、音声を聞いたりして解答する形の試験になるので、「TOEFL iBT」の受験生は、マウスを握り、ヘッドセットを頭に付けて全セクションの試験を受験しなければいけません。

TOEFLの試験の内容は、学術的な内容が多いことと、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの英語力を測ることができること、解答時間が4時間30分と長いことが特徴的です。また、費用も235ドル(約25,000~26,000円)と資格試験にしては高額で、こまめに受けることができないことも特徴的といえます。

英検やTOEICとどこが違うの?

それでは、TOEFLのスコアの全体像を把握するために、「TOEFLと他の英語試験とはどのようにちがうのだろうか?」という疑問に答えていきます。

よく聞く試験としては、「英検」や「TOEIC」といったものがあります。これらの試験と比較してみるとイメージがつきやすいと思います。

「英検」(正式名称は、「実用英語技能検定」)は、英語力を測定する検定試験で、5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級といった7つ級によって、英語力が分類される試験です。英検3級が中学卒業程度、英検2級が高校卒業程度の英語力になります。英検では、英作文や二次面接などでコミュニケーション能力を測ることができます。しかし、TOEICやTOEFLと比べ、1級相当以上の英語力が測定できないという点や、主として日本国内でしか通用しない資格であるという点があります。

特に、海外の有名大学へ留学しようとする場合は、英検では測定できない英語力が必要となるため、海外留学で通用する英語力を身に付けているかどうかの判定をする試験としては、使い勝手がよいものではありません。

一方、「TOEIC」は、「Test Of English International Communication」という正式名称があります。「TOEIC」は名前の通り、「英語の実践的なコミュニケーション能力を測るためのテスト」です。「読む」と「聞く」に特化した英語の試験になるため、ビジネスシーンでの英語力をアップさせたい場合に学習することが多い試験と言えます。問題で題材となるテーマも、ビジネス上の会話のリスニング・読解問題が極めて多く出題されます。そのため問題自体は、TOEFLに比べると比較的簡単です。

就職活動や企業の海外部門等で英語力を測る場合は、TOEICスコアがどの程度あるかを大きな目安にすることが多いです。また問題がTOEFLより簡単なため、試験対策をするとスコアが伸びやすい試験であるともいえます。日本人と韓国人が非常によく受ける試験で、海外の大学でどの程度の英語力なのかを測る目安としては、あまり利用されないことが多いです。

さらに、「TOEIC」はマークシート式の問題を解く形になります。受験費用の面でも、TOEICは、一回の受験料が5,725円と安いことも特徴的です。TOEICはコミュニケーション能力試験であるため、問題がそこまで難しくないことが多いですが、TOEFLの試験は、大学・大学院への留学を念頭にした試験のため、より学術的な英語と向き合わなければならなくなります。

TOEFLと各試験のスコア比較

それでは、TOEFLと各試験のスコアについて比較をしてみましょう。ざっくりとした比較としては、下記の通りになります。

≪TOEFL iBT 109~120点相当≫

TOEIC:990点(満点)

英検  :1級

≪TOEFL iBT 100~108点相当≫

TOEIC:870~970点

英検  :1級

≪TOEFL iBT 90~99点相当≫

TOEIC:820~870点

英検  :準1級

≪TOEFL iBT 80~89点相当≫

TOEIC:740~820点

英検  :準1級

≪TOEFL iBT 61~79点相当≫

TOEIC:550~740点

英検  :2級

≪TOEFL iBT 45~60点相当≫

TOEIC:450~550点

英検  :準2級

≪TOEFL iBT 29~44点相当≫

TOEIC:291~440点

英検  :3級

≪TOEFL iBT 12~28点相当≫

TOEIC:260~290点

英検  :4級

上記のようなスコア分布になります。つまりTOEFL iBTが100点であると、だいたいTOEICで870~970点、英検は1級が取れるレベルの英語力になります。TOEFL 100点で英検1級程度の英語力に相当するわけですから、TOEFLのスコアは、かなり上位の方の英語力が判定できることがわかると思います。TOEFL受験者の実体験として、「50点までは比較的容易にスコアを伸ばせるがそれ以降のスコアを伸ばすことが徐々に難しくなってくる」と言われることもあります。このスコア分布を見ればわかるように、アメリカの超有名大学院に入学するためのスコアとして、TOEFLが110点必要である場合、英語力のハードルは、かなり高いと言えます。

TOEFLのスコアと各大学の合格点

それでは、TOEFL iBTのスコアによって、どの大学への留学ができるようになるのでしょうか?各留学先大学とTOEFLスコアとの関係について見てみましょう。多くの留学先大学では、TOEFLで最低限必要なスコア(Minimum Required Score)を定めています(ただし、定めていない大学もあります)。

その中でも、大きく分けて5段階のスコアの基準があります。それが、60点未満、61~79点、80点~99点、100点以上、110点以上の5段階です。それぞれの段階でどのように留学先の大学が選定できるようになるのか、具体的な大学名を紹介しながら、点数レベルのイメージをご紹介します。

0~60点:

全く留学ができないわけではありませんが、留学先の選択肢が多いわけでもありません。留学先大学に入学前に語学学校に通うことを条件にして、入学することが多いスコアです(「条件付き入学」といいます)。そのため、語学学校に通う期間分だけ、卒業時期が遅れる場合もあります。しかし海外に乗り込んで勉強して英語力を身に付ける方が、英語学習の進み方が早いことを考えると、条件付き入学でも留学してしまうことがおすすめといえます。コミュニティーカレッジなら45点から入学できる場合もあります。アメリカの大学への留学が厳しいということであれば、オスロ大学 (ノルウェー)や、バンドン工科大学 (インドネシア)など、英米圏ではない大学に留学する方法もあります。

61~79点:

英米圏の4年制大学への留学を希望する場合に、なんとか確保しておきたいスコアです。入学しやすい大学であれば、61点あたりから入学が可能になります。80点に近づいてくれば、テレビや新聞等で聞いたことのある名前の大学が留学先の選択肢に上がってくるようになります。

具体的な留学先としては、アリゾナ州立大学、パデュー大学、ボウリンググリーン州立大学、クリーブランド州立大学、カリフォルニア州立大学 、イーストテネシー州立大学、アイダホ州立大学などがあります。

80点~99点:

80点が英米圏の4年制大学への留学を希望する場合に目標とすべきスコアです。80点ほどのスコアがあれば、留学先の大学の選択肢がぐっと広がることが実感できます。そのため、留学先の選択肢を広げたい場合は、この80点を目安にしていただくのがおすすめです。このあたりから、留学先の大学もテレビなどでかなりよく聞く有名大学が出てくるようになります。

同時に、80点は、大学院への留学であれば、最低限必要なスコアになります。大学院によっては、85点以上が必要になる場合もあり、大学入学よりもさらにハードルが上がります。90点が見えてくると、今度はほとんどの大学に留学することができるようになります。日本の大学のレベルを超える大学への留学ができるのも、90点を超えるあたりからです。

具体的な留学先としては、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、フロリダ工科大学、UCバークレイ校、サンフランシスコ大学、イリノイ大学、ボストン大学、カーネギーメロン大学、イリノイ工科大学などがあります。

100点以上:

世界的に有名な大学に留学するときに目安となるスコアです。100点以上のスコアが留学で必要な大学は、「アメリカで上位にランクインしている名門大学」といってよいと思います。そのため、100点あれば、ほとんどすべての大学に留学することができるようになります。TOEICでは最上級レベル(990点)の英語力に相当します。

具体的な留学先としては、ハーバード大学、プリンストン大学、スタンフォード大学、イェール大学、シカゴ大学、ペンシルベニア大学、コロンビア大学、マサチューセッツ工科大学、ロンドン大学 (イギリス)といった大学です。

110点以上:

ハーバード大学MBAなどの超有名大学院では、110点以上のスコアが目安になります。ハーバードの他には、オックスフォード大学の大学院、プリンストン大学の大学院などが110点以上を目安としています。ここまでTOEFLのスコアが伸びた場合は、英語力をTOEICや英検を使って測定すること自体ができなくなります。

TOEFL100点はとても高い点数!

以上、TOEFLのスコアと留学先大学の関係を見てきました。TOEICのスコアよりも、日本人にとってはなじみが少ないのがTOEFLのスコアです。

ここまで詳しく見ていくと、TOEFLのスコアの英語力がかなり詳細に見えてくるのではないでしょうか。 なお、上に述べた基準はたびたび変更になることもあるため、留学先が決まっている場合はこまめに確認するようにして下さい。TOEFLのスコアをアップさせて、ぜ

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