TOEIC700点徹底攻略
TOEICを受けてみたけど、600点止まりだった…英検2級を持っているけど700点は狙える?など、TOEICに関する英語学習者の悩みは尽きないもの。
今回は、TOEIC700点を取りたい!と考えている方必見の、徹底攻略をご紹介します。
TOEIC700点とは?
これまでTOEICを受けたことのある人は、自分のスコアと比較して、700点がどの程度のレベルであるのか、おおよそ検討がつきますよね。
初めてTOEICを受ける人は、700点というスコアレベルが漠然としかイメージできていないかもしれません。
山を登るのであれば、まずその山がどのような高さであるのか知っておくことで、攻略できますよ。
TOEIC700点、英検では何級?
日本人が多く受検する英語能力検定として有名なのは、英検でしょう。
英語塾や学習塾、進学校などで受検を勧められたことのある人や、実際に受検したことのある人は多くいます。
英検は、5級から1級まであり、スピーキングテストという面接もあることから、TOEICとは受検形式が異なります。
しかし、一概に英検何級はTOEIC何点、と言い切ることはできないにせよ、同じ英語能力検定として、だいたいこれくらいのレベル、と比較することはできるでしょう。
英検を持っている場合、自分がTOEICでどれくらいのスコアになるか把握することで、目標点数を決めて勉強することをお勧めします。
それでは、気になるTOEIC700点は英検では?
TOEIC700点は、英検準1級程度になります。
英検2級はTOEICでは、530点程度とされていますから、2級を持っている人は、700点を目指して勉強することで効率良くスコアを上げることができるでしょう。
また、英検2級でも、合格するかどうかヒヤヒヤで運よく合格した!と自覚している人は、TOEIC600点を目指して勉強することをお勧めします。
自分に合った目標スコアを設定する
TOEIC700点を目指す徹底攻略で、なぜ、TOEIC700点のレベルや、英検との比較を行ったかといえば、自分に合わないスコアを目標として遠回りしているTOEIC学習者がとても多いからです。
TOEIC700点が取りたい!という人で、既に600点を持っている、という人はここを飛ばしてよいのですが、もしまだTOEICのスコアがない、600点に届いていない、という人がいれば、あなたが目指している700点が本当に最適な目標スコアなのか、一度見直してみてください。
まず、TOEICは600点までは基礎固めと考えられます。
英検2級が530点前後、とされていることからも、それは証明されているといえるでしょう。
会話をするための単語力が身に付き、高校卒業程度の文法が理解でき、使いこなせている状態が600点程度です。
そのレベルに達していない場合、高い山を目指す!と700点や800点など高スコアを目指して勉強しても、効果は半減してしまいます。
まずは600点をしっかりクリアすることが先決です。
たとえば、どんなに難しい単語をひたすら覚えても、文法が分かっていなければ正しい解答を導くことができません。
TOEICは英検と異なり、すべてのレベルの人が同じ問題を解きます。
990点の満点レベルの人が知りうる単語に、600点レベルの人が出くわすのです。
ですから、まず自分の立ち位置をしっかりと把握し、その上で適切な目標スコアを決めることで、自分が今覚えるべき単語なども分かってきます。
急がば回れ、ということわざは、TOEICにも有効です。
700点を目標スコアにするのであれば、600点は先にクリアしておきましょう。
TOEIC700点の実際のレベルとは?
TOEICは、リスニングとリーディング、2つのパートから成り立っています。
700点ということは、それぞれがだいたい350点程度とれていることになります。
それでは、700点が取れる、ということは、実際にどの程度の英語レベルなのかご紹介しますね。
リスニングが350点程度とれるということは、聞き取った英語を、そのまま英語で理解できています。
そのため、流れにのって理解でき、ある程度の速い会話も聞き取ることが可能。
ビジネス会話でも、8割方理解することができます。
マンツーマンでの会話の場合、相手の意図することが理解できなくても、なぜ?というように質問しながらコミュニケーションをとることができますから、意思疎通に問題はないでしょう。
ただし、とても流暢なネイティブ同士の会話の中に混ざって話すことや、ネイティブ向けニュースに付いていくのは難しいレベルです。
相手が、ある程度ノンネイティブであると理解して会話をしてもらえることで、コミュニケーションが成立すると考えられます。
続いてリーディングパートです。
350点取れているということは、高校卒業程度の文法はしっかりと身についていて、仮定法や丁寧な表現であるCouldやWouldも適材適所で使うことができます。
英文を読む際にも、単語などが分かっている分野であれば読み解くことができるでしょう。
しかし、これまであまり触れたことのない分野では、単語はもちろん文法の理解の甘さもあり、読み解くのが難しく、適切な解釈ができない場合もあります。
ビジネス面では、その分野の勉強を行っていくことで理解が深まっていますから、英文も比較的読みやすく、業務は行えると考えられます。
TOEIC700点を取るために
TOEIC700点のレベルが把握できたところで、実際に700点をとるためにはどのような勉強が必要なのかご紹介していきます。
TOEIC700点徹底攻略:語彙力強化
TOEIC700点をとるためには、それに見合った語彙力を強化するのが先決です。
英検2級が、TOEIC530点前後であるということはご紹介しましたが、準1級の単語を見たことがありますか?
英検2級に合格し、学習意欲のある人が「次は準1級を目標にしよう!」と息巻いて本屋に行き、単語帳を見て購入せずに諦めて帰ってきた、という話はよく耳にするものです。
英検を、4級や3級から受検し続けてきた人にとって、次はどんなレベルの単語が出るのかな?と、ちょっとわくわくして目標となる単語帳を買いにいく経験はあるでしょう。
しかし、2級から準1級というのは、単語のレベルがグンとあがり、単語数もかなり増えるのです。
2級から先の壁、というのが存在するのですが、それはTOEICも同様です。
600点レベルであれば、学校でもお馴染みの単語も多く、覚えなおすことや、使い方を理解することである程度クリアできていたものが、それ以上になると、全く知らない単語が出てくることも多い苦労します。
ですが、やはり何をおいても語彙力、単語の強化からスタートするのが先決であると言えます。
単語が分かっていれば、解ける問題は大幅に増えますから、諦めずにチャレンジしましょう。
TOEICの単語帳としてお勧めなのが、通称「金フレ」と呼ばれるものです。
TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)
もし、600点をクリアする際にこの単語帳を使っていない場合は、まず600点レベル、助走の400語からスタートし、身についていない単語がないか、足場固めをしてください。
700点を目標スコアとするのであれば、730点レベル、加速の300語に取り組むとよいでしょう。
この単語帳は、その先、860点レベル、飛躍の200語、990点レベル、頂点の100語まで収録されています。
990点というのは、満点ですからTOEICを制覇するまで使える単語帳です。
無料音声もありますので、耳からも覚えられ重宝します。
通勤、通学の時間を利用したり、ジムでのトレーニングタイムでも単語勉強ができます。
700点を目指すレベルで、持っておくとよい単語帳ですよ。
TOEIC700点徹底攻略:文法の抜けを無くす
TOEIC600点程度取れているのであれば、文法は身についているでしょう。
しかし、そこから上のスコアを目指すには、文法の抜けや弱点を無くす勉強が必要になります。
単語の増強を図ったら、文法の抜けを無くすことでスコアを上げることができます。
お勧めの問題集はこちらです。
高校 英文法を ひとつひとつわかりやすく。
簡単すぎる、と思う方もいるかもしれませんが、1周で終わらせることなく、できれば2周から3周してみましょう。
また、この部分がイマイチ理解しきれていない、という項目があれば、チェックしておき、何度かこなすとよいですね。
TOEIC700点徹底攻略:リスニング対策
日本人は、リーディングは得意だがリスニングが苦手だ、というのは良く聞く意見ですよね。
TOEICのリスニングは、リーディングに比べ単語もそれほど難しいものが出るわけでもないのに、リスニングのスコアが上がらないという人もいるでしょう。
問題集をたくさんこなしているけれども、リーディングのように出来るようにならない…そのような悩みを抱えている人は、ぜひ「ディクテーション」を試してみてください。
ディクテーションは、通訳士やそれを目指す人も英語能力をアップさせるために取り入れている、リスニング力を飛躍的に上げてくれるトレーニング方法です。
リスニングで聞いた音声を書きとるという、とても単純な作業ですが、これがリスニングにとても効果があります。
リスニングが苦手、という人は、英語をなんとなく聞いている可能性があります。
英語耳がしっかりできていれば、なんとなくでも理解できるのですが、残念ながらTOEIC600点や700点程度では、なんとなく聞いていて理解できる耳は育っていません。
意識的に英語を聞き取ることが必要となります。
ディクテーションの効果的なやり方
ディクテーションの効果的なトレーニング方法をご紹介します。
やってみたけど、効果が感じられなかった、という人は、もしかするとやり方が良くなかったからかもしれません。
一度、自分が行った方法と照らし合わせて、異なっていた部分があれば、もう一度チャレンジしてみてくださいね。
1.まず一度聞いてみる
ディクテーションする音声を、まずは一度聞いてみます。
TOEIC対策で行うのであれば、パート3やパート4の音声を使うのも実践的でお勧めです。
ここでは、細かい部分は聞き取れなくても構いません。
たとえば、旅行について話しているようだ、社内の問題点について会議室で話しているようだ、など大雑把に話の内容がイメージできればよいでしょう。
2.紙を準備して聞く
ここからが本番になります。
音声を聞いて、聞き取れた単語を書いていきます。
最初は、スキマだらけかもしれませんが、スキマを作りながら書いていきましょう。
長文は負担となることがありますから、文単位で区切って行うのも挫折しにくくお勧めです。
あまりに分からなくて、嫌になる人もいますが、最初はみんなこんなものです。
自分のふがいなさを責めずに、「きっと、みんなこんなもの」と気楽に構えておこなってください。
すべての文を聞き終わった所で、スキマ部分について考えてみましょう。
ここはきっと動詞が入るはず、疑問詞が聞き取れていない、このあたりが早口で分からなかったから熟語かな?など、想像がつく場所が多いはずです。
実はこの作業は、リスニングにも必要ですが英語能力全体を底上げすることもできます。
文法力がついていれば、分かる所もたくさんありますよね。
また、あの単語だったのかな?でも発音がちょっと違ったような?など、単語力が身についていれば、迷うものもあるでしょう。
この時間は無駄ではありませんから、英語の総合力を総動員して、考えつくしてみてください。
3.何度も聞く
スキマだらけの文章を、何度も聞いて埋めていきます。
これこそが、ディクテーションの真骨頂です。
繰り返し繰り返し集中して聞くことで、耳を鍛えていきます。
aやtheなどは、本当に小さく発音され、聞き逃してしまうこともありますが、それさえも聞き逃さないよう注意して聞き取ってください。
何度繰り返して聞けばよいのか?と質問を受けることがありますが、「何回」という答えはありません。
あなた自身が、もうこれ以上聞いても聞き取れない、と感じるまで行いましょう。
4.解答を見る
今の自分の限界まで聞き取ったら、答え合わせをします。
解答を見て、自分の書きとった英文と比べてみましょう。
赤ペンで、自分の聞きとれなかった部分を書き込み、間違っている部分は縦棒で消して、正しいものを書きます。
消しゴムで消さずにいる方がよいです。
もう一度、音声を聞いた時に、何と間違って聞き取ってしまったのか、目で見て理解しやすいからです。
また、赤ペンで書いておけば、聞き取れなかった単語が一目瞭然ですよね。
もし、知らなかった単語があれば、ここで身に付けてしまいましょう。
単語は知っていても、発音が正しく覚えられていなかったために、書きとれなかった可能性もありますね。
連語は、リスニングが苦手な人が聞き取れないと感じるものです。
もう一度、音声を聞きながら、この連語でこのように発音する、ということを頭でも理解しておきましょう。
内容が理解できなかった文があれば、日本語訳を読み、文法や解釈の仕方も完全に理解してください。
5.音読
仕上げに行うのは、音読です。
慣れている場合は、シャドーイングやオーバーラッピングを行いますが、リスニングが苦手と感じている場合は、自分のペースでできる音読がお勧めです。
まずは音読をして、正しい発音を確認しましょう。
音読を数回して、納得できたら、シャドーイングをすることで、発音をさらに真似しやすくなります。
英語のリズムも感じやすく、リスニングに役立ちます。
6.音声を聞く
最後に、音声を聞きなおしてみましょう。
最初に聞いた時に比べ、鮮明に聞こえてくるはずです。
細かい部分まで気を付けて聞くこと、そして内容を把握し、正しい発音を身に付けることで、同じ英文でも聞こえ方が異なってきます。
少しだけでもいいので、自分に自信がつくとよいですね。
こうした成功体験があれば、ディクテーションの練習を続けていくことができ、リスニング能力はもちろん、英語の総合力を上げることができるでしょう。
ディクテーションを続けていきたい!と考えるのであれば、パソコンやアプリなどの使用も検討することをお勧めします。
音声をいちいち止める必要もなく、ディクテーションの練習のみに集中することができます。
また、パソコンで英文を打つことに慣れておくと、もしTOEFLなどを受けることになった時にも、英文のタイピング能力で遅れをとることがありません。
TOEIC700点徹底攻略:長文対策
TOEICのパート7は長文問題です。
それまでリーディングは、単語力と文法力でどうにかなったけれども、長文となると解ききれない、時間が足りない、という人も多いですね。
実は長文に悩むのは700点を目指す人に多い特徴でもあります。
700点を取って、それ以上を目指すレベルになると、長文の解釈に悩む人はグンと減ります。
つまり、長文が上手に読めることは700点を目指す上で必要であり、ここで身に付けておくと、その先が明るくなる、とも言えます。
長文を読む際、速読できると時間短縮になりますよね。
どうすれば速読できるかといえば、文章を見てザッと内容を把握すればよいのです。
長文問題で時間が足りないという人は、一つ一つの単語を吟味し読んでいる可能性があります。
たとえば、音読していたら時間切れになるのは目にみています。
また、読む際に気を付けたいこともあります。
それは、英語を英語のまま理解すること。
よく、英語を読んで日本語に訳している人がいますが、これは倍時間がかかると思ってください。
リスニングにも良い影響がありません。
英語を読んで、英語のままイメージできるよう、簡単な文からトレーニングし直しましょう。
また、返り読みしないことも大切です。
英語と日本語では語順が異なりますよね。
それが、日本人が英語が苦手と感じる要因のひとつでもあります。
しかし、いちいち返っていては、大きなタイムロスになります。
文頭から読んでいき、理解できるようにするためには、スラッシュリーディングもお勧めします。
前置詞や接続詞の前、関係代名詞、that節の前などでスラッシュを入れることで、返り読みを防ぎ内容を把握しながら読み進めていくことができます。
また、精読をやったことのない方は、700点を目指すこのレベルで一度行ってみてください。
読めなかった英文を読めるようにする、というのが精読の目的です。
精読の簡単なやり方をご紹介しておきます。
まず、辞書は使わずに長文を読んでいきます。
何回読んでも構いません。
何度も読んでいくうちに、解釈できる英文もあるでしょう。
もうこれ以上は読んでも深く理解できない、単語自体がどうしても分からない、となったら、次は辞書を使って読んでいきます。
単語には、いくつもの意味があり、品詞もありますよね。
それらも理解しながら、適切なものを選んでいきます。
また、文法が分からない部分があれば、その部分の文法書の項目をチェックし演習問題をさらっておきましょう。
次に、日本語訳を見ていきます。
自分が理解した英文解釈で合っていましたか?
自分のレベルより難しい英文を選んでいた場合には、トンチンカンな解釈をしていることもあるでしょう。
日本語訳のみで、解説のないテキストであれば、精読用の問題集を使うのもよいでしょう。
解説が丁寧であれば、自分で学習を進めていきます。
ある程度のレベルであれば、英字新聞や洋書などを精読用に使用してもよいのですが、700点を目標とするレベルであれば、精読用のものを用いる方が理解が深まります。
解きまくれ!リーディングドリルTOEIC TEST Part 7
上記のドリルは、TOEICパート7向けです。
精読としても使用できるでしょう。
精読で、きちんと英文が読めるようになったら、目で見て、その文に何が書かれているのか理解できる能力を鍛えましょう。
そのためには、やはり多読がお勧めです。
日本語も素早く読むことができますが、それはこれまでにたくさん日本語を読んできたからです。
読めば読むだけ速くなります。
多読は700点以上、満点を目指していく上でも効果的な方法です。
英語を英語として理解してはやく読んでいくためにも、ぜひ取り入れてください。
TOEIC700点を取るために必要なこと
TOEIC700点を取るための方法をご紹介しました。
単語力強化、文法の弱点を無くす、という具体的なことを済ませたら、リスニング、リーディングで苦手な部分を改善していきましょう。
どちらも、700点レベルで改善しておけば、その先も進みやすくなります。
リスニングは、ディクテーションを丁寧に行うことで、聞き取りはもちろん、英語の総合力アップにつなげることができます。
リーディングは、精読で英文をきちんと理解すること、英語を英語のまま読むこと、返り読みをしないことがポイントです。
600点までは、このあたりがあやふやでも取れましたが、700点に到達するためには洗い直しておくことが先決です。
また、精読がきちんとできたら、多読も取り入れてください。
TOEICの対策問題集はもちろん行う場合でも、多読については後回しになる英語学習者が多いです。
本物の英語能力を高める上でも、多読を取り入れ、700点をしっかりとゲットしてくださいね。