TOEIC900点を超えるおすすめの勉強方法
TOEIC LR試験は、英語学習者にはお馴染みですよね。
TOEIC900点と聞くと「すごい!」「どうやって勉強したら取れるの?」と質問責めにしたくなります。
一般的な日本人は、中学高校と6年間は英語を勉強してきたはずなのに、普通に勉強してきただけではTOEIC900点に到達することはかなり難しいです。
いったいどのような勉強をすればTOEIC900点を超えられるのか、勉強方法をご紹介します。
TOEICとは何か
まず、TOEIC900点を目指す前に、そもそもTOEICとは何かという点についてご紹介します。
一般的に「TOEIC」と言うと、TOEIC LRの事を差し「TOEIC Listening & Reading Test」のことです。
英語コミュニケーション能力を公平公正に評価する世界共通の基準ですから、日本だけではなく、海外でも就職の際にスコアを出すことができますよ。
TOEICの試験内容
TOEICの試験内容について確認しておきましょう。
問題数はリスニング100問、リーディング100問の合計200問で、制限時間は120分です。
時間の内訳は、リスニングが45分、リーディングが75分になっています。
試験方式は記述式ではなく、マークシート方式です。
今回、900点を超えるスコアを目標としていますが、満点であれば990点(リスニング495点、リーディング495点)となります。つまり900点は、かなり満点に近い点数であることが分かります。
また1年間に10回(2月と8月を除く毎月)行われていますから、英語力を測るため継続して受ける人もいます。
英検と違い、面接はありません。
TOEICの難易度
TOEIC900点は、公式サイトで公表されているデータから見ると、受験者の上位3%に当たります。
英検でいうと1級レベルで、問題の約9割に正解するくらい解けないと、900点には到達しません。
TOEIC900点を超えると、就職や転職、昇進に有利
TOEIC高得点を目指す人の目的は、英語が使えるようになりたい、といったものから、就職や転職、昇進に有利だというものまでさまざまです。
大学生が受けることも多く、その理由の大半は就職活動で使えるから、というもの。
上場企業の半数以上が、新入社員採用の時に、TOEICスコアを参考にすると答えています。さらに新入社員に期待するスコアは2013年では565点とされています。
ただ、昨今のグローバル化を背景に、このスコアは年々上がっている傾向にあり、最近では600点程度が望ましいと言われています。
履歴書に記載するのであれば、600点以上ないと就職活動にマイナスに働く可能性もあると言われ、企業側もTOEICスコアが高い人材を求めていることが分かります。
その中で、900点以上のスコアを持っていれば、頭ひとつと言わず、他とかなり差をつけることができるでしょう。
また、企業の国際部門では、英語力をさらに問われます。この場合では、655点から855点程度のスコアを期待していると言われますが、900点であれば、国際部門への就職への門も開かれていると考えることができますね。
異動、昇格にも影響する可能性がある
TOEICは、社会人になっても受ける人が多くいます。
仕事をしながら勉強する時間を作り自己研鑽に励んでいる人は、単純に英語能力の向上を目指す人もいますが、昇進、昇格を狙っている場合も。
入社時に、国際部門への配属を希望していたけれど、実際には他の部門へ配属された、と言う場合でも、入社後、異動願いを出す時にTOEICのスコアが上がっていれば、希望が通る可能性も高くなるでしょう。
また、企業によっては異動、昇進、昇格に既定以上のTOEICスコアを課す場合があります。
昇進、昇格すれば収入も基本的にはアップが見込めますから、自己実現とともに、TOEICスコアを上げることで得るものは大きくなりますね。
転職に有利な場合もある
終身雇用の時代も終わりをつげ、さらなる飛躍を求めて転職する人も多くいる時代。
TOEIC900点以上のスコアがあれば、転職に有利に働く可能性もあります。
英語がそれほど必要のない企業でも、このグローバル化の中で、TOEIC900点のスコアが履歴書に記されていれば、興味を持ってもらえることもあるでしょう。
また、もちろん英語が必要な企業であれば、TOEIC900点のスコアで、企業側の求める人材とマッチする可能性が高くなるでしょう。
TOEIC900点を超えるためのポイント
TOEIC900点を目指すには、何かポイントがあるのでしょうか?
英語の基礎能力はもちろん、TOEIC対策をすることをオススメします。
英語の基礎力を鍛え上げる
どんな試験もですが、やはり基礎が大切です。
土台が不安定な上に、どんなに上等なものを積み上げたとしても、結局は倒れてしまいますよね。
英語の基礎力は、まず単語と文法です。
既にTOEIC600点程度までたどり着いている方は、基礎力はついているということができるでしょう。
また、英検2級の内容がしっかりと理解できている場合も、基礎力はOKと言えますね。
ここまでたどり着いていない場合には、TOEIC対策をする前に、基礎力を徹底的に鍛え上げることをオススメします。
基礎力を上げるオススメ単語帳
この機会に、中学の英単語からブラッシュアップしたい!という人におすすめなのが、こちらです。
中学3年間の英単語がイラストで覚えられる本
その名の通り、中学英単語をイラストで覚えられます。
一冊の英単語数805で、単語は挫折しそう、と不安な方はこれから始めてみてください。
また、同レベルであれば、こちらもおすすめです。
CD付 改訂版 キクタン【中学英単語】
高校入試レベルの単語ですが、日常生活でよく使われる単語も多く、英語力の底上げに役立つでしょう。
ある程度の単語力はあるけれど、TOEIC600点に満たない場合には、王道のこの単語集をおすすめします。
DUO 3.0
単語はもちろん、熟語が例文に混ぜられているため、まとめて英単語、英熟語を覚えられる単語集として定番です。TOEICだけでなく、大学受験などでも使われることが多くありますよ。
持ち運びにも便利で、いつでも学べる単語帳では、こちらがよいでしょう。
ターゲット1900
ポケットサイズですから、持ち運んで単語を頭に叩き込みましょう。
センター試験対策にもおすすめのレベルです。
TOEIC900点に到達させるオススメ単語帳
基礎はできている、既に600点以上のスコアにある、という人におすすめの単語帳はこちらです。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
TOEIC500点以上が対象となっていますが、600点までは基礎力を上げる単語帳で勉強し、600点を超えたあたりで、この単語帳に乗り換えるのがおすすめです。
600点レベル・730点レベル・860点レベル・990点レベルの4段階に分かれていますから、自分が目標とするレベルの単語を徹底的に覚えていきましょう。
TOEIC満点を目指すところまで、この単語帳を使い切れるとよいですね。
基礎力を上げるオススメ文法参考書
英語の基礎力といえば、文法です。
Mr. Evine の中学英文法を修了するドリル (Mr. Evine シリーズ)
中学の英文法からやり直そうと思う方は、このドリルがおすすめです。
大きいサイズなので、持ち運ぶのではなく、自宅で机に向かって勉強する時に最適でしょう。
中学英文法と書かれていますが、大人向けに分かりやすく書かれていますので、あの時に理解できなかった部分も、スッキリと理解して先に進むことができますよ。
総合英語 Evergreen
文字が小さいので、取っつきにくい印象を受ける人もいるかもしれませんが、落ち着いて読めば分かりやすく、この参考書で勉強すればTOEIC600点、英検2級の文法力はきちんとつけることができるでしょう。
基礎ができた後におすすめのTOEIC文法参考書
基礎レベル、TOEIC600点が取れ、英検2級合格できる程度の文法がしっかりと身に着いたら、TOEIC用の文法問題集でさらにレベルアップを図りましょう。
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
TOEIC満点というと、雲の上の存在のように感じる人もいるかもしれませんね。
この本は、そのTOEIC満点を連続取得したということで有名なTEX加藤さんが著者の文法参考書です。
実際に受けてきた経験と実績から、TOEICに見事に対応した問題ばかりです。
1,000問と書かれていますが、1,049問の問題がギュッと詰め込まれていて、問題をたくさんこなしたい人にピッタリ。
TOEICパート5の対策となりますから、まさにTOEICの文法を強化したい人におすすめの参考書ですね。
自分の弱点に気付く
これは、TOEICを受けたことがある人に使えるテクニックなのですが、何が解けなかったのか、時間が足りなかったのか弱点に気付くことが大切です。
これまで英検など、他の英語試験を受けていた場合でも、文法が苦手、単語数が足りない気がするなど心当たりがあれば、それでもいいですね。
TOEICを一度受ければスコアが出ます。リスニング、リーディングの点数をチェックし、どちらが苦手なのか確認しましょう。
900点を目指すということは、穴をふさぐ作業が必要になります。
出来るところを優先してスコアアップを上げてきたとしても、900点では、ほぼ完ぺきな正解や正解率でないと取れません。
「取れる問題だけ取りにいく」というスタンスで800点台を取ってきていても、900点を超えてくると、穴を埋める作業も必要だと考え方を切り替えてください。
また、逆にリスニングがほぼ満点であるのに、リスニングの勉強に時間をかけるのはナンセンスですよね。リスニング力が落ちないように、英語を聞く機会を増やすなど継続する努力は必要です。
ですが、もしリスニングが満点に近いのであれば、これまでリスニングにかけてきた時間をリーディングに振り分け、集中的に勉強する方が、効率が良いのは目に見えています。
もし、TOEICを受けたことがないから自分の弱点がよく分からないという場合には、公式問題集などで模擬試験をしてみるのもよいかもしれません。
TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編
公式問題集ですから、TOEICテストを開発する機関が問題を製作していて、まさにTOEIC本番のように問題を解くことができます。
本番と同じレベルの問題が、2回分入っていますし、参考スコア範囲換算評付きですから、だいたいの自分のスコアが分かりますよ。
時間切れになるパートも分かりますから、本番同様に時間を図って行ってくださいね。
TOEIC形式に慣れる
TOEICの問題形式に慣れることでも、スコアを900点に近づけることができます。
TOEICは問題によって、リスニングでは写真問題からどのように問題を解くか、リーディングでは時間内にどのように解くか、ポイントがあります。
それぞれの問題形式に慣れることで、解答はおのずと正しく、短時間で導き出せるようになりますよ。
それでは、どのように慣れるかというとTOEIC形式の問題集を解きまくる、公式問題集を本番同様の時間通りに解く、というのがすぐに出来る方法です。
また、やはり実際のTOEIC試験を継続して受けていく、というのは効果が高いです。
990点など満点近くを取っている人は、継続してTOEICを受けていることも多くあります。
本番当日と同じような状況で公式問題集を解く
時間に余裕がないとできないのですが、もし時間に都合がつくなら、本番と同じような時間軸で公式問題集の模擬テストを行っていることをオススメします。
2時間時間を作ればいいんでしょ?と思うかもしれませんが、実はそれだけでは穴だらけ。
TOEICの開始時間は何時かご存知でしょうか。
公式ページでは、このように細かく時間を案内されています。
11:45~12:30 受付
12:35~13:00 試験の説明・音テスト
13:00~15:00 試験開始~試験終了
15:00~15:15 問題用紙・解答用紙の回収
15:15(予定) 解散
また、注意事項として
12:30までに受付にお越しいただけない場合は受験できません。
12:30以降は休憩がありません。また、退室も認められません。
ということも書かれています。
つまり、12:30までに受付に行かないといけませんから、それまでに昼食を済ませることになります。
昼食を食べた後は、眠くなりませんか?
午後イチの講義や会議は眠くて毎回辛い、という人は要注意です。
TOEIC試験中は、午後イチの講義や会議と似たような時間帯ではないでしょうか。
せっかく勉強してきても、眠気が襲ってきて思うように解けないということもありえます。
とはいえ、昼食を食べずに試験に臨むのも、2時間の長丁場、体力切れが不安ですよね。
どの時間帯に昼食を済ませておけば、TOEICの問題を解く時間に頭がスッキリした状態で受けられるか、そういった英語以外の面も調整しておきましょう。
また、リスニングをCDで流す時には、イヤホンではなく、スピーカーで流すのがおすすめです。
本番はスピーカーから出てくる音声で解答していきますが、イヤホンとスピーカーでは少し勝手が異なります。
イヤホンでは鮮明に聞こえていたけど、スピーカーだと音が聴きづらい、ということにならないよう、スピーカーで英語の音声を聞くことにも、耳を慣らしておきましょう。
可能であれば、リスニング対策の問題集も、自宅であればスピーカーで聞くようにするとよいでしょう。
TOEICテクニックを身に付ける
英語力と関係がない!と言われてしまうかもしれませんが、ロバートヒルキさんが書かれたTOEIC技術を学ぶ本も一読することをオススメします。
新TOEICテスト 直前の技術—スコアが上がりやすい順に学ぶ
それぞれのパートごとに、スコアを上げるテクニックが説明されています。
例えば、パート4 マークシートは塗らない!
塗らないってどういうこと?と思いますよね。ネタバレになりますから、ここでは書きませんが気になった方はぜひ一読し、このテクニックは使える!と思ったら実践してみてください。
パート5は読まずに5秒で解く、となっています。問題集として、ひたすらやり込むのは、他の参考書の方がよいかもしれませんが、TOEICを解くテクニックを身に付ける問題集として、活用してみてはいかがでしょうか。
ゲームに攻略本があるように、戦いにも戦術がありますよね。
まさにTOEICを攻略するための戦術を身に付けられる本と言えるでしょう。
点数が800点程度あるけれど、それ以上のスコアが頭打ちで伸び悩んでいる、と言う人の状況を打破するためにもオススメできる本です。
TOEIC900点を超えるための参考書
ここからは、すでにTOEIC800点前後まできている、さらに900点を目指すための最適な参考書をご紹介します。
TOEIC L&Rテスト990点攻略
990点、満点を目指す問題集で、パートごとに、点数を落としやすい難問がズラリと出されています。900点を目指していくためには、難問にもひるまず解答を導き出すことが必要とされてきます。そのため、この本のように、難問が多く収録されている問題集にチャレンジするのがおすすめです。
TOEIC L&R TEST 900点特急 パート5&6
TOEICで、苦手なパートはどこ?と聞かれると、多くの人がパート5や6を挙げます。
時間があれば解けるレベルでも、時間制限の壁に当たり、スコアが上げられないという人もいますよね。
この参考書では、ハイスコアを狙うコツやテクニックが紹介されています。
900点を狙うのであれば知っておきたい問題ばかりですから、繰り返しこの問題集をやり込み、ミスや失点を無くして900点越えのスコアを目指しましょう。
3週間で攻略 TOEIC(R) L&Rテスト900点!
短期集中型の問題集。3週間で攻略と書かれていますが、模試200問を3回演習する「3回チャレンジ法」で、最後の追い込みをかける問題集と言えるでしょう。
模試形式の問題集といえば、制限時間内に解くことを課すことも多いのですが、この問題集は、日によって制限時間なしで解くことを勧めています。
制限時間が無しの状態でじっくりと考えて解けば、本当はどの程度解けるのか、また問題を深く掘り下げて理解することにも重点を置いています。それだけの深い理解がなければ、900点を超えるということは難しい、とも言えますよね。
またトレーニング法も、パートごとに紹介されています。
パート1では、耳からの情報をイメージ化すること、となっていて、日本語であれば相手の話を聞きながら自然と頭の中でイメージされて話しているのですが、それを英語でも出来るように、ということです。
ただ、単語を並べて聞いていく、という方法では、とてもTOEIC900点のレベルには到達できませんから、早いうちからイメージ化のトレーニングはしておくとよいですね。
このように、スコアアップの最後の一押しをしてくれる問題集です。
TOEIC Test 900点突破必須英単語
いまさら単語?と思うかもしれませんが、やはり単語です。金のフレーズでやり込んだ人も、900点を狙うのであれば、この単語帳を追加して、さらに語彙力を高めてみましょう。
派生語、類義語もあるため、語彙力を高めることが期待できます。
TOEIC(R) テスト BEYOND 990 超上級リーディング 7つのコアスキル
最後にご紹介するのが、リーディングの難問を解く問題集です。非常に問題は難しく、900点越えはもちろん、満点を目指す人も取り組むとよいでしょう。
TOEIC800点程度であれば、何周かやり込まないと完全な理解までたどり着けないこともあるため、中級者が手を出すのは控えておいた方が無難です。
本書では、7つのリーディング・コアスキルとして、下記が紹介されています。
1. 精読力
2. 情報検索力
3. 要約力
4. 裏取り力
5. 言い換え対応力
6. 語法・語感力
7. 難語対応・忍耐力
要約力、裏取り力などは、スコアが伸び悩んでいる人には効果的ではないでしょうか。
TOEIC900点越えを目標に進んでいこう!
今回は、TOEIC900点越えするための勉強法をご紹介しました。
目標を掲げることが大切です。初心者がTOEIC900点を目指すのも間違いではありませんが、まずは600点レベルまで到達してから、900点対策として取り込むのが最短ルートでしょう。
基礎力を付けたら、英語力を付けるのはもちろん、TOEICを解くテクニックも身に付けることもポイントです。TOEICの問題形式に慣れて、そのパートではどのような不正解を導く穴があるのか、あらかじめ理解し対策しておくことで、スコアを落とすことが防げます。
900点となると、ほぼ満点に近く、間違い、ミスを減らすことが必要となってきますから、苦手な部分、いつもスコアが伸び悩むパートを見つけ、徹底的に対策しましょう。