TOEIC400点のレベルとは?400点突破の対策・勉強法
ここでは、TOEICの試験結果が400点くらいで伸び悩んでいる方を対象にした勉強方法についてご紹介します。英語というものは不思議なもので、勉強し続ける限り必ず実力が伸びていきます。これから紹介する勉強方法をぜひ参考にしてください。
TOEICのスコアの目安
TOEIC400点というスコアは、英検では3級、TOEFL iBTでは、29~44点くらいに相当します。中学卒業レベル程度の英語力だと考えていただいて大丈夫です。つまり、簡単な日常会話レベルの英語であれば、ある程度理解ができるというのがTOEIC400点程度の英語力といって良いでしょう。
基礎学力を鍛える
英語の基礎学力を積み上げることが、TOEIC400点の場合には必要になると考えてください。勉強の仕方は非常にシンプルなものになります。まず、TOEICの文法問題を解けるようにすることが大事です。文法を理解して、文法問題の英語を日本語にしながら正解できるようにならないと、なかなか次のステップに進むことが難しいと言えます。地道に必要な知識を積み上げることが大事です。
そのため、必要に応じて高校時代に利用したことのある英語の参考書や教材を一通り復習することが効果的です。高校英語の復習をして、高校レベルの英文が読みこなせるようになるだけでも、TOEICでは500~600点に到達することができます。大学受験において英語が得意な受験生であれば、TOEICが730点程度にまで到達する場合もあります。高校の英語の知識というものは、TOEICスコアが400点の場合には参考にすべき知識となります。
英語の基礎に戻ることも必要
TOEICを何度受験しても400点程度で変わらない場合、スコアをアップさせるために何をしたらよいか自分でわからなくなる場合があります。その場合はいったん基礎に戻ります。英語の学習は、徐々に積み上げる形でしか実力が向上していきません。中学英語で学習しておくべき英語の基本動作が疎かになっている場合、どれだけ過去問を解いても英語のスコアが思うように上がりません。そのため、スコアがアップしない場合は、「英語学習の基本動作ができているか」を確認する必要があります。
具体的に確認することは、「発音記号が読めるか」「中学英語が理解できているか」「中学レベルの単語が理解できているか」「英単語の意味が分からない場合に、その単語の意味を確認しその都度覚えようとしているか」といったことです。例えば、英単語が覚えられない人の中には、そもそも英単語の発音が発音記号から読めないという人がよくいます。こういった場合は、「英語耳」といった市販教材を利用して、発音記号の読み方からきちんと勉強し直しておくことが必要です。発音記号がわからないと、英単語が覚えることができず、最終的にリスニングで苦労することになります。知識に穴がある場合は、きちんと穴埋めするようにすることです。
これ以外にも、「勉強した英文の中の英単語で、意味がわからないものをいつまでも放置して、英語を学習しても英語の語彙力が増えない人」もいます。この場合は、「わからない単語はその都度覚える」という基本ができていないことによって、いつまでも語彙力が増えていきません。語学の基本は、「語彙を増やす」ということに尽きます。そのため、英語学習の中で単語を覚えようとしない状態で漫然と勉強している場合は、英語学習の姿勢自体を変える必要があります。
高校英文法を理解する
英語学習の基本動作ができていることが確認できたら、英文法を勉強することが必要です。TOIEC400点の場合は、高校英語の英文法のやり直しをしてみましょう。特に、英文法の例文にでてくる単語とイディオム、英語の基本構文を読んで、日本語に置きなおせるようになることが大切です。
具体的には、高校英語の英文法の参考書を一冊だけ仕上げてしまいましょう。必要なテキストは、高校英語の英文法を一通り紹介している参考書で問題ありません。例えば、「総合英語Evergreen」といったやや分厚い参考書の代表的な例文を日本語に和訳できるようにするだけでも、かなり大きな効果が期待できます。もちろん、もっと薄い参考書でも問題ありません。
そして、英語を頭の中で日本語に置き換えながら音読をしておくことが必要です。発音やアクセントも間違えずに理解することを心がけます。英語の参考書は、何度も繰り返し学習することが大切です。数か月すると知識がうる覚えになって、以前に勉強した内容のうち半分近くは間違いなく忘れてしまっています。そのため、一冊仕上げて理解したら、必ずその参考書を何度も繰り返すことが大事です。
特に、TOEICの試験の直前には、「参考書を1冊まるまる1日で復習する」などをして、何度も見直しをすることが効果的です。猛スピードで昔の学習内容を復習するだけでも、かなりの割合を思い出すことができるからです。復習する際のポイントは、大まかなポイントをつかみながら進むということが大事です。細かい知識は、何度もやり返すうちに自然と身に付いてきますので、大まかなポイントがどこであるのかを探しながら、復習をしていく姿勢を習慣にすることを目指して下さい。
英語長文を学習する
その後の学習方法は、英語の長文を読み込んで、日本語に置き換えながら勉強することが効果的な学習方法です。勉強の題材にすべきものは、TOEIC用の参考書でも、大学受験用の参考書でも問題ありません。ただし、音源CDが付属している英語長文を選ぶことがポイントです。おすすめは、「速読英単語(必修編)」です。この参考書を利用すると、単語も覚えることができるため重宝すると思います。音源CDは別売りされています。また、TOEIC用の参考書であれば、「1駅1題 TOEIC L&R TEST 読解特急 (TOEIC TEST 特急シリーズ)」なども持ち運びやすいため、おすすめです。
英語長文を日本語に置き換えながら音読する
TOIEC用の参考書でもなんでもかまいませんが、英語の長文を読んで問題を解くことが必要です。そして、一度読んだ英文を日本語に置き換えながら音読していきましょう。この際、音読して頭の中で日本語にできなかった英文は必ず全文和訳をみて文章の意味を確認します。和訳をみても英文の意味が分からない場合は、必ず英文法の参考書などで、その英文がどうしてその和訳になるのかを確認し、疑問点を持ちこさないように注意してください。学習上の疑問点は必ず一つずつ解決していくことが大切です。
このようにして、英語長文を日本語に置き換えながら音読していきます。同じ英文でも繰り返し何十回と音読することが大切です。音読できない単語は必ず発音記号とアクセントを確認し、音読できるようにしましょう。発音・アクセントまで確認しながら音読すると自然と単語も覚えられるようになります。そして、1つの英文を何十回と音読すると、日本語の意味とともに、英語の文章がすらすらと頭に入ってくるようになります。これを「英語の回路ができてくる」と表現する人もいます。英語を理解するスピードがあがってくるということです。音読のスピードが上がってくると、リスニングの聞き取りスピードも向上してくるため、音読トレーニングがリスニング対策にも直結すると理解してください。何十回と音読した英文が数十個になってくると、新しい英文に接しても、今までよりも英語の意味が理解しやすくなっていることに気付いてくると思います。ここまでくると、TOEICの得点は、500点を軽く超えてくるはずです。
英語を英語のまま読めるようにする
英語長文を音読することによるリスニングトレーニングと読解トレーニングについて紹介してきました。英語長文を音読することによって、英語を英語のまま理解することがだんだんできるようになっていきます。TOEICのスコアが600点あたりまであると、英語をいったん頭の中で日本語に置き直しして長文を理解する形になりがちですが、英語を英語のまま理解してリスニング・読解できるようになると、もっとハイスコアを狙えるようになっていきます。そのため、TOEICが400点台であっても、ぜひ英語長文を音読するトレーニングを行うようにして下さい。音読トレーニングによって、将来的には日本語の全文和訳から英語の文章を組み立て直し、英作文の学習をすることも可能になります。英語学習の何にでも応用できる勉強方法が英語の音読です。そのため、英語をただ目で読むだけでなくて、口にだし耳で聞いて英語を理解するように努めることが大事な学習方法です。
音読した教材を耳で聞いて、リスニング力を鍛える
ここまでは英語の音読がどのような応用もできる優れた学習法であることを紹介しました。音読トレーニングで音読した教材の音源CDをうまく利用すると、さらにリスニング力に磨きをかけることが可能です。具体的には、音読して、何度も自分の耳で聞いた英語をネイティブの発音で確認してみます。すると、不思議なことに、ネイティブの英語の全てが理解できないことに気付くはずです。目で文字を追いながら耳で発音を聞く作業と、耳だけで英語を聞き分ける能力は実は同じものではないということです。そのため、目で文字を見ることをやめた状態で、耳からだけで英語を聞いても単語の意味が理解できない場合が生じてきます。「あれ?聞いたことのある英単語なのに意味がすぐに浮かばない」ということが起きてくるわけです。大抵はそのようになるため、音読して繰り返し読み込んだ長文を、今度は、ネイティブの発音で聞き直しします。聞き直しは机に座ってやる必要はなく、移動時間等を活用すればスムーズにできるだろうと思います。
音読した教材が100%ネイティブの発音でも理解できることがリスニング力向上のカギです。特に理解しにくい箇所は、単語と単語の間の音が欠落する場合です。単語と単語を並べて順番に発音しようとすると、舌の動きによっては、英単語の発音が一部欠落します。そういった欠落した発音を類推して、読み上げされている長文の英語の意味をつかんでいかないといけません。この作業をきっちりと行わないと、リスニング力が向上していかないのです。ただ、何となく英語を聞くという姿勢だけでは、聞き取りにくい箇所の発音がいつまでたっても聞き取れないことが多いので、リスニングについては特別なトレーニングが必要です。
シャドウイングの訓練
さて、リスニング力をさらに向上させるトレーニングは、どのように行ったらよいでしょうか?音読からのリスニング力向上のトレーニングとしては、「シャドウイング」が非常におすすめです。「シャドウイング」とは、ネイティブが発音したあとに、自分が同じ発音をしてみて、ちゃんと聞き取れているかどうかを確認しながら、自分の発音をネイティブの発音に合わせて音読していくトレーニングです。ネイティブの発音を真似しながら、長文の音声を自分の声で再現します。ネイティブの発音と一緒に自分が音読するわけです。そうすると、ネイティブの発音では、「何を言っているのかわからない」という箇所が必ず出てきます。ネイティブの発音から英語の文字が類推できなくなった場合は、音読テキストの文字をみて、どの英単語を発音しているのかを確認します。確認すると「え?こんな形で発音するのか!」ということがわかることもあります。発音の仕方が間違っているようであれば、間違っている箇所を修正しましょう。単語と単語のつながりで発音が省略される場合についても、ネイティブと同じように発音を省略して、長文全体をシャドウイングするようにします。このシャドウイングのトレーニングで自分の発音をネイティブ発音に近づけ、かつ、発音のわからない箇所を明確化することが大事です。
慣れてきたら1.5倍や2倍の速度で英語を聞いてみる
音読した英語長文のシャドウイングも何度か行い、英語の音源を聞けばどんな単語の英語を話しているのかがすぐにわかってしまうようになると、今度は同じ音読テキストの英語を聞いても、全く頭に負荷を感じなくなるはずです。そのようになったら、今度は、英語の処理速度を上げるために、1.5倍速や、2.0倍速で同じ英語長文をリスニングして、頭の中の英語の処理速度を上げるようにします。2.0倍速でもほとんど聞けるようになっているようであれば、音読で使用した英語長文テキストを変えてしまい、より難しく感じる英語長文の音読トレーニングに入ることが大事です。英語のテキストをレベルアップさせていくことによって、自分の英語力をアップさせていくことができます。
大学受験の単語集・熟語集を確認してみる
ここまできたら、長文の中で出てきた英単語や英熟語を自然と覚えてきていると思います。音読トレーニングが一通りできたら、一度大学受験の単語集や熟語集を開いて、どの程度単語と熟語が理解できるのかを一度だけ確認してみましょう。おそらく最低でも半分程度、難しめの長文で音読をしていた方は8割程度出てくる単語の意味を理解できるようになっていると思います。大学受験用の単語集が半分以上わかるようになってきたら、その参考書を利用して、意味を日本語にできない単語を覚えていきましょう。半分以上英単語を理解している単語集を仕上げることは、全部理解できない単語集を暗記するよりも数倍楽に勉強することができます。音読を繰り返すことで単語の意味までスムーズに思い浮かぶようになっていれば、単語集も使いこなすことが容易になっているだろうと思います。
単語集というものは、ときどき内容を確認して、自分が理解できない英単語や熟語が単語集の中に含まれていないかどうかを確認するために利用すると、効率的な利用が可能です。一から単語をすべて覚えるのではなく、単語暗記ができたかのチェック用の読み物として、英単語帳を利用するわけです。英単語や熟語が理解できるようになっていると、英語力がかなり身に付いてきたことが時間できるようになるだろうと思います。英語学習においては、「前に進んでいる感覚」を大事にして下さい。
英検を利用する
さて、ここまで説明すると、トレーニング方法が明確になってきたと思います。もちろん、音読トレーニングやリスニングのシャドウイングなどの訓練は、英検の対策参考書で行うことも可能です。400点からTOEICのスコアを伸ばしたい場合は、英検の準2級や2級の試験対策をすることが有効です。英検の準2級はTOEICで450~550点程度、2級は550~740点程度の英語力だといわれます。このスコアを参考にして、現在の自分の英語力に見合った英検の試験を受けることも有用です。
繰り返し学習する
とにかく大事なのは、「繰り返し同じ英文で何十回か音読してみる」という繰り返し学習です。英文法の学習もはじめはすぐに忘れていくため、とにかく繰り返し復習して、英語を見てすぐに日本語が浮かびあがってくるようにしなくてはいけません。繰り返し学習すると、英語の処理速度が格段にあがってきますので、ぜひ試してみて下さい。英語力を向上させるために、参考書を10冊も20冊も仕上げる必要は全くありません。
英語学習をしていて壁にぶち当たったらどうするか?
最後に、英語学習でTOEICのスコアが伸び悩むなどの壁にぶち当たったらどうするかについて、少し補足します。TOEICのスコアが伸び悩むときは、勉強を継続するしか方法はありません。ただ、体験として確実にいえることは、勉強し続けているとどこかで必ず「ブレイクスル―」(壁を突破)するということです。英語の学習をしたことがある人であれば、だれでもこの「ブレイクスル―」を経験しています。大切なことは「スコアが伸びなくてもあきらめない」ことです。そして、スコアが伸びないことについて悩むのではなくて、英語の学習自体を楽しんで続けていくことが大事です。「継続は力なり」という言葉もありますが、英語学習は、努力を継続していくことによってしか英語力を向上させられないのです。そのため、結果を過度に気にすることは控えて、コツコツと努力していく姿勢を崩さないようにすることが一番大切です。できれば英語学習を生活習慣に組み込んでしまうことが大事です。誰もがそのようにして英語力を磨いてきていますので、挫折して努力をやめることのないように、目標突破まで頑張り抜いてください。
TOEIC400点はすぐに突破できる!
ここでは、英語の音読トレーニングを中心として、TOEIC400点を突破するための英語の単語・熟語の覚え方、英文法の勉強法、中学英語のやり直し、高校英語の突破方法、リスニング力の磨き方などをまんべんなく紹介しました。400点はTOEIC入門の点数なので、楽しくクリアしたいものです。