英検は果たして就活・転職に有利なのか?実情をご紹介
英検を持っている人は多いでしょう。自主的に英語の実力を上げたくて取ったという人もいれば、英検を取っておきなさい!という先生の勧めで頑張って取ったという人もいるかもしれませんね。
せっかく英検を持っているのだから、就職活動や転職に役立てたいと考える人のために、実情をご紹介していきます。
就活で英検が評価されるのは2級以上
就職活動では、持っている資格をなるべく書きたいものですね。しかし何でもかんでも持っている資格を書いても、逆にボロが出てしまうことがありますよね。英検が評価されるとすれば2級以上でしょう。
例えば、漢字検定も2級以上であれば日本語力もしっかりしていて、何か文書を頼んでも漢字を間違えずにきちんとライティングしてくれるだろう、とみなされますが、5級と書かれていたら、仕事で使うような漢字がちゃんと書けるのかな、と不安を覚えてしまいます。
それと同じで、英検も2級以上であれば「英語がそれなりに出来るのだな」と判断されますが、4級、5級では「中学英語が出来ても…」という評価に繋がってしまう恐れがあります。
また、進学校では英検2級までは当たり前に取る、という流れになっているため、2級を合格できずに3級止まりであると「高校でも英語に取り組まなかったのだな」という評価になってしまうことも。
就活で評価されるのは最低でも2級以上と考えておいた方がよいでしょう。
分野によっては英検よりTOEICが重要視される場合がある
就活で国際部門など英語を使っての仕事を希望している場合には、2級では弱いことがあります。この分野で評価されやすいのはTOEICで、留学してアメリカなどの大学を卒業してきた場合にはTOEFLのスコアを持っている人もいます。また、イギリスなどに留学している場合にはIELTSを持っている人も。
就活前に余裕があればTOEICを受けてスコアを持っておくのもよいでしょう。
英検、TOEIC、TOEFL、IELTSの換算
英検しか持っていない場合には、他の英語能力テストではどの程度の実力なのか分かりませんよね。
そこで、英語の検定として有名なTOEIC、TOEFL、IELTSとの換算をご紹介します。
試験の方法や内容などが異なりますので、あくまでも目安と考えてくださいね。
英検2級
TOEIC 550点から600点
TOEFL iBT 61-68点
IELTS 5.0
TOEICでは、就活に600点以上で記載するのが一般的です。英検2級ではようやく600点程度となることから、少し弱い印象を受けてしまいますよね。
それでは英検準1級も見てみましょう。
英検準1級
TOEIC 740-820点
TOEFL iBT 80-89点
IELTS 6.0
TOEICも700点以上であれば、英語でのコミュニケーションがかなりできると判断されますから、英検準1級であれば、就活の武器としてある程度威力を発揮すると考えられます。
英検1級は、英検の最高峰。
他の英語検定と比較してどのようになるのでしょうか。
英検1級
TOEIC 870-970点
TOEFL iBT 100-108点
IELTS 7.0
TOEICの満点は990点です。英検1級であれば、TOEIC満点くらいのスコアと同等であると考えられるため、英語がかなり出来るとみなしてもらえるでしょう。
また、TOEFL iBTはアメリカの大学に留学する際に必要となります。イェール大学、ハーバード大学など一流とされる大学では100点以上が必要となりますから、英検1級程度であることが分かりますね。
それ以外の大学でも80点前後は必要となることから考えると、英検準1級程度です。アメリカ留学をしてきた人と英語で勝負するためには、英検1級くらいはないと就活では全く歯が立たない状態になります。
英検をどうアピールするか
例えば、英検2級しか持っていないけど、就活でアピールしたい!と考える場合には、取得するまでの勉強方法などをアピールするとよいでしょう。
国際部門などを希望する場合には、2級では弱いのでNGですが、英語を特に必要としない会社や部門への就活であれば、目標を定め計画性を持って取り組めることをアピールすることは可能です。
また、英語力をつけるために、英会話レッスンを受け、さまざまな国の文化に触れコミュニケーションを行ったこともアピールポイントとなります。仕事では、コミュニケーション能力が重視される傾向があります。
書類がいくらパーフェクトに作れていても、コミュニケーションが取りづらい人は、評価がされにくいのです。上司はもちろん、同僚とも適度のコミュニケーションが取れ、取引先にも失礼がなく気持ちの良い会話ができるということは、仕事をする上でとても大切なこと。面接官も、そういった人間性を見極めようと会話を振ってきます。
日本人以外の人と英語で会話をして、文化の違いを意見交換したなどの経験があれば、ぜひ就活のアピールポイントに追加してください。英検2級であっても、好印象を与えることに繋がりますよ。
準1級や1級であれば、踏み込んでアピールする
英検準1級や1級であれば、日本人として英語がかなり使える評価となります。帰国子女や留学帰りの人が多く希望する会社や部門では弱くなってしまいますが、一般企業であればアピールポイントとして使えるでしょう。
このレベルであれば学習時間もかなり必要ですから、どのように勉強時間をねん出したか、という観点でもアピール可能です。仕事でも同じ内容のものをこなすのに、効率的に時間を使って最大限の効果を発揮してくれる社員が重宝されます。
勉強時間をねん出するために、スキマ時間をうまく活用したことや、時間を区切って集中的に行ったことは、時間管理ができる人間として評価される可能性があります。また、英語以外の勉強と同時進行で英検資格の勉強ができるということは、マルチタスク的な仕事もこなせると評価されることも。
さらに、難易度の高い資格試験に合格しているということは、資格試験をクリアするための勉強方法が分かっているということです。入社した後に「会社で必要な資格だから」と資格取得を求められる際にも、対応可能な社員になってくれるだろう、と考えられますよね。
効率よく勉強するために使ったアイディアなどがあれば、面接でアピールするのもよいでしょう。
英語でコミュニケーションできることをアピールする
英検のみならず、英語で話すことにある程度自信がある場合には、ぜひ、英語でコミュニケーションできることも申し添えておくとよいでしょう。
一般企業で特に英語が必要としない会社でも「事務所に一人、英語が使える人がいれば…」と思う場合もあります。
急に外国人が事務所に訪ねてきた場合、だれも対応ができないと困り果ててしまいますよね。電話もそうです。最近は、道を歩いていても、コンビニに入っても外国人が本当に多くなっていると感じませんか?
以前よりも、英語で話しかけられる機会は増えているのです。会社も同様で、以前は外国人が受付に来るようなことがなかった場合でも、最近外国人が多い、ということもあります。
たとえば、スピーキング対策でオンライン英会話をたくさん受けている場合には、外国人と話すことに慣れていることをアピールすることで、特に英語が必要ではない会社でも「この人に入社してもらえば、他の仕事はもちろん、外国人の対応もしてもらえるな」とプラスアルファの評価が得られる可能性があります。
英検と硬く考えるのではなく、多方面でアピールするようにしてはいかがでしょうか。
英検はバイトでは評価されるか
英検を持っていて、バイトで評価されるかどうかは職種に寄ります。英語が必要のない職場でも、英検2級を持っていれば「きちんと勉強している人だな」と真面目な印象を与えられることもあります。
そういった意味で、バイトの時にもできれば2級以上は欲しいですね。
それ以下の級であれば書かない方がよいでしょう。
また、外国人が多く来る地域のコンビニなどのバイトであれば、英語が使える日本人は重宝される場合があります。英語が理解できることはもちろん、英会話ができることをアピールできるとよいでしょう。
実は、たくさん色々な国の人と英語を話したいという人にも、場所によってはお勧めのバイトです。アジア系外国人はもちろん、インドやパキスタン、インドネシアなどの留学生などがコンビニのバイトをしていることが多くあります。彼らは、母国語と英語、そして日本語を使えますから、休憩時間など英語で話すこともできますよ。文化交流をしながら、英語を話す機会を増やすことができるバイトとして、人によってはとてもよい経験のできる仕事となることがあります。
外資系や国際部門を狙うのなら
英検準1級や1級を持っていても、外資系や国際部門の就職では弱い場合があります。その場合にはTOEICのスコアも取ってみることをお勧めします。
また、転職の場合は、新卒よりも上のレベルを求められますから、TOEICのスコアはもちろん、留学経験などがあれば、アピールするようにしましょう。
前職で、少しでも英語を使う場面があれば、その部分も忘れずにアピールしてください。
また、英語で面接となる会社もあります。こうした会社は、就職した後に、会社で使う言語が英語となっていることもあり、英語ができることが大前提となります。
面接の英語インタビューだけこなせれば、という考えでは当然受かりませんし、万が一受かってもその後で苦労することになります。
ビジネス英語はある程度型が決まっていますが、やはり英語能力は必要です。こうした会社や部門に就職したいと思うのであれば、英検だけでなく、TOEICのスコアをとっておくこと、さらに短期留学など、英語をコミュニケーションとして使う経験も欲しいですね。
英検は、アピールの仕方で変わる!
英検が就活や転職に役立つのかご紹介しました。希望する会社や職種、部門で異なりますが、2級以上でアピールするようにしましょう。
また、英検を持っていることではなく、取得するための経験をアピールすることで、人間性や目標に向かってやり切れるということも伝えることができますよ。
職種や部門によっては、TOEICのスコアも取っておくことをお勧めします。
ぜひ、多方面からアピールして、就活を有利に進めてくださいね。