英語のリスニングの勉強法!完璧に聞き取り理解できる方法を徹底解説
リスニングがあまり得意ではありませんか?
確かに英文法やリーディングは、勉強量に比例して学力が上がっていきやすいですが、リスニングはなかなか「学力が上がった」という手応えがない分野です。だから「具体的にどのように勉強すればいいか分からない」という人がたくさんいます。
今回はリスニングに行き詰まりを感じている人のために、「勉強量がリスニング力にしっかり直結する」取り組み方をご紹介します。
リスニングとは一体どのようなものかということをしっかり理解する。
勉強法を理解する前に、まずは私たちがリスニングをしている時のメカニズムを細かいプロセスに分けて考えていきましょう。
「リスニング」は「リーディング」と何が違うのか。
まずリーディングとの違いをはっきりさせておきましょう。
「聞く」という作業は、まず聴覚が音を認識し、それを英文として認識し、意味内容を理解する、という流れで情報を把握しています。リーディングは視覚で英語の情報を認識し、それから意味を理解し、情報を把握しています。
「視覚」で英語の情報を認識するのは簡単。「apple」と書かれていれば、これを間違えて認識してしまうことはほぼないでしょう。それに認識するまで、自分のペースでじっくりと時間を使うこともできます。
それに比べると「聴覚」で「apple」を認識するのは難しいことです。「エアポー」のように聞こえて、それを「apple」に変換できる知識が必要だからです。またうっかり聞き逃してしまうと、もう一度あらためて聞き直すことができません。「apple」が「りんご」という意味だとわかっていても、結局情報が把握できなくなってしまうのです。
つまり聞き取りの力がついていないせいでリスニングが苦手な場合と、単純に単語の意味といった知識がなくて苦手な場合があるわけです。
どのようなことをすればよいか
上記を踏まえて、どのようにリスニング力を高めていけばよいのでしょうか。
それは「英語の音声を聞いて、そこからどのように単語が構成されているか」が認識できる力をつけることです。「apple」と聞いて「apple」と把握できること。これが「聞き取り」です。「apple」が「りんご」という意味であると理解することは、それはまた別種の勉強です。(こちらのプロセスは便宜上ここでは「内容理解」と呼ぶことにします。)結局のところ、「聞き取り」と「内容理解」の2つを一度に行おうとしているせいで、なかなかリスニング力が上がらないのです。
一口にリスニングと言ってもこの2つの過程を経て行われているということを踏まえ、それを分けて練習することが大切です。車の運転も、いきなり車を走らせようとしたら大変です。まずはアクセルの踏み方だけを繰り返し練習を積み、それから続いてハンドル操作だけを練習し、という形で分類して一つ一つ習得し、最終的に総合させることが近道です。リスニングも同じように、まずは「聞き取り」という一つの技術だけに集中して勉強を進めていくのがコツなのです。
英語の「聞き取り」の力をつけるための準備
具体的にどのように「聞き取り」の力を上げていけばよいかの前に、まず準備が大切です。シャドーイングができるようになることが理想ですが、まずは簡単なディクテーションや聞き読みなどでもよいでしょう。
シャドーイングという技術を習得
まずシャドーイングをまったく知らない人は、その技術を身に付けましょう。
英文が流れてきた中でどの部分が聞き取れていてどの部分が聞き取れていないかを明確にするためには、シャドーイングという少し遅れたタイミングで英文を繰り返す方法が有効です。しかしそもそも「シャドーイング」という勉強法自体にある程度慣れが必要で、基本的にまだシャドーイングなどをしたことがない人はその技術を勉強する必要があります
シャドーイングの方法についてゼロから丁寧に説明している教材などもあるので、適宜活用しましょう。
ディクテーションという技術を習得
音声を手で書き取っていく勉強法がディクテーションです。こちらの方がシャドーイングよりもとっつきやすくどの部分が聞き取れていないかが特定できます。しかしながら少し時間がかかりすぎてしまうという難点があります。シャドーイングがまだ苦手なうちはこちらの方法でゆっくり進めていくと良いでしょう。
「聞き読み」というトレーニング方法も
シャドーイングやディクテーションの他に、「聞き読み」という方法もあります。これは単に、音声を聞きながらスクリプトを読んでいく方法。どうしても英語のペースに追いつけない時や、ディクテーションシャドーイングに疲れた時はこれでも英語の語順通りに読み下して理解していくと言うことが身につくのでおすすめです。流れる音声に導いてもらうようなイメージで英語を理解していくとよいでしょう。
リスニングのトレーニングにおすすめの教材を準備
リスニングにおすすめの教材の選び方はまず必須条件として「スクリプトがあるもの」です。ニュース素材も最近はスクリプトを別ページで公開してくれているケースが増えています。「TED」や「CNNstudent」もスクリプトを見ることができます。スクリプトがない限り聞き取りができていない場所はどこかが特定できません。
難易度はそれほど難しくない、ちょうどいいものにしましょう。8割方わかる程度の適度な負荷がかかっている教材が一番効率いいです。自分のレベルがそもそもわからないという場合は英検の問題集がおすすめです。英検は級ごとにレベルが分かれているので難易度がはっきりと分かりやすいからです。
英語の「聞き取り」の力をつけるステップ
以上の準備が整ったら、具体的にリスニングの勉強を行っていくステップをご紹介していきます。
ステップその1:どこが聞き取れていないかはっきりさせる
シャドーイングやディクテーションを「聞き取り」の力を上げるために活用していきます。
まずリスニング教材や、TOEICの過去問を使ってシャドーイングをしていきます。再生を止めながらでもいいので、耳で聞きながら口で続けて言ってみます
ステップその2:聞き取りができない原因を明確にする
続いて実際に英文のスクリプトを見て答え合わせをしてみて、「どうしてその部分が聞き取れなかったか」という原因をはっきりとさせます。
聞き取れない原因はまず1つ目は「それが知らない単語だったから」。単語をそもそも知らないならば聞き取ることは不可能です。これはある種仕方がないことであり、その単語をまた新しく覚えればいいでしょう。
2つ目は、具体的には「音がつながっていたから」です。例えば”have a lot of”などです。中学レベルの基本単語しか使われてはいませんが、基本的であるがゆえに、外国人はこれらの言葉をまるでひとつの単語のように発音することがあります。このような音のつながりと繋がった時の音を聞き取れないケースがよくあります。
ステップその3:シャドーイングできるまで繰り返す
ここまで原因が分析できれば後は、それをしっかり知識として覚え、シャドーイングできるようになるまで繰り返します。また1週間後や1ヶ月後にあらためて繰り返せるようにメモを取っておきます。
個別的にこのシャドーイングをその場で何回も繰り返し、その音声に自分の発音を近づけていくようにしていきましょう。正しい音を自分に染み込ませるようにすることで次に同じ音に出会った時その音を聞き分けられるようになります。これで同じミスを2回繰り返さないようにしていけば、たとえわずかではあっても「リスニング力が向上した」と確実に言えます。
リスニングは地道に!
今回は、完璧に聞き取りができるための方法をご紹介してきました。
英語を聞き取れなかった場合には必ずその原因があります。その原因を一つ一つはっきりさせ、それを覚えることで、次第に聞き取れる英語が増えて徐々に得意になっていきます。
「ただ聞き流しているだけでリスニング力がつく」といった教材もありますが、それでは聞き取れなかったものが結局ほったらかしにされているままなので実力は思うようにつきません。
かなり地道で一歩一歩やっていかなければいけないようにも見えますが、実はこの方法が確実で一番早いのです。なぜ聞き取れなかったかという原因究明を怠らずに行っていくようにしましょう。