TOEIC 800点での就職・就活
リスニング、リーディングにおける英語力を見るテストであるTOEICですが、就職活動の場でもこの数値は近年重視されています。TOEICは990点満点ですが、どの程度の点数があれば就職活動に有利か、という問いの答えは応募する企業によって異なります。しかし、その中でも一般的には「高い」とみなされるスコアの目安として800点をイメージする方は多いと思います。今回は、この800点台の就職活動における位置付けや効果をご説明します。
TOEIC800点台のレベルとは
そもそも就職活動上での意味合いは置いておいて800点台とはどの程度のレベルなのでしょうか?TOEIC800点は、難関国立大学生でも上位層、だいたい東大生・東大院卒生の平均となります。彼らは偏差値でいうと70台になりますので、日本人としてはかなり高い英語力を有しているといえます。
リスニングとリーディングどのような比率で得点を取っているかにもよりますが、だいたい800点あれば、ある程度の難易度のビジネス文書でも問題なく読みこなすことができ、保険として電子辞書を忍ばせておけば読解で問題になることはあまりなくなります。
どちらかというとリスニングの方が「もう一歩」という感じが強いです。相手が「日本人である」ことに気を使ってくれれば英語での意思疎通は問題ありませんが、本気のネイティブのスピードで話されると少々苦労する局面もあるかもしれません。
とはいえ一般的な日本人としてはかなり高い英語力を持っている部類に含まれます。英検でいうと800点は準1級相当になります。
就職活動におけるTOEIC800点台の効果
先に説明した通り、TOEIC800点というのは一般的にはかなり英語力が高い部類に入りますので、就職活動においても、有利になることが多く、少なくとも不利になることはありません。TOEIC800点以上を保有している場合は、新卒・中途に関わらず履歴書に記載しておくことをおすすめします。
さて、この800点であれば、多くの企業の基準を満たすことができます。一部の代表的な企業のTOEICにおける基準について紹介します。
600点以上を求める企業一覧
- 出光興産
- 王子製紙
- 大正製薬
- 大和ハウス工業
- 富士通
- トヨタ自動車
650~730点を求める企業
- ソフトバンク
- 武田製薬
- ファーストリテイリグ
- 東京電力
- アサヒビール
このように日本の有名企業でも800点あれば余裕で基準を満たすことができます。一方で、全ての企業で万全の点数かというと、そこまでではありません。
800点以上を求める企業
- 野村證券(部門別では860点以上のところも)
- 大和証券
- 住友不動産
- 野村不動産
これらの企業では800点は「ぎりぎり基準を超えている」あるいは一部企業の部門によっては基準を満たさないということになりますので、まだまだ高い点数を獲得している方が沢山いると想定されます。
また、明確な基準はありませんが、外資系企業や海外赴任の多い上位総合商社、投資銀行などにおいては、800点は「最低ライン」程度の扱いとなります。800点を取っていれば直ちに落とされることはありませんが、一方で有利になることもない点数です。このあたりの企業では実際に受ける学生にも900点台の方が多数いることも珍しくありません。こうした業種を目指す場合は、800点で甘んじることなく、より一層のブラッシュアップが望まれるところです。
またTOEICの特性上、スピーキングとライティングは、別のメニューの試験を受けないと測定されません。実際に英語を使って働く場合は当然これらの技能も使いこなせることが望まれますので、特に高い英語能力を求める企業ではTOEICプラスアルファで特別な試験を課したり、英語面接を実施したりということも多くなっています。800点を取っている方は英語の素養は充分あるはずですので、こうしたプラスアルファの技能をブラッシュアップさせることも必要です。
いずれにしてもTOEICで800点を超えているというのは、ほとんど企業において有利に働き、一方で不利になることはありませんので、いかなる企業を目指す場合もまずは履歴書に記載しておくことをおすすめします。
800点を目指す場合の勉強のポイント
さて、前章で紹介したように、TOEIC800点というのは就職の局面において大きなアピール材料となる点数ですが、ここでは、800点を目指す上での勉強のポイントを紹介します。800点は英検準1級クラスで、高いハードルであることは確かですが、コツを抑えて勉強することで留学経験や海外生活経験がなくとも達成可能な点数です。
まず800点という点数をリーディング・リスニングに分解して考えてみます。TOEICは990点満点ですので、リーディング・リスニングとも点数にして400点程度を取るのが最もバランスのとれた点数配分です。
ただし、海外生活などの経験がない日本人の場合、日本の英語学習がリーディングに比重が置かれがちなため、概してリーディングの方が得意という日本人が多いです。特に800点を取るような層になると、リーディングの問題は時間をかければほぼ正答できるレベルです。一方でリスニングも相応の正答率にはなりますがリーディングほどの完璧さはない方もいます。
このような傾向を踏まえると、多くの場合はリーディングを少し高い得点を目指し、リーディング85%、リスニング75%くらいの正答率を目指していくことをおすすめします。
リーディングのポイント
この得点を踏まえた勉強法のポイントですが、リーディングにおいては全問解ききることが目標になります。TOEICのリーディングはとにかく時間との戦いなので、最後まで本気で解いて完遂できるようになっているころにはかなりの得点が取れているようになっているはずです。
まず文法は時間をかけなくてもだいたい解ける状態になっていることが必須です。一方で100%を目指す必要はありません。高校レベルの文法をマスターしておけばいいでしょう。それ以上の重箱の隅を突くような問題まではカバーしようとしなくて大丈夫です。ただし英単語はリーディングの力にもつながりますので、「800点以上」に合致したテキストで覚えるようにしましょう。
それよりもリーディングの読解力や速読力を高める訓練の方が重要です。まず長文問題を解くときは必ず時間を決めるようにします。できれば制限時間目標つきの長文問題を使用した方が良いでしょう。また、普段からニュースなどの中程度の長さの文章を流し読みするようにすることも効果的です。その際は隅々まで理解しようとせず、80%程度の理解度でいいので、すばやく読むくせをつけましょう。
リスニングのポイント
日本人はリスニングの方がリーディングより苦手な傾向があります。それを加味した75%というレベルは簡単ではありません。まず短い英文が聞ければ対応出来るPART2までは、大半を正答できるようにしておく必要があります。その上で、会話文・説明文のPART3-4を70%程度、つまり3小問ごとに設問が設定されているものを概ね2/3強の正答率で解いていかなければなりません。
つまり、1、2分程度の英語の文章を聴いて、概ね内容を理解できている必要があります。リスニングの問題を解く際はこれを念頭に特にPART3-4の得点率を意識して取り組みましょう。また、リスニングは耳を慣らすことも大切になってきますので、日ごろから数分程度のスピーチなどを聞き流し、意味を大枠で捉えられるようにするくせをつけておきましょう。
TOEIC800点は就職において武器になる!
TOEIC800点は就職活動の場で大きな武器になる点数である一方、英語に親しんでいない方でも努力次第で充分目指すことのできる点数であるといえます。勉強ポイントも参考にしながら、是非達成して履歴書に記載し、また面接の場で自身の英語