TOEIC 500点 勉強法

TOEIC500点を取る勉強法と対策

今回は「TOEICテストで500点を取る」という目標を持つ方に、難易度やテスト対策や勉強法、参考書についてご説明します。

TOEIC500点は、英語初心者の「最初の壁」と言えるでしょう。しかしながら、600~800点の対策はよくあっても、この点数を目指す対策は、本などにあまり書かれていません。500点の難易度を把握し、テストへの取り組み方、学習方法を理解すれば、目標を達成できる道筋が見えてくるはずです。

ぜひ参考にし、あなたが目標を達成しているイメージをしっかりと作ってください。

TOEIC500点はどれくらい難しいのか?

まずは「敵」を知るためにも、TOEIC500点がどれくらいの難易度か、ということをさまざまな角度から把握しましょう。

中級の入り口

「500点」と言うとなんだかかなり高得点にも見えますが、マークシート式であることを考えるとそれほど難しい点数ではありません。勘に頼ってテストを受けても300点くらいは取れてしまうからです。要するに500点というと100点~200点くらいを、勘に頼らずに本当の実力で取る点数なのです。

最初の目標としてはちょうど手頃なハードルでしょう。基礎から抜け出してTOEIC中級の入り口のような場所が500点です。

500点は、日本人の平均スコアより少し下

TOEICはリスニングとリーディングの2つのテストで構成されており、合格や不合格はなく最低スコア10点、最高スコア990点に設定されています。

日本人の平均スコアは大体580点前後です。そこから考えると500点は、その平均よりもちょっと下。したがって英語の初級レベル、英語力の土台が出来つつあるレベル、基礎的な単語や文法ならしっかり覚えている、というレベルです。

TOEICの点数と実際の実力

TOEICは点数でランク分けされていて、それぞれその評価が決まっています。

出典)PROFICIENCY SCALE

http://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/lr/search_daigakuin/pdf/proficiency.pdf

まずEランクが215点以下で「コミュニケーションがまったくできない状態」。Dランクが220点以上で「通常の会話の最低限のコミュニケーションができるレベル」。Cランクが470点以上で、「日常生活のニーズを充足し、ある程度決まった範囲内では、業務などでも会話ができる」というレベルです。500点というとこのCランクです。生活としては標識が読める、挨拶や買い物ができるというレベルです。

ちなみに730点以上になればBランク、「いかなる場面でも的確なコミュニケーションができる」とされ、860点以上が最高のAランクで「ネイティブではないながら、確実なコミュニケーションができる」とされています。

必要な学習時間はどれくらいか?

500点は平均より下なので、きちんと勉強時間を確保するだけで取得することができます。

もしTOEIC未経験で今350点程度ならば、500点には、あと400時間ぐらいの学習時間が必要です。今450点ならばあと大体180時間ぐらいの勉強で達成できると言われています。

平日に毎日1時間、休日5時間勉強すれば、一週間で15時間。順調に進めば約3ヶ月でキャッチアップできる点数です。

TOEICで500点を効率的に達成するための「リスニングパート」の取り組み方

あなたがもし「一生懸命勉強しているけれども500点にいかない」ということならば、それはテストの取り組み方にも問題があるかもしれません。

TOEICはテストに傾向があるので、しっかり対策をするだけでもかなり点数が取れるようになります。TOEICの傾向をしっかりと理解して、できるだけ早い段階で目標を達成しましょう。

まずはリスニングパートから、500点という目標を達成するための対策を見ていきましょう。

TOEIC500点を達成するためのリスニング対策①:「パート1」の対策

TOEICは問題がパート7まであり、最初のパート1からパート4までが、リスニング問題です。

パート1は写真描写問題で6問。問題用紙に写真が記載されていて、英文が3つ読まれます。その写真の内容に見合っている表現を選ぶ問題となります。

TOEICで一番優しいパートで、500点を目指すならば、ここを確実に取り切れるかが鍵になります。

写真の内容は人物の写真や、乗り物、風景の写真です。使われる英文は「主語・動詞・目的語」という「何がどうした」というシンプルな文型で構成されていますので、集中力を切らさなければ聞き取りやすいはずです。テスト開始直後に、集中力を高められるかが鍵です。

まだ完璧な聞き取りができなくても、前半の主語の部分だけでも選択肢はある程度絞れるので、しっかりと前半を聞き逃さないように気を付けておきましょう。

TOEIC500点を達成するためのリスニング対策②:「パート2」の対策

パート2は短い応答の英文を聞いた後に、最適な返答を一つ選ぶ問題です。ここもそれほど難しくはないので、ぜひ確実に取りたいところです。

パート2で点数を取るのは、実はテクニックがあります。

質問文で使われている単語と、選択肢の方に使われている単語が同じものがあれば、その選択肢はほぼ不正解になるというものです。たとえば読み上げられている英文の中に「office」という単語が含まれているとします。そして返答文の選択肢でも「office」が含まれていれば、その選択肢は高い確率で「間違い」であることがほとんどです。同じ単語が使われていると、返答として正しいように見えますから、そこを突いたひっかけ問題です。

また、厳密に「office」ではなくても、「office」に似た発音の単語の場合も、高い確率で不正解です。

このテクニックだけで選択肢をある程度絞れるので、正解の確率が上がります。とはいえ「知っている」のと「できる」のとでは違います。過去問や模試の問題集を繰り返して、このテクニックを本番でも使えるようにしておきましょう。

TOEIC500点を達成するためのリスニング対策③:「パート3」「パート4」の対策

パート3とパート4は本格的なリスニング問題になります。

パート3は会話文、パート4は説明文という違いはありますが、どちらも30秒から60秒ほどのかなり長い英文を聞いた上で、その内容に関して3つの設問と最適な答えを選ぶというものです。ここはパート1と2より難易度が上がります。

500点を目指す人がやるべきなのは、「完璧を目指さない」ことです。確実に「取れるところを取る」ことを心がけて取り組むのがコツ。全問正解を目指して「あれもこれも」になると、余計点数が取れなくなります。

コツは「最初の1問目だけ狙って、残りは捨てる」です。

最初の設問は、流れる音声の最初の方に出てきた箇所に該当する設問です。次の設問は音声の中盤あたりで出てきた部分に該当する質問であり、さらにその次の設問は音声の最後の方に出てきた英文に関する設問です。設問の順番と、音声の順番が対応しています。

この傾向を踏まえ、各英文の1問目だけを狙うという方法があります。音声が流れ始めた序盤の部分に集中力を高めるのです。そうすれば長文であっても、所詮は短文と捉えられるのです。慣れてきたら2問目も狙い、思い切って3問目を捨ててしまう方法もありです。

また問題用紙に、各設問の選択肢がありますので、先読みしておくと正答率があがります。3問全部を解いて先読みをするのは、500点レベルではかなり難易度が高いですが、全問を目指さず「半分正解すればいい」くらいの感覚で取り組むならば不可能ではありません。1問目を確実に取る、2問目はできれば正解を目指す。そして3問目は、次の問題の1問目の選択肢を先読みする時間に充てる戦略です。

TOEICで500点を効率的に達成するためのリーディングパートの取り組み方

リーディングパートはパート5からパート7まで3つのパートで構成されています。パート5は短文穴埋め問題、6は長文穴埋め問題、7が長文読解問題です。こちらも対策を1つずつ見ていきましょう。

TOEICの500点を達成するためのリーディングの勉強法その①:「パート5」の対策

パート5は、品詞や代名詞などを選び、短文の穴埋めをしていく問題です。英語のセンテンスの空白部分に文法的に最適な選択肢や、意味的に最適な選択肢を入れる形です。

500点を目指す人にも、比較的解きやすいパート。重点的に対策をするだけで高得点が狙えるようになります。

特に解きやすいのは、「品詞問題」と「人称代名詞問題」です。名詞か形容詞か副詞どれが最適なのかを選ぶのが「品詞問題」。所有格、主格などを選ぶのが「人称代名詞問題」です。とても解きやすいので、TOEICの問題集でしっかりと繰り返して練習することで500点に近づきます。

高得点を狙う人はここをできるだけ時間をかけずに解くように練習しますが、500点を目指す人は、パート5を丁寧に解いて、確実に得点にしましょう。

TOEICの500点を達成するためのリーディングの勉強法その②:「パート6」の対策

パート6は長文の穴埋めです。ある程度分量がある英文に4つ空白があり、そこに最適な選択肢を選ぶという問題。

500点を目指すならばここの問題に時間を使うのはあまり賢明ではありません。ここは妙なひっかけなども多く、考え出すとかなり時間がかかってしまうことがあるからです。それより次のパート7に回すのが500点を目指す上で最も効率がいいと言えるでしょう。

どうしても時間がかかってしまうようであれば、飛ばしてしまうというのも一つの方法です。問題数は16問なので、それほど痛手にはなりません。つまりパート5とパート7の2つに集中してリーディング対策を練ることで500点への道が開けてくるわけです。

TOEICの500点を達成するためのリーディングの勉強法その③:「パート7」の対策

長文読解問題であるパート7は様々な長文を読みながらその内容に関する質問に答えていくスタイルです。1つの文章当たり3つ程度の設問に答えていく前半と、1つの文章から5つほどの設問に答える中盤と、3つの文章から5つの設問に答える後半に分かれています。次第にレベルが高くなっていきます。

初心者の場合は、後半の難しい長文問題はあきらめて、確実に前半のシングルパッセージ問題を正解していく戦略が良いでしょう。

TOEICの試験対策に最適な問題集

では、試験対策におすすめの参考書を紹介していきます。

TOEIC500点を目指す人に最適な参考書その①

まず1つ目は単語対策として、「TOEIC L&RTEST出る単 特急金のフレーズ(TOEICTEST特急シリーズ)」がおすすめです。

TOEIC専用の「金のフレーズ」という単語集です。目標スコアに合わせて覚えるべき単語が掲載されており、効率よくTOEIC500点を目指せます。単語を覚える時には例文が重要になりますが、この本はとても良質なものが厳選されているのもポイントです。文中でどのような使われ方をするのかということも一緒に勉強できるので、記憶にしっかりと残ります。

TOEIC500点を目指す人に最適な参考書その2

2つ目は文法対策として、「1駅1題新TOEIC(R)TEST文法特急」がおすすめです。

パート5の文法問題は500点を目指す人にとってはしっかり得点を狙っていけるパートです。

その点この参考書はTOEICにほぼ必ず出ると言えるような超頻出問題が厳選されて掲載され、この本を丸暗記するだけでかなり点数が伸びるでしょう。小さくて持ち運ぶのにも最適。スイスイ勉強が進んでいくので、心地よく勉強を進めていくことができます。

このような問題集を解く時には、わからない箇所があってもそこで立ち止まらずに、まずはとりあえず最後まで問題を解いてしまうのがおすすめです。そしてまた最初から繰り返してやっていく方が、自分の苦手な部分はどこか把握できるようになります。完璧な理解よりも、勉強のペースを大切にしたほうが挫折を避けられます。

TOEIC500点を目指す人に最適な参考書その③

総合問題集としておすすめなのが、「中学英文法で600点!中学英語の「おさらい」でスコアはここまで上がる!」です。

この参考書は説明がシンプルで、初めてTOEIC取り掛かろうとしている人にもしっかり基礎から丁寧に説明されています。公式問題集はやや説明不足の感があり上級者向けなので、500点を目指す人はまずこちらからやるのがおすすめ。扱っているのは中学英語でも、きちんと身に付けるだけでも500点の道は開けます。

TOEIC500点を目指す人に最適な参考書その④

4つ目のおすすめ参考書は、「TOEICL&RTEST初心者特急パート1&2」です。

リスニング対策に最適な問題集。特に500点を目指す人にとって重要になってくるのがパート1と2なので、ここをしっかり点数が取れるようにしておきたいですが、そこに特化した問題集です。

本番よりも少し簡単です。難し過ぎて途中で挫折してしまうよりは少し簡単なことから練習し、リスニングの感覚を作っていきましょう。

TOEIC500点を目指す人に最適な参考書その⑤

最後のおすすめ参考書は、「CD2枚付 世界一わかりやすいTOEIC L&Rテスト総合模試1[600点突破レベル]」です。

こちらは本番試験同様の模試ですが、実際より少しやさしい英文が使われています。

実際の過去問を使うよりも、500点を目指す人にとっては、解く感触が味わえます。あまりにも難しくてやる気をなくしてしまうならば、まずこのような過去問で時間配分やTOEICの全体の流れを把握していくのがよいでしょう。

何より120分集中し続けるだけでも最初は大変です。もちろん実際の過去問を解くことも重要ですが、まずはこのような参考書を使いながら感覚を身につけていきましょう。

500点を目指す人が確実に力を上げる勉強法

最後に勉強法をご紹介します。

500点を目指す人の勉強法その①:リスニング教材を暗唱できるぐらい繰り返し音読し続ける

リスニング教材など使っている時にただ聞き流すのではなく、しっかり音読してみる方法があります。スピーキングがテストにないため、つい発音がおろそかになりますが、「発音ができるから聞き取れる」という面もないことはありません。「英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる(アスキー・メディアワークス)」といった発音の参考書を一通り理解しておくのがおすすめです。

理想としては何度も繰り返し、英文を覚えてしまうくらいが良いです。そうした上でリスニングを聞くと、より深く、より細かく英語の発音が聞き取れます。どのような発音のされ方がしているかということがわかります。

音読はそんなに頭を使う必要もないので、疲れている日や、「勉強をしたくない」という日にも取り組めるのもポイントです。

500点を目指す人の勉強法その②:参考書は多くやらない

本屋に行くとあまりにも膨大な数のTOEIC対策本が販売されています。

特にテストが近づいてきた時には、そのどれもが良さそうに見え、目移りしてしまいます。あれもやらなければ、これもやらなければと不安になる人もいますが、一番重要なのは一冊をしっかりとこなすことです。

もちろん990点を目指すような人ならば、かなり多くの参考書もこなさなければいけなくなるでしょう。しかし基礎を固めれば500点は確実に達成できます。中途半端にたくさんの本をやるよりもまず「間違いのない知識」を増やした方がいいのです。

参考書の選び方としては、これと決めた一冊を選び、あとは副読本として2冊くらいを買うといった進め方で十分です。お金もかからず済みますし、色々買いたくなる気持ちを抑え、一冊を丸暗記するくらいのつもりで取り組みましょう。

500点を目指す人の勉強法その③:思い切ってリスニングかリーディングの好きな方を選んでしまう

TOEICのテストはリスニングが495点、リーディングが495点です。つまりリスニングがたったの100点でも、リーディングで400点取れれば達成できます。リスニングが200点でもリーディングで300点取れれば達成できます。200点を取るのはそれほど難しくはありません。なぜなら選択肢は3つか4つだからです。まず100点分は正解できます。

したがってどちらかひとつを選んで取り組んでいくというのも、一つの方法です。リーディングが好き、リスニングが好きということならば、ガンガン伸ばして自信をつけることによって、もう片方も次第にできるようになっていきます。

TOEIC500点は勉強すれば必ず取れる!

今回はTOEICの500点を目指している人に向けて、パート別の対策、おすすめの参考書、勉強法についてをご説明しました。

間違った勉強法は様々な参考書をちょっとずつやるということ。これが一番効率が悪い方法です。決めた参考書一冊をきっちりこなして、勉強のペースを作っていくことが、500点突破の鍵と言えます。

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