コラム

英検準1級面接試験対策(スピーキング攻略法)

ここでは、英検準1級の面接対策(二次試験)について解説します。はじめに、二次試験の形式や課題、面接の流れなどの基本的なことについておさらいしておきましょう。その後、面接対策として、スピーキングの効果的な勉強方法について説明します。

英検準1級二次試験は、1次試験合格者の80%以上が受かると言われる、合格率の高い試験です。そのためしっかりと準備を行い、スピーキング力を鍛えて確実に合格を勝ち取りましょう。

二次試験の出題形式とポイント

二次試験で測定される技能は「スピーキング」です。その攻略の第一歩として、まずは二次試験の出題形式と課題をおさえましょう。同時に、入室から退室までの面接の流れをおさえておきましょう。これらのポイントを知ることで、二次試験のイメージを明確にすることができます。

出題形式

英検準1級二次試験の出題形式は、「自由会話」「4コマ漫画のナレーション」「イラストに関する質問」「社会性のある質問」の4つです。

自由会話

面接委員と1対1で挨拶程度の簡単な日常会話を行います。採点対象にないとも言われていますが、アティチュード(態度)の点数を稼ぐために笑顔でハキハキ答えましょう。

ナレーション

4コマのイラストについて、どのように展開するか自分でまとめて約2分間で説明します。この課題のポイントは、「誰がどこで何をしているか」をおさえることです。

また、1コマ目だけに注目してしまうと、4コマ目でつまずいてしまう方が多いです。そのため、4コマ全体を見通して話の流れを自分の頭の中でまとめてから回答しましょう。

登場人物の吹き出し部分は、「A said (to B), … 」という形でナレーションに使えるフレーズであす。ぜひ活用してみて下さい。

受験者の意見を問う質問①

4コマのイラストに関係する質問に答えます。ナレーションで「誰がどこで何をしているか」を回答しました。この課題では、その「誰が」にあたる人物が考えていることや何のためにその行動しているかなどを聞かれることが多いです。基本的に、4コマのイラストの中に答えがあるためそれほど難しくはありません。

受験者の意見を問う質問②

ここでの質問は、4コマのイラストに関係ない社会性のある内容についての質問に答えることが多いです。過去に、「医療費は安い方が良いか?」「在宅勤務についてどう考えるか?」などや、喫煙、禁煙に関することなどについて出題されています。

社会性のあるテーマと聞くと難しく答えがちですが、中学校で習う基礎的な英語を使って3~4文程度で分かりやすい回答を心がけることが大切です。

当日の流れと面接のポイント

英検準1級二次試験の面接時間は約8分間です。入室から退室までの流れは以下の通りになります。

入室

係員の指示に従い、荷物を持ったまま面接室に入ります。面接委員に「Hello.」など挨拶されるため、「Hello.」と返すようにしましょう。

面接カードを渡す

着席をする前に面接委員に「Can I have your card, please?」と言われます。「Yes. Here you are.」と言って「面接カード」を手渡しましょう。

着席

面接委員の指示に従い、着席します。ここで面接委員に「Please have a seat.」もしくは「Please sit down.」などと言われるため、「Thank you.」と言って椅子に座りましょう。

受験する級の確認と簡単な質問

面接委員があなたの氏名とこれから受験する級の確認を含め簡単な質問をします。これらは、問題数には含まれていません。しかし、アティチュードの減点対象になる可能性もありますので、笑顔で答え面接委員に良い印象を与えましょう。

面接委員が「My name is-.May I have your name, please?」と言います。シンプルに、「My name is-.」と答えましょう。そして「This is the Grade Pre 1 test, OK?」など級の確認をされるため、「Yes.」と答えます。

簡単な質問では、「Could you tell me a little bit about yourself?」などと聞かれます。面接委員の質問をしっかり聞き、2~3文程度で簡単に答えましょう。

問題カードを受け取る

面接委員から「Now, let’s start the test. Here’s your card.」と言われ、指示文と4コマのイラストが描かれた「問題カード」が渡されます。この時は「Thank you.」と答えましょう。

ナレーション試験の準備(1分間)

面接委員から「You have one minutes to prepare before you start your narration.」(あなたがナレーションを始める前に1分間の準備時間があります。)と言われます。

ナレーション(2分間)

面接委員から「Please begin your narration. You have two minutes.」と指示されたら、「問題カード」の指示文に従い4コマのイラストについてナレーションを始めます。言い出し部分は「問題カード」に印刷されているため、必ずその言い出し部分を使って始めてください。制限時間は2分間と指示されるため、それ以上続く場合は中止させられます。

受験者自身の意見を問う質問①

ナレーションが終わると面接委員が質問をします。面接委員より 「I’m going to ask you four questions. Are you ready?  No.1 If you were… 」と4コマのイラストに関係する質問があります。質問は、No.1からNo.4まで4つあります。答える際には、「問題カード」を見てもかまいません。

4コマ目について、自分がもし登場人物ならばどう思うかを答える問題が多いです。例えば「If you were the boy, what would you think? 」と仮定法で聞かれる場合がほとんどです。そのため、仮定法で 「I would think …」と答えましょう。

質問が聞き取れなかった場合に自然な流れの中での「聞き返し」なら、減点の対象にはなりません。

「問題カード」を裏返す

No. 1の質問が終わったら、面接委員から 「Please turn over the card and put it down. 」とカードを裏返して机の上に置くよう指示があります。ここからは、「問題カード」を手がかりにすることはできないため、面接委員と積極的にコミュニケーションを取ることを心がけましょう。

受験者自身の意見を問う質問②~④

面接委員からカードのトピックに関連した社会性のあるテーマについての質問があります。レストランでの喫煙についてどう思うか、タバコの料金をあげるべきか等の「健康問題」やゆとり教育は良いことかなどの「教育問題」、その他「仕事」「ストレス」「社会貢献」など様々なテーマについて質問されます。

私たちが生活するうえで身近な問題が試験に出てきやすいです。そのため、まずは自分の意見を話せるよう日頃から考えておくことが大切です。

「問題カード」を面接委員に返す

面接委員に 「This is the end of the test.」や「That’s all. 」と言われます。「Could I have the card back, please? 」と言われるので、「Sure. Here you are. 」などと言って「問題カード」を渡しましょう。

退室

面接委員に 「You may go now.」と言われたら、「Thank you. Goodbye.」と挨拶して退室します。これで試験は終了となります。退室の際は、忘れ物をしないように注意しましょう。

英検準1級二次試験の配点点数

英検準1級二次試験の配点は、「38点」満点です。配点の詳細は、アティチュード(態度)が「3点」、ナレーションが「15点」、質問1~4が「20点(5点×4)」となっています。

そして、英検準1級二次試験の合格点は「22点」です。この合格点は変動しません。

英検準1級面接対策

英検準1級の面接は、最初にも述べた通り一次試験で合格した人のうち80%が合格できる比較的易しめの試験です。逆を言うと20%は不合格になっているということです。以下に説明する二次試験の対策をしっかり行い、80%の合格者に入りましょう。

二次試験のおすすめ参考書

英検準1級の二次試験のいちばんのおすすめ参考書は、「14日でできる!英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題(旺文社英検書)」です。基本的に参考書はこの1冊あれば十分に二次試験対策をすることが出来ます。

旺文社の面接問題集には、付属で「面接DVD」があります。そのため、本番さながらの面接練習と様々なジャンルの質問に対応できる力を養うことが出来ます。

英検準1級の出題課題の一つに受験者自身の意見を問う質問があり、受験者自身では自己採点しにくい問題です。しかし、この旺文社の問題集は理想的な解答例と不合格になりやすい回答例の両方が載っているため、それを参考にしながら自分の回答を客観的に評価しやすくなっています。問題は14セットあるため十分に対策することが可能です。

また、付属DVDの「面接シミュレーションをしよう」を使い本番さながらの状況を体験し、二次試験の流れを把握することで本番でもリラックスして臨むことが出来るようにしましょう。

英検過去問

英検準1級の二次試験については、英検ウェブサイトからサンプル問題をダウンロードすることが出来ます。ただし、上記の旺文社の問題集とは違い解説は含まれていないため面接練習にはあまり向いていません。そのため、受験者自身の意見を問う質問で社会性のあるテーマにはどのような分野が過去に出題されているかなど情報収集し、あらゆる分野に関する簡単な単語を事前に調べておくなどに過去問を利用しましょう。

また、上記の旺文社の問題集だけでは物足りないと感じている方は過去問を解いて、自分なりに解答集を作っておくのも良いでしょう。

自分の意見を瞬間的に英語で言う練習

英検の二次試験では、自分の意見を瞬間的に述べる力が必要です。まずは簡単で短い文を瞬間的に英語で口に出す練習をしていきましょう。通学・通勤の時間を利用し、自分の目にふれる様々な人の動きを頭の中で簡単な英語にしてみるというのもとても良い練習になります。

英語を話すためには、日常でどれだけ英語にふれているかがとても重要です。自分の頭を「英語脳」にする必要があります。そのためには、先ほど述べたように頭の中であらゆることを英語に変換したり、実際に声を出したりして何度も繰り返しナレーションの練習や自分の意見を述べる練習をすることが重要です。

英検準1級の二次試験では、論理的に自分の意見を述べることが出来ているか、意見とその根拠との間に整合性はあるかなどの点も重要視されます。そのため参考書等で演習する際は、しっかり自分の声を録音し、聞き直してより良い回答に仕上げることを意識しましょう。

また、ネイティブの先生や英語ができる友達がいる場合は、自分の回答を聞いてもらい、フィードバックを受けることも良い練習になるでしょう。

隙間時間でも勉強できるおすすめアプリ

毎日忙しいサラリーマンや部活などで疲れている学生にとって毎日継続して勉強することはかなりの意思が必要です。また、英語学習は継続がとても大切です。そのためスマホのアプリを使うことで、継続した学習をしましょう。

また、参考書だけでなくスマホアプリを取り入れることでより英語学習を楽しむことにも繋がります。英検の二次試験対策におすすめのアプリは以下になります。

英会話、英語リスニング‐スタディサプリENGLISH

このアプリは、初心者から英検準一級、TOEIC780点以上のレベルを目指す設定になっています。他の英会話教材やアプリと違いドラマ形式のストーリーで飽きずに英会話を学べるところに定評があります。

上記の過去問や旺文社の問題集で勉強しつつ、スタディサプリENGLISHを取り入れることで英語学習をより楽しいものにすることが出来ます。

ひとり英会話 for 英検面接

「ひとり英会話 for英検面接」は、英検二次面接向けに作られたアプリです。このアプリでは、受験者自身の意見を問う質問やパッセージの音読、単語の学習を行うことが出来ます。採点や分析はAIが行い、正確なフィードバックを受けられます。

困った時に使えるフレーズ集

面接試験中に面接委員の質問が聞き取れなかったり、回答に困ったりといった場合に時間を稼ぐために使えるフレーズを紹介します。会話の自然な流れで、正しい文法で聞き返すことが出来るようにしましょう。

質問が聞き取れないとき 

「Can you repeat the question, please?」(もう一度その質問を繰り返して頂けますか。)

「Could you say that again?」(もう一度言って頂けますでしょうか。)

「I beg your pardon?」(もう一度言って頂けますか。)

「Did you say ~?」(~と言いましたか。)

考える時間が欲しい時

「Well….」(ええと…)

「Let me see.」(ええと…)

このような場合、無言で考えることだけは絶対に避けましょう。最悪の場合、次の質問に移行する場合もあるため、「Well…」などを使ったり、質問文をゆっくり繰り返したりすることで考える時間を作ることが大切です。

言いたいことを言えなくてつかえた時

「I mean ~.」(私が言いたいのはつまり~です。)

「You know ~.」(あなたが言いたいのは、~ですよね。)

「It can be said~.」(~と言える。~という意見もある。)

事前準備をして確実に二次試験に合格しよう!

英検準1級二次試験の大きな流れや効果的な学習方法について把握することは出来たでしょうか?スピーキング能力を測る二次試験対策としては、やはり日頃から英語にふれることが大切です。合格を目指してコツコツ継続的な学習を頑張っていきましょう。

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