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英検のライティング対策!徹底攻略方法 Hide先生編

今回の記事では、英検ライティング問題の特徴や対策についてわかりやすくまとめていきます。前半は英検ライティング問題の全体的な特徴や傾向について、後半は各級ごとに実際の過去問題や予想問題を元に対策を詳しく解説していきます。特にライティング初心者ともいえる3級・準2級受検者の方には少し詳しく解説しますので、ご自分が受ける級の対策を早く知りたいという方は、『5.英検ライティング問題の書き方、高得点のコツ!!!  各級ごとに詳しく解説!』からお読みください。

また3級と準2級の対策はかなり共通する部分も多く、英作文の書き方の基本として、3級・準2級を受ける方や上位級を受ける方で英作文の苦手な方も、まず3級・準2級両方の対策ページをお読みいただくことをオススメします!

では早速始めましょう。まずは英検ライティング問題の特徴からです。

英検ライティング問題の特徴

英検のライティング問題は3級以上(3級・準2級・2級・準1級・1級の5グレード)の一次試験で必ず出題されます。3級と準2級に関しては2017年度からの導入となり、この記事を書いている2019年2月時点で実質まだ2年ちょっと(7回分)の実績となります。この改定には、日本人に不足していると言われる『発信力』の強化につなげたいという協会の意思が感じ取れますし、その背景には増々加速化していくと予想されるグローバル化が大きく影響していると考えていいでしょう。

また、問題全体の構成の中で、準2級のみが『大問の”5”』、それ以外は『大問の”4”』での出題となります。

この様に準2級だけ構成が異なる理由は、準2級のみが『会話文の空所補充問題』と『長文の空所補充問題』の両方を持っており、3級までの級では前者のみ、2級以降の級では後者のみしかないからです。英検の出題内容が5級から1級へと上位級になるにつれ会話文重視から長文読解重視へとシフトする流れの中で、『準2級が丁度その分岐点にある。』と考えることができます。これは少し興味深い事実です。

出題内容的には当然上位の級になるにしたがって難しくなるのですが、

3級と準2級では簡単な英語の質問に対して英文で答える形式

であるのに対し、

2級以上ではあるトピックが与えられそれに対して自分の意見を述べる形式(エッセイ形式)

になり、その中でも準1級と1級では『問題説明の全てが英語』で、指示内容も『Write an essay on the given TOPIC.』というものだけになっています。2級ではそれまでの級と同じく『日本語による問題説明』があり、その指示内容も『以下のTOPICについて、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。』と準1級や1級よりもわかりやすい内容になっています。

上位級になればなるほど、より能動的かつ積極的な姿勢が必要となってきますし、また自らの意思を明確に述べなければならず、そのためには当然のことながら、より高度な語彙力や英文表現の多様性と的確性も求められます。

準1級や1級においては、ほぼ一般的な英語ネイティブ並みの英作文能力が必要とされるといっても過言ではないでしょう。実際に私のこれまで接してきた英語ネイティブの人でも、英検1級・準1級程度の文章をまともに書けない人も結構いましたし…(笑)。同じことは日本語ネイティブが書く日本語の文でも言えますよね。要するに、1級・準1級レベルの英作文能力を鍛えるには、英語・日本語に限らず文章力そのものを鍛える必要があると言えるのではないでしょうか。

ちなみにTOEICでは英作文の問題はありませんので、英検を受けるには当然英検に特化した特別な準備が必要となってきますよね。日頃の英語に対する取り組み方も変わってくると思います。例えばTOEICを受ける方には海外のインターネットラジオ放送(NPRやBBCなど)の聴取を特にオススメしますが、英検の上位級受検者には、ラジオに加え英字新聞やニュースサイトの閲覧をオススメします。また、EメールやSNS等で普段から英文を書く癖をつけることも大切です。

『語数指定』があるのも英検ライティングの特徴

英検ライティング問題の特徴としては、全ての級でその難易度に従って使用できる語数の指定があります。表現は級によって少し異なっていて『語数の目安(3級~2級) / Suggested length(準1級・1級)』となっていますが、語数がここからある程度外れた場合は減点されると考えて良いでしょう。指定語数を級ごとに整理すると、

●3級   →25語~ 30語

●準2級 →50語~ 60語

●2級   →80語~100語

●準1級 →120 – 150 words

●1級   →200 – 240 words

となります。

ご自分が受ける級に合わせて、それぞれの指定語数内に収めて英文を書く練習が必要です。これもとても重要なポイントですね。

それでは、各級におけるライティング問題の配点や採点の基準等はどうなっているのでしょうか?

各級別に詳しく説明していきたいと思います。

英検ライティング問題の配点は?

2016年の改定により、リーディング、リスニング、ライティングの3技能ごとに算出された『CSEスコア』という指標をもとに英検の合否が判定されるようになりました。CSEスコアとは、Common Scale for Englishの略で、英検の成績をユニバーサルな尺度で計るために新たに開発された指標です。具体的には、次の通り各級ごとに基準となるCSEの配点が変わってくるのですが、いずれの級でも共通しているのは

たった1問の『ライティング問題』の配点が一次試験全体の『3分の1』を占める!!!

という事です。これは大変重要な事実です。言い換えれば

ライティング問題に対する準備を怠ることが『不合格に直結してしまう』!!!のです。

このことを各級ごとの表にまとめてみました。尚各級の合格基準スコアは『旺文社 英語の友』サイトより転載いたしました。英検自体が旺文社の創業者が中心となり生まれたものですから、ある程度信頼置ける数字と考えて良いでしょう。

リーディング CSEスコア リスニング CSEスコア ライティング CSEスコア 満点 合格基準 スコア ライティング 0点の場合 ライティングが0点の場合の合否と不足分
3級 550点 550点 550点 1650点 1103点 1100点 不合格 (-3点)
準2級 600点 600点 600点 1800点 1322点 1200点 不合格 (-122点)
2級 650点 650点 650点 1950点 1520点 1300点 不合格 (-220点)
準1級 750点 750点 750点 2250点 1792点 1500点 不合格 (-292点)
1級 850点 850点 850点 2550点 2028点 1700点 不合格 (-328点)

上の表で示した通りライティング問題がある5グレードすべての級において、ライティングが0点であった場合、仮に他の2技能分野で満点を取ったとしても不合格になってしまうのです。

『ライティング問題に手を付けず全く空白にしてしまったり、出題内容から全くかけ離れた解答をしてしまったりすることは絶対に禁物である。』

ということを、今一度肝に命じて英検対策に取り組みましょう。

英検ライティング問題の採点基準は?

冒頭で示した通り、各級の難易度によってライティング問題の出題内容は変わってきます。これは当然といえるでしょう。

しかしながらその採点基準については、全ての級で“ほぼ”同じ4つの『観点』が採点基準として英検公式ページに掲載されています。

その『4つの観点』とは?

  • 内容
  • 構成
  • 語彙
  • 文法

以上、4つの観点です。

ここで“ほぼ”と書きましたが、4項目のうち4つ目の『文法』だけが、3級・準2級の下位級と2級以上の上位級で若干変わっていますので、その違いも含め具体的に見てみましょう。以下の『4つの観点』は英検公式サイトからの引用です。

まず3級・準2級では・・・・、

『観点(1) -内容-』 課題で求められている内容(自分の考えとそれに沿った理由2つ)が含まれているかどうか

『観点(2) -構成-』 英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか

『観点(3) -語彙-』 課題に相応しい語彙を正しく使えているか

『観点(4) -文法-』 文法的に正しい英文が書けているかどうか

となっています。一方、2級・準1級・1級では・・・・、

『観点(1) -内容-』 課題で求められている内容(意見とそれに沿った理由)が含まれているかどうか

『観点(2) -構成-』 英文の構成や流れがわかりやすく論理的であるか

『観点(3) -語彙-』 課題に相応しい語彙を正しく使えているか

『観点(4) -文法-』 文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか

赤字で示した部分の違いにお気づきでしょうか?要するに、

3級・2級では 『文法的に正しければOK』 であるが、

2級・準1級・1級においては 『文法的に正しいだけではダメで、より高度かつ複数のバリエーションで文を書かなければならない。』

ということが言えるのです。

また『(4つの)観点ごとに0~4点の5段階で評価され、得点の満点は16点』と公式サイトにありますので、4つの観点の比率としては各級とも4つの観点が同じ割合で配分されるということです。言い換えれば、多少語彙が不十分であったり文法的な誤りがあったとしても、『観点(1) 内容』や『観点(2) 構成』がある程度整っていれば、それだけで点数を稼げるということも言えますよね。

これを元に考えると、英検ライティング問題に取り組む基本姿勢として重要なのは

『文法などの細かいミスに気を使い過ぎず、満点を目指すのでなく8~9割程度の点数を目指し、内容と構成をしっかりと書く!』

ということが言えるのではないでしょうか?このことは後ほどもう少し詳しく解説します。

英検ライティング問題の合格基準ラインは?   

『2.』の配点の項目で表に示した通り各級ごとに合格基準点が示されていますが、これはリーディング・ライティング・リスニングの3技能の合計点となります。ですからライティング問題のみの合格基準ラインというのは設定されていません。

ただし同表で示した通り、

『ライティングで0点』だった場合は 『確実に落ちます!』

全体の合格基準ラインが『7割程度』(英検公式サイトより)となっていますが、上記の表に記載した合格基準点は7割より少し高くなっています。また級によってもかなりのバラつきがあります。

これらを元に考えると、上記4つの各観点のうち、

『観点(1)内容』 『観点(2)構成』 で満点の4点

『観点(3)語彙』 『観点(4)文法』 で3点

を目指しましょう!これで先ほど申し上げた8~9割の得点が可能となります。

繰り返しになりますが、多少語彙が不十分であったり文法的な誤りがあったとしても、『観点(1) 内容』や『観点(2) 構成』がある程度整っていれば、それだけで点数を稼げる、言い換えれば、多少つたない文であっても、内容や構成が完璧であればある程度点数を稼げる、とも言えます。もちろん程度問題はありますが…。

ではいよいよ、ここまで解説してきた英検ライティング問題の特徴を踏まえ、各級ごとに基本の書き方や高得点を取るためのコツを伝授していきたいと思います。

英検ライティング問題の書き方、高得点のコツ!!!  各級ごとに詳しく解説!

ここからは各級別に例題を元に解説します。特にライティング初心者ともいえる3級、準2級受検者向けには、少し詳しめに解説します!

◆◆◆3級◆◆◆

英検3級のレベルは中学卒業程度となっています。ただし中学3年で習う関係代名詞や現在完了形、一部の私立中学等で発展的に習う仮定法などはあまり使うことが無いと思います。そう考えると、中学1~2年レベル(最低でも中1レベル)の英文法の知識とそれに伴った語彙力が無いと、英検3級のライティング問題に取り組むには無理があると思われます。そのレベルに達していない方は中学英語の復習をしっかりと行うべきだと思います。これについてはまた別の機会にお話しできればと思います。そこはある程度クリアしている事を前提に進めていきます。

——【例題】(2018年第2回の実際の過去問題です。フリガナは省略しています。)—————————–

●あなたは、外国人の友達から以下のQUESTIONをされました。

●QUESTIONについて、あなたの考えとその理由を2つ英文で書きなさい。

●語数の目安は25語~35語です。

●解答は、解答用紙のB面にあるライティング解答欄に書きなさい。なお、解答欄の外に書かれたものは採点されません。

●解答がQUESTIONに対応していないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。QUESTIONをよく読んでから答えてください。

QUESTION

Which do you like better, nature or big cities?

————–問題は以上————————————————————————–

【書き方のコツ その1】

まずは質問 (QUESTION)をしっかりと把握したうえで、1文目を的確に書く!

問題説明欄に

●解答がQUESTIONに対応していないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。 QUESTIONをよく読んでから答えてください。

と敢えて記載されています。どのくらい的を外すと0点になるかは定かではありませんが、質問に対して的確に答えることがもっとも大切です。上述した4つの観点のうち『観点(1)-内容-』に大きく関わる部分ですが、この項目が4つの観点の1番目に来ていることからも、この項目が最重要視されていることがわかります。

Which do you like better, nature or big cities? 

というように、which (どちら) という聞き方をしていますので、まずは “nature”(自然)が好きか”big cities”(大都市)が好きかを明確に答えねばなりません。ちょっとひねくれた見方をして、大都市にも自然はあるだろうとか、両方好きだよとかと思ってしまうこともあるかもしれませんが、そんな邪念は捨てて、どちらが好きかをまず明確に示す必要があります。

ですから、この問題に対する解答の書き出しは

I like nature better. か I like big cities better.      の2拓だと思っていいと思います。

例えば別の質問で、Which do you like better, summer or winter?

とあれば、I like summer better. か I like winter better. のどちらかです。

とにかくどちらが好きか、まずは明確に答えねばなりません。

一方、What is your (most) favorite season?

(*この “most” は必要ないもしくは文法的にあまりよろしくないという意見もありますが、実際に頻繁に使われている表現なのでカッコで示しておきます。)

という質問であれば、四季のいずれを書いても、さらに ”early spring” とか、もっと細かい答え方もありですよね。この様な面倒くさい答え方はあまりおすすめしませんが、その後の2つの理由を制限字数内にしっかり書けるのであればOKでしょう。いずれにしろ『まずはしっかりと質問を把握して』その質問に対して的確に答えましょう。

【書き方のコツ その2】

理由を2つ、簡潔に示す。その書き方は2通りあります。

  1. まず、”I have two reasons.” もしくは、”There are two reasons.”と書いて、それに続けて、First,                          .  Second,                         .と、2つの理由を列記するパターン。こちらが簡単な方。First, / Second, のあとに続けるのは1つの文でも2、3文でも構わないです。
  • もうひとつは、because                          .   Also                          . と2つ理由を続けるパターン。こちらも理由は1つの文にまとめても2~3文使っても構いません。

以上 1)、2) ともいくつもバリエイションがありますが、過去問の模範解答等を参考にして自分のスタイルというのを受験前に決めてしまってもいいかもしれません。

以上の2点の要点を元に、例題の解答例を2つ、ほぼ同じ内容を違う書き方で書いてみます。

【解答例①】

I like nature better. I have two reasons. First, I love flowers and plants very much. So I want to live with them always. Second, I want to have fresh air in nature.(33語)

【解答例②】

I like nature better because I love flowers and plants very much. So I want to live with them all the time. Also I would like to have fresh air in nature.(32語)

*文法解説及び注意点: 

1) 1文目の書き方(単数・複数や冠詞の有無等)は『QUESTION』に準ずること。例えばnatureは不可算名詞なので冠詞も複数形の”s”も付いていません。一方 “big cities”の方は加算名詞なので複数形の”s”が付いています。ここら辺はとにかく『QUESTION』にある通りの書き方をすること。

2) 英語文の書き方のルールをしっかり守ること。例えば、数字は例えば”1”、“2” ではなく、”one”、“two” としっかりつづりを書く。 “I don’t”、“I can’t” など短縮形は使わず、”I do not”、”I can not” というようにしっかりと単語をひとつずつ書く。ピリオドやカンマ、大文字・小文字等、ここでは全て解説できませんが、ルール通り書く練習をしましょう。例えば、First, / Second,  は、独立した副詞句なので後にカンマが必要、Because は接続詞でありその後に続く文の一部なので、カンマは要りません。

3) 文字数が指定の語数に達しなかったりオーバーしてしまった場合には、同じ意味を別の言い回しで言い換えたりして工夫する。例えば、上の文ではalways = all the time 、want to = would like to 等。また、I like nature better than big cities. という様に下線部を付け足すとか、very much 等の無くても文が成立することばは無くす、などいろいろと工夫すれば文字数の調整は可能です。練習の際に常に文字数を意識すると良いと思います。マイクロソフト・ワードの文字カウント機能が役に立ちます。(文字数をカウントしたい部分を選択するとその部分の文字数が表示されます。)

【他に予想されるQUESTIONは?】

これまで出題された3級ライティング問題の過去問題においては、そのほとんどのQUESTIONが “Which  ~ ?” の形式でした。ただし、”Where do you ~ ?” の問題も実際に出題されていますし、他に今後予想される問題としては先ほど挙げた “What is your (most) favourite ~ ?” の他に、 “What do you want to do in your free time?” などもあります。一部重複しますが予想されるQUESTIONの例とそれに続く答えとして適切な答え方をいくつか挙げてみますと…。

Which do you like better, summer or winter? —– I like summer better —–

What is your (most) favorite season? —– My (most) favorite season is winter —–

Which season do you like best? —– I like spring best —–

Which do you like better, dogs or cats? —— I like dogs better ——

What is your (most) favorite animal? ——My favorite animal is the dog ——

What kind of sport do you like best? ——I like baseball best ——

What is your (most) favorite sport? ——-My (most) favorite sport is tennis ——

Which do like better, eating out or eating at home? —— I like eating at home better ——-

What kind of fruit do you like best? —— I like oranges best ——

What is your (most) favorite fruit? —— My favorite fruit is orange ——

Which do you prefer, studying in the morning or studying in the evening? —— I prefer studying in the evening ——

What do you want to do in your next summer vacation? —— I want to go to the beach ——

等々いろいろ考えられますね。いずれも大切なのは『答えを一つに限定する。』ということです。例えば『I like summer and winter.』などと答えると少ない字数制限の中で理由をまとめるのが難しくなってきます。出題する側も『答えを一つに限定する。』ことができるよう、”Which ~ ?” の形式を多く出題しているのだと思います。ですからQUESTIONのバリエーションとしては、文法的に少し怪しい(?)と思える What is your most favorite ~?の形も、”most” を付けることによって答えが一つに限定されるという意味で予想問題に入れさせていただきました。

さて、ここまで解説してきましたが、もしかしたら英語力に自信のある方の中には、上記の私の解答例において、“the” や複数形の “s” などに疑問を持たれた方もいらっしゃったのではないでしょうか?ここでは詳しい解説は省きますが、これらのポイントは英語ネイティブの中でも論争となる、突き詰めるとキリがない領域に入ってくるので、この段階ではあまり意識しすぎないようにしましょう。おそらく合否に大きく左右する問題ではないので、それよりも文章全体の構成や動詞まわりの使い方に気を付けた方が良いでしょう。

それでは次に準2級の問題について見ていきましょう!

◆◆◆準2級◆◆◆

準2級のレベル設定としては概ね高校中級程度と言われていますが、日本では仮定法などを除き主要な英文法の知識は全て中学で習得しますので、文法的には中学卒業レベルに達していれば問題ないと思います。ただし語彙力については、多ければ多いほど幅広い内容が的確に表現できるようになりますので、中学英語プラスアルファがあれば当然有利ですね。ただし、受動的な読解問題と違って、発信力を試されるライティング問題においては、いわば自分の土俵で勝負できるので、語彙が少なければ少ないなりに対応できるのではないかと個人的には思っています。

では、準2級の実際の過去問題を挙げて解説していきましょう。準2級の場合、QUESTIONの形式が大きく2パターンに分かれますので、QUESTIONの部分のみ2回分を取り上げ、それぞれのパターンによる答え方の違いも示したいと思います。

——【例題】(2018年の実際の過去問題です。フリガナは省略しています。)—————————–

●あなたは、外国人の友達から以下のQUESTIONをされました。

●QUESTIONについて、あなたの意見とその理由を2つ英文で書きなさい。

●語数の目安は50語~60語です。

●解答は、解答用紙のB面にあるライティング解答欄に書きなさい。なお、解答欄の外に書かれたものは採点されません。

●解答がQUESTIONに対応していないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。QUESTIONをよく読んでから答えてください。

QUESTION (2018年第1回)

Do you think parents should let their children play video games?

QUESTION (2018年第2回)

Do you think it is better for students to study alone or in a group?

————–問題は以上————————————————————————–

まず始めに3級との違いですが、異なる点は3点あります。

  1. QUESTIONの形式が、Do you think ~文(ある見解)~? となっている。これまで実施された準2級ライティング問題の全てがこの形式です。
  2. 3級では『あなたの考え~を書きなさい。』となっているのに対し、準2級では『あなたの意見~を書きなさい。』となっています。単なる考えではなく意見としてより論理的にまとめる必要があるということです。
  3. 語数の目安が3級の25語~35語に対し、準2級では50語~60語に増えています。その分、文の構造も複雑になってくるかと思います。この50語~60語というのは、実際に書いてみるとかなり長いと感じる方が多いのではないでしょうか?

【書き方のコツ その1】

まずは質問 (QUESTION)をしっかりと把握したうえで、1文目を的確に書く!これは3級と同じですが準2級の場合QUESTIONの形式によって書き方は2つに絞られます。

Do you think parents should let their children play video games?  (2018年第1回)

このQUESTIONの形式は、単純なYES/NOクエスチョンですので、答えは、『Yes, I do.』か 『No, I do not.』の2拓となります。バリエイションとしては肯定する場合『Yes, I think so.』とか、より強い肯定感を出す表現の『Yes, I do think so.』とかも考えられますし、『Yes,』を省いて『I think so.』とか『I do think so.』でも構わないと思います。NOの場合も『No, I do not think so.』とか『I do not think so.』でもありですね。いずれにしろその見解に同意するか反対するかを問われています。現実的には、『どちらかわからない。』とか『中間的な意見である。』とか、色々と考えられますが、ここはとりあえず、『YESかNOか』はっきりさせてください。単純明快ですね。

ではもうひとパターンを見てみましょう。

Do you think it is better for students to study alone or in a group? (2018年第2回)

一見こちらもYES/NOクエスチョンに見えますが、実際はWhich is better, ~ or ~ ?の文と同じ様な聞き方をしています。ですから答え方は次の2つです。

  1. I think studying alone is better (for students).
  2. I think studying in a group is better (for students).

*いずれも( )内はあってもなくても良いので、全体の文字数調整につかえると思います。

では次はそれに続く理由2つですね。

【書き方のコツ その2】

理由を2つ、明確に、少しく詳しく説明する。50~60語という単語数に当てはめるためには簡潔過ぎてもいけません。ここが一番英作文能力の試されるポイントだと思います。2つの理由の示し方にもいくつかパターンが考えられます。

  1. 3級の解説に書いたのと同じく、まず、”I have two reasons.” もしくは、”There are two reasons.”と書いて、それに続けて、First,                          .  Second,                         .と、2つの理由を列記するパターン。これでも十分ですね。ただ少し高度な表現としては “First” を “First of all,” に替えたり、”Second,” の部分を、”in addition,”や “in addition to that,” “additionally,”などに替えてもいいですね。
  • もうひとつは、because                          .   Also                          . と2つ理由を続けるパターン。これのバリエイションとしては、”because~” の前1文目の見解で文章を切って、改めて”This is because ~とするとか、  “Also”  の替わりに、前出の”in addition,”や “in addition to that,” “additionally,”を持ってきてもいいですね。
  • 文字数的に余裕があれば、2つの理由を説明した後に、”Therefore (それゆえ) ~ “や”Those are (the reasons) why I think ~(それが私が ~ と思う理由です。 “という表現を持ってきて、最後に結論ぽく冒頭の見解を言いなおすのもありです。より説得力のある文章に見せることが出来ると思います。

では私なりに模範解答を書いてみたいと思います。スペースの都合でそれぞれのQUESTIONについて一つの解答例とします。

【解答例①】 Do you think parents should let their children play video games? 

No, I do not think so. There are two reasons. First of all, children should spend their time on studying, reading books and playing sports with their friends. In addition to that, playing video games are not good for their eyes, ears and brain. Therefore, I think parents should not let their children play video games.(56語)

【解答例②】 Do you think it is better for students to study alone or in a group?

I think studying in a group is better for students. This is because students can be motivated more in their study when they have rivals. In addition to that, they can grow up in the group situation by learning how to communicate with other people. Those are the reasons why I think students had better study in a group. (59語)

*文法解説及び注意点: 

英作文の基本ルールを守るという点は3級と全く同じです。スペース的に具体例は割愛しますが、文法の誤りを完全になくすには、もちろん知識も必要ですし、その上でほぼすべての単語で文法的なチェックを行っていかないといけません。かく言う私も何度もチェックしましたが、これらの文章が完璧に合っているとの確信はいまだ得られていません(笑)。時間を浪費してしまうので完璧を求めすぎてもいけないのだと思います。

【他に予想されるQUESTIONは?】

準2級以上の問題になると、私たちの日常をとりまくあらゆる事象が例題となり得ると思います。3級ももちろんそうなのですが、3級レベルだと言えることが限られてくるので問題もおのずと簡単な内容に限られてきますが、準2級レベル以上だと予想問題や練習問題はいくらでも自分で作れるはずです。ネタも日々の生活を送る上でいくらでも転がっています。問題文を英語で考えること自体が英作文の練習にもなります。私も身の周りの出来事を元にラフに問題を作ってみるとしましょう!

Do you think reading books make people better?

Do you think having insurance is necessary when people drive cars?

Do you think it is better for men to pay full amount when they go to restaurants with women?

Do you think having a pet or pets benefit people’s lives?

Do you think getting up early in the morning is important for people?

Do you think it is necessary for you to make a phone call to say thank you after you get a gift from your friend?

こんな感じで日常の中にいくらでも出題のネタはありますよね。いかがでしょうか?

では、2級以上のライティング問題ではどの様な対策が必要でしょうか?見てみるとしましょう!

◆◆◆2級・準1級・1級◆◆◆

さて、2級以上の3つの級においては、ライティング問題の出題方法はこれまでの3級・準2級と根本から違ってきます。

まずは、実際の過去問題から見てみましょう。

——【例題】(2018年の実際の過去問題です。フリガナは省略しています。)—————————–

【2級】

●以下のTOPICについて、あなたの意見とその理由を2つ書きなさい。

●POINTSは理由を書く際の参考となる観点を示したものです。ただし、これら以外の観点から理由を書いてもかまいません。

●語数の目安は80語~100語です。

●解答は、解答用紙のB面にあるライティング解答欄に書きなさい。なお、解答欄の外に書かれたものは採点されません。

●解答がTOPICに示された問いの答えになっていない場合や、TOPICからずれていると判断された場合は。0点と採点されることがあります。TOPICの内容をよく読んでから答えてください。

TOPIC

Some people say that playing sports helps children become better people. Do you agree with this opinion?

POINTS

Health

Personal interests

Teamwork

—————————————————————————————————————

【準1級】

Write an essay on the given TOPIC.

Use TWO of the POINTS below to support your answer.

Structure: instruction, main body, and conclusion

Suggested length: 120-150 words         

Write your essay in the space provided on Side B of your answer sheet. Any writing outside the space will not be graded.

TOPIC

Should Japan do more to protect its historic sites?

POINTS

Cost

Development

Education

Tourism

【1級】

Write an essay on the given TOPIC.

Give THREE reasons to support your answer.

Structure: instruction, main body, and conclusion

Suggested length: 200-240 words         

Write your essay in the space provided on Side B of your answer sheet. Any writing outside the space will not be graded.

TOPIC

Is a worldwide ban on weapons of mass destruction an attainable goal?

————–問題は以上————————————————————————–

さて、2級・準1級・1級の過去問題を続けて紹介させていただきましたがいかがでしょうか?

上位になればなるほど指定文字数が増え、色々な制限が外れ自由度が高くなるということがお分かりいただけたことと思います。ただいずれも共通しているのは、与えられたTOPICに対して自分の意見を論理的整合性を持った文章にまとめる必要があるということです。

2級では準2級に似たようなDo you agree ~ ? というようなYES/NOクエスチョンも出題されるのですが、根本から違うのが80語~100語という指定語数です。この語数を満たして論理的整合性のある文章を書こうとすると、かなり高度な文章力、表現の多様性、緻密な論理展開が必要になってきます。2つの理由も単に2つ挙げるだけではなく、それらの関連性や順序も考えた方がいいですし、最終的なまとめとなる、いわゆる結論的なパートも必要になってくると思います。

準1級・1級になればさらに高度な文章を書かねばならず、『エッセイ』というと何となく軽い文章という印象ですが、扱われるテーマは政治・経済・社会・科学などかなりシリアスですし、これはもう一つの『論説文』ととらえた方がいいと思います。

いかがでしょうか?初めてご覧になった方は結構なハードルだと思われたのではないのでしょうか?

しかし、考えてみればそれも無理はありません。

何しろ、この1問だけで英検1次試験全体の3分の1の点数が獲得できる のです。

当然それ相応の知識と準備が必要となってきます。そしてこれらの級を受けられる方であれば、既にある程度のレベルまで達していらっしゃるでしょうから、自分に何が足りないかもお分かりではないかと思います。私自身もその一人だと思います。(実際私の現在のレベルでは1級に合格できるか定かではありません。ちなみに直近の私のTOEICスコアは935です。)

私なりに足りないものがあるとすれば、語彙力と英作文の練習量ではないかと思います。語彙力を増やすには新聞やニュースをもっと読まねばなりませんし、そもそも普段の生活でメールやSNS程度以上のちゃんとした英語の文を書くという経験がそれほど多くありませんので、かなり特化した英作文練習が必要だと感じています。

そしてこれはおそらく、このレベルを目指す多くの皆さんに言えることではないかと思います。

しかし英検上位級を目指す方であれば、これらの努力が英検合格という目標達成以外にも、必ずやご自身のキャリアアップ、能力アップにつながってくると思います。これは絶対に間違いありません!!

では次に、英検ライティング問題の攻略本について触れさせていただきます。

6. 英検ライティング問題の攻略本はこれで!

まず最初に申し上げたいのは、英語に限らず語学の上達に必要なのは、

文法知識の習得・リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの総合的な学習

だと思います。これら全てがお互いに関連しあって上達していくものです。この中でリスニングとスピーキングに関しては、別途特別なトレーニングが必要になってくると思いますが、文法知識の習得・リーディング・ライティング の3分野は絶対に切り離せないと思います。

そういった意味で皆さんにオススメしたい英検ライティング問題の攻略本は、

それぞれの級別に編成された『1次試験の総合対策本』、『過去問題集』、『単語熟語集』、『予想問題集』、この4点セットです!!!

どうでしょう。当たり前すぎますか?でも王道を行くのが一番なんです。お近くの書店や通販サイトなので大手出版社から出ている、多く売れているものをお手に取ったりしてみて、ご自分のピンときたものを選べばいいと思います。

でも皆さんがもし悩んだら、私は旺文社から発売されているものをおススメします。前述しましたが、英検(正式名称『実用英語技能検定』)は旺文社の外郭団体から生まれた検定です。当然人材の行き来や情報の共有もある程度なされているでしょう。あくまでも私見ですが…。

そして同時に重要なのが、普段の生活から、英語を大量に受信し、発信するということです。そのツールとして最も便利なのがインターネット、特にGoogle検索だと思います。既に皆さんの多くがされていると思いますが、『これって英語でどういうのかな?』と疑問に思ったらすぐにGoogle検索をすればすぐに答えが見つかります。もちろん言語にはいろんな表現がありますから、答えはひとつではありません。その中で自分にあった表現を見つけるというのも大変勉強になることです。

もうひとつ欠かせないのが『辞書』です。これは紙の辞書でも電子辞書でもインターネットの辞書サイトでも構いません。

これらを駆使して日々の疑問をそのままにせず、常に答えを追い求める姿勢を忘れないでください!!!

まとめ!!!

さてここまで長々と書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか?

実は編集部からは7500語という指定で依頼されたのですが、大幅にオーバーして13000語以上となってしまいました。私自身、英検について最近の改定のことなど今回いろいろとリサーチさせていただいたことで大きな発見もあり大変勉強になりました。

語学に限らないことかもしれませんが、多くの学習には終わりはありません。皆さんが、これからも小さな目標をひとつづつクリアして行って、より大きな目標にたどり着けることをお祈りしております。

またいろいろな機会に皆さんのお役に立てるよう、私自身も日々精進を続けたいと思っております。

ご精読ありがとうございました!!!

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