英会話勉強法

実は簡単な「the」の発音方法

theは冠詞のひとつ。

「ザ」とか「ジ」とか、はたまた「ダ」とか、どうやって発音すればいいか分からない!という英語学習者も多いのではないでしょうか。

また、theとはそもそも何なのか、よく分からないという人もいるでしょう。

今回は、theとは何なのかを理解した上で、実は簡単なtheの発音についてご紹介します。

theは冠詞のひとつ

まず、theは冠詞のひとつです。

冠詞は次の3種類しかありません。

a

an

the

たった3種類なのに、どうもよく分からない、どうやって使えばいいの?と日本人は迷うことが多いですよね。

何故かと言えば、日本語に冠詞がないからです。

冠詞の概念を感覚として持っていないので、つい冠詞を付けずに話してしまったり、苦手意識があったりします。

英語のテストで冠詞を付け忘れて減点、という経験をした人もいるのではないでしょうか。

冠詞にいい思い出がない、という人もいるかもしれませんね。

theは定冠詞

3種類ある冠詞の中で、theは「定冠詞」となります。

aとanは「不定冠詞」です。

ちなみに、冠詞を付けない「無冠詞」もあります。

theの「定冠詞」は、対象を特定する時に使います。

文法や会話上の名詞を、明確に特定する役割を持ち、日本では「あの」「その」「例の」いったニュアンスを持ちます。

I like the apple.

上記の文であれば、「その」リンゴが好きである、と全てのリンゴが好きというニュアンスとは異なることが分かります。

また、再び話題にする、という時にもtheを使って、明確に特定することができます。

I bought some wine yesterday. The wine was very nice.

私は昨日、ワインを買いました。

「その」ワインはとても美味しかった。

昨日買った、「その」ワインが美味しいことを伝えるために、Theを用いていますね。

また、共通の場所を指す場合にもtheを使って特定します。

I am going to the school tomorrow.

私は明日、学校に行くつもりです。

お母さんにこのように伝える場合にはthe schoolで、共通に認識している「学校」に行くことを伝えられます。

さらに、常識的に世の中に1つしかない物にもtheを使います。

ここは少し難しいところで、theを使わない地名などもあるのですが、次のようなものはtheをセットで覚えておくとよいでしょう。

the earth 地球

the moon 月

the Taj Mahal タージ・マハル

the Tokyo Skytree 東京スカイツリー

同様に、時間枠と具体的に特定する場合もセットで覚えてしまいましょう。

in the morning 「その」日の朝

in the afternoon 「その」日の午後

in the evening 「その」日の夜

in the day 「その」日

in the week 「その」週

in the winter 「その」冬

in the next year 「その」翌年

aとanは「不定冠詞」

theと同様の冠詞としてはaとanがありますが、こちらは「不定冠詞」と言われています。

対象は不特定の中の「ひとつ」で、複数の場合も使いません。

I have a book.

このように、可算名詞の単数形に使います。

複数の場合には、以下のようになりますね。

I have books.

theの発音ルール

theが冠詞で、どのような場面で使えるのか理解したところで、本題の発音について説明していきます。

theの発音方法は、発音記号で表記すると2つあります。

/ðə/

/ði/

【theの発音】次にくる単語の最初の音が子音の場合

次にくる単語の最初の音が子音の場合は、発音記号で/ðə/と発音します。

子音の代表例は下記の発音です。

/m/ /f/ /p/ /k/ /t/

日本語の「アイウエオ」以外の音ですね。

それでは/ðə/はどのように発音すればよいのでしょうか。

ポイントとなるのは /ə/ の発音。

母音のひとつとされ、曖昧母音とも言われています。

唇と口角をリラックスして、口の形は半開きにして、日本語の「ア」を発声してみてください。

theは日本語で「ザ」とカタカナ表記されることが多いのですが、実際に発声してみると「ダ」のような音になることが分かると思います。(以降、便宜上「ザ」で統一してご紹介していきます)

【theの発音】次にくる単語の最初の音が母音の場合

次にくる単語の最初の音が母音の場合には、/ði/ と発音します。

母音は、日本語の「アイウエオ」に相当しますが、英語の母音は多く、二重母音などもあるので少し難しいですね。

英語の母音例は下記の通りです。

/i/ /ɪ/ /e/ /ɛ/ /æ/ /a/ /ə/ /ɑ/ /ɒ/ /ɔ/ /ʌ/ /o/ /ʊ/ /u/

/ði/ の発音ポイントとしては、/i/ を強調することでしょう。

舌先を下の前歯の裏につけ、口角を張りながら、舌の真ん中部分を上の方に寄せます。そのまま、日本語の「イ」を発音してみてください。

「ジ」、もしくは「ディ」のような音が発声できたと思います。(以降、便宜上「ジ」で統一してご紹介していきます)

a, anの発音も同様

aとanも、次にくる単語の最初の音が母音か子音かがポイントになります。

a  次にくる単語の最初の音が子音の場合

an次にくる単語の最初の音が母音の場合

もともと、言葉をつなげて発音をしやすくなるためにaやanになるのですが、英語に慣れない日本人には難しさを感じますよね。

有名な単語でいうと、

an appleです。

apple は「アップル」で母音ですから、anを使います。

「an apple」と、セットで覚えてしまいましょう!

覚えよう!ジ/ði/の名詞、形容詞

子音の単語が多いので基本的にはザ/ðə/の発音と思いがちなtheですが、この単語を言う時は、ジ/ði/を使うと、セットで覚えてしまいたい名詞や形容詞をご紹介します。

the end

the apple

the egg

the ear

the earth

名詞が母音で始まるため、ジ/ði/を発音しますから、覚えてしまいましょう。

また、importantという形容詞も注意が必要です。

たとえば

the task であれば、ザ/ðə/で良いのですが、「重要な」というimportantが付くと、ジ/ði/になってしまいます。

the task ザ/ðə/

the important task ジ/ði/

形容詞が付くことで、theの発音が変わる例をもう一つご紹介します。

opportunityは、機会やチャンスを意味する単語です。

the opportunity は「その」機会となり、母音の /ɑ/から始まるため、ジ/ði/で発音することになります。

では、「その」良い機会、となった場合はどうでしょう?

the good opportunity

the のすぐ後はgoodとなり、子音ですから、theはザ/ðə/で発音します。

直後にくる単語の最初の音が、母音か子音か、で判断すると覚えておくとよいでしょう。

the best はどうやって発音する?

形容詞や副詞の最上級の前にtheが使われることがありますよね。

It was the best.

最高でした!

この場合、通常はザ/ðə/を使います。

しかし、最高だったことを強調したい場合には、例外的にジ/ði/を使うことがあります。

This is the best movie I’ve ever seen.

私がこれまでに見た中で、「それは」最高の映画だった.

と伝えたい時に、theはザ/ðə/を使うのが通常です。

しかし、これまでで最高であることを強調したい場合、興奮気味にジ/ði/を使うことで、その映画がいかに最高だったかというニュアンスを伝えることができるのです。

強調する時に使うジ/ði/

本当に?あの?!と特定の物や人を強調したい場合、ザ/ðə/ではなく、ジ/ði/を使うことがあります。

例えば、ターミネーターでお馴染み「シュワちゃん」に偶然会ったことを友人に話します。

すると友人が次のように言います。

Did you see the Arnold Schwarzenegger?

あのアーノルド・シュワルツネッガーに会ったの??

「あの」という部分がtheに当たりますが、ジ/ði/の発音で強調するのにピッタリの場面と言えますね。

同姓同名の別人ではなく、まさに「あの」シュワルツネッガーに会ったの?と強調して確認しているのです。

このようなラッキーな場面が人生に訪れた場合には、ぜひ使いたいですね。

間違えやすい、母音ではなく子音の単語

母音だと思っていたら、子音だった、という単語もあります。

特に間違いやすい単語は「year」です。

日本語では「イヤー」とカタカナでルビを振られることがありますよね。「イ」から始まるのだから、母音と思う方がほとんどでしょう。

しかし発音記号は/jɪr/

子音なので、the yearは、ザ/ðə/で発音します。

また、「university」も間違いやすい単語です。「u」から始まるので、母音に思いがちですが、実際に発音は「ユニヴァースィティ」と「ユ」から始まっているため、子音となります。

そのため、the universityはザ/ðə/で発音します。

ネイティブはどう発音しているか

ザ/ðə/とジ/ði/の使い分けについて、だいたい理解できたところで、本当にネイティブはこの通り発音しているのか疑問に思う人もいるでしょう。

実際のところ、あまり厳密には使い分けをしていません。

強調したくて、わざとジ/ði/を使うこともある、というように、場面場面で上手く使い分けているという印象です。

ちょっとホッとしましたか?

こんなに冠詞に気を付けて話さないといけないのなら、英語が口から出てこないかも、と思ってしまいますよね。

英語では言いやすさ、発音のしやすさを重視するのはもちろん、文法よりも相手に正しく伝わることの方が重要視されます。

ですから、恐れずにとにかく相手に伝わるように話して、英語に慣れていくことが一番大切です。

ただ、appleと言う時には、自然とan appleと言えるように、セットで覚えておくことも必要です。

appleという言葉は、おそらくネイティブの方は、赤ちゃんや子供の頃に覚えて使っている言葉。

もちろん、an appleとして馴染んでいます。

馴染みのある言葉を、馴染みのない発音で伝えられると違和感を覚えることがあります。

日本語でも、私たちは「てにをは」を自由自在に意識せず操って話していますが、日本語を外国語として話す人にとっては、「てにをは」の使い方はとても難しいものです。

「てにをは」の使い方が違うと、違和感を覚えますよね。

そういったイメージで、よく使う単語で冠詞の使い方が正しくないと、ネイティブは違和感を覚える可能性がある、ということを理解しておきましょう。

時々しか使わない単語は良いですが、よく使う単語の場合は、appleのように冠詞セットで体や口に馴染ませてしまうとよいでしょう。

実際の会話の時も、自然と正しい冠詞が口から飛び出してくるようになりますよ。

恐れず話そう!theの発音

theの発音の違いについてご紹介しました。

たかが冠詞、されど冠詞…日本語には無い概念のため、感覚を掴みづらいこともあります。

使い方の基本をマスターして、自由自在に使いこなせるとよいですが、それには何より経験が必要です。

たくさん英語を話し、その中でどのように使っているのか身に付けられるとよいですね。

ネイティブも、あまり厳格に使い分けているわけではありません。

肩の力を抜いて、恐れずに英語で話をするところから始めましょう。

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