TOEIC 500点

TOEIC500点徹底攻略 よしき先生編

TOEIC Listening & Reading Testは日本で最も認知度の高い英語能力試験の一つです。それゆえ企業や学校などもTOEICの点数を基準に人々の英語能力を図ることがしばしばあり、人生において1回は受ける必要が出てくるんじゃないかなと思います。

本コラムではTOEIC500点徹底攻略と題し、多くの人の目標点数となっているTOEIC500点はどの程度のレベルなのか、そしてどのような勉強法をすれば500点を獲得できるかについて詳しく話していきます。

TOEIC500点の分布

御覧のようにTOEIC500点台は受験者が最も多い得点層です。また最新データである2017年の平均得点は582点だったため500点という点数は平均よりもやや低い点数であることが分かります。

しかしながらTOEICを受ける人は英語に興味のある人が多く、日本国民全員がTOEICを受けたらもっとずっと低い平均点になるでしょう。

TOEIC500点はどのレベル?読み書きのレベルってどれぐらい?

では実際にTOEIC500点ってどれくらいのレベルなのか、英語の能力を見ていきたいと思います。

リスニングに関しては一般的に以下の長所が認められます。

  • 写真描写において、写真の主旨に関する短い(一文の)記述が理解できる。
  • 長い聴解文において、情報が何度も繰り返されたり、語彙が簡単なときは、話の主旨、目的、基本的な文脈が理解できることもある。
  • 短い会話や写真描写において、語彙が簡単で、話のごく一部を理解すればよいときは、話の詳細や写真に関する記述が理解できる。
  • 長い聴解文において、解答に必要な情報が話の最初か最後に提示され、問題中に使用されている表現と一致するときは、話の詳細が理解できる。

弱点は以下の通りです。

  • 短い会話において、表現が直接的で、予想外の情報が提示されることがなくても、話の主旨、目的、基本的な文脈が理解できない。
  • 長い聴解文において、広い範囲にわたって情報を関連付ける必要があるとき、もしくはやや難しい語彙が使用されるときは、話の主旨、目的、基本的な文脈が理解できない。
  • 短い会話において、やや難しい語彙が使用されるとき、もしくは構文が複雑なときは、話の詳細が理解できない。否定構文が使用されるときは、詳細が理解できない。
  • 長い聴解文において、解答に必要な情報が話の途中で提示されたときは、話の詳細が理解できない。言い換えられた情報や難しい文法的な構造が理解できない。

リーディングに関しては一般的に以下の長所が認められます。

  • あまり広い範囲を読む必要がないとき、ならびに文章中に使われているのと同じ表現が問題に使用されているときは、事実に基づく情報に関する問題に正答できる。
  • 簡単な語彙、よく使用される句が理解できる。
  • あまり広い範囲を読む必要がないときは、よく使用される、規則に基づいた文法構造が理解できる。

弱点は以下の通りです。

  • 文章中の情報について、推測ができない。
  • 事実に基づく情報の、言い換えが理解できない。解答するとき、問題に使用されているのと同じ単語や句を文章の中から探すことに頼る。
  • 一つの文中の情報さえ、関連付けることができないことが多い。
  • 限られた語彙しか理解できない。
  • 文法以外に難しい言語的要素(難しい語彙が使用されている、情報を関連付ける必要がある)がある場合は、簡単な文法構造も理解できない。

もちろん一般論ですので個人差はありますが、上記が読み聞きのレベルです。

一番重要なスピーキングに関しては、TOEICL&Rはリスニングとリーディングの能力を図る試験のため、直接的には推測できませんが、一般的には「ゆっくりな通常会話であれば要点を理解し、応答することができるレベル」です。

基本的な文法や構文が身についているため、表現力の不足はあっても、意思を伝えることは可能です。

つまりTOEIC500点があれば海外旅行等で英語を使うときにそこまで不便することなく生活できると言えます。初心者であればこのレベルを目指すべきなのが分かりますね。

TOEIC500点はどのレベル?大学別TOEICのレベル

次に大学別のスコアを見ながらTOEIC500点のレベルを考えてみましょう。

まず、大学生平均のスコアは565点でした。

500点台の大学を見てみるとこのような感じです。

599点 千葉大学薬学部

594点 立命館大学

580点 神奈川県立外語短期大学

570点 宮崎国際大学(3年次)

560点 中学校の英語教員のTOEIC平均スコア

550点 奈良女子大学

548点 千葉大学文学部

544点 千葉大学法経学部

538点 広島大学法学部

531点 千葉大学教育学部

524点 金沢大学

518点 千葉大学理学部

518点 広島大学歯学部

511点 千葉大学工学部

509点 広島大学文学部人文学科

504点 千葉大学園芸学部

503点 東京農工大学

比較的偏差値の高い大学がずらっと並んでいますね。このことからもTOEIC500点というのはそれほど低い点数ではなく、目指す価値のある点巣だということが分かるんじゃないでしょうか。

TOEIC500点への基本の勉強法①:リスニング編

ではいよいよTOEIC500点を獲得するための勉強法に入っていきます。

まずはリスニング編です。

2017年度のTOEIC平均点582点のうちリスニングが320点、リーディングが261点でした。

つまりリスニングはリーディングよりも得点が取りやすいということが分かります。

しかしながら、TOEICを受ける人の中でよくいるのが、リーディングの対策はしたけど、リスニングの対策はまったくしてない、「マークシートだしいけるっしょ」という人です。

リーディングよりも簡単だからこそ対策をすれば一気に点数が伸び目標の500点へと近づくのがTOEICのリスニングです。

さらに知っておくべきことは、リスニングはリーディングよりも長期間の勉強が必要になることです。リーディングは単語や熟語等の暗記で飛躍的に点数が向上することはありますが、リスニングでは英語の音に耳が慣れるまでに時間がかかるため早くから対策を打つ必要があるのです。

TOEICのリスニングは比較的簡単です。その大きな理由は、スピードがネイティブレベルよりも大分ゆっくりだからです。ただ一般的なリスニングテストと違うのは、会話の内容が少しビジネスライクなところです。つまりそこで出てきがちな単語やフレーズを頭に入れておかない限り、一問も解けません。リスニングとはそういうものです。知らない単語は絶対に聞き取れません。言い換えれば、「知っていれば聞き取れる」のです。

ただその前に、英文そのもののリスニングが苦手な人もいるかもしれません。そんな人に勧めなのがYouTubeを利用した学習法です。これにより英語に触れ、耳を慣らすことが大切です。

おすすめチャンネル

YouTube

Hapa英会話

AK-English

English with Lucy

YouTubeのおすすめ3つは英語学習に特化したチャンネルで、文法やフレーズ学びながらネイティブの英語の音を聞き、慣れることができます

初級者~中級者の方はまずYouTubeを使って英語の音とスピードに慣れる練習をしてください。

次にパート別の対策法をお話していきます。

リスニングセクションは4つのパートに分かれており、それぞれ問題の特色や必要となる対策が変わってくるため、パートごとの学習をお勧めします。

パート1は写真描写問題で全6問です。1枚の写真について4つの短い説明文が一度だけ放送され、そのうち最も写真を的確に描写しているものを選ぶという形式です。

このパート1はリスニングセクションの中で最も簡単なパートであり、全問正解を狙いたいです。

特徴としては短い英文で問題が構成されているため、一つ一つの単語を正確に聞き取る必要があるということです。

対策としてよく挙げられるのがディクテーションです。

ディクテーションは書き取りを行う練習法で、英文を聞きながらそれを紙に書き取り、後からスクリプトを利用して合っているか確認するという勉強法です。

これにより一つ一つの単語を集中しながらリスニングできるので、今までなにげなく聞いていた単語が聞き取れるようになります。また、自分の書いた答えと正解を照らし合わせることで、単語が実際にどのように発音されているのかを正確に理解することができます。

ディクテーションは反復こそ命です。1つ1つのワードを正確に聞き取れるよう、練習してみてください。

次にパート2の対策です。

パート2は応答問題で全25問です。1つの質問または文章とそれに対する3つの答えがそれぞれ一度だけ放送されます。設問に対して最もふさわしい答えを選ぶという形式です。

分かりにくいと思うので例題を記します。

例題)Q. Where is the new FAX machine?

  1. Next to the water fountain.
  2. I’ll send a FAX tomorrow.
  3. By Wednesday.

この順に音声が読まれ正解であるAをマークシートにマークします。

読まれる英文はマークシートには記載はないためこれらをすべて聞き取る必要があります。

しかしながらパート2はリスニングセクションにおける点の稼ぎどころです。なぜなら難易度はそれほど高くなく、問題数がパート1とは違い25問と多いからです。

特徴としては最初の一語を聞き取ることがパート2の鍵を握っています。

例えば

  1. When does he play soccer?
  2. Where does he play soccer?
  3. Why does he play soccer?

に対する答えはそれぞれ

  1. This afternoon.
  2. At the park.
  3. Because he wants to be a professional soccer player.

などと全く答えが異なります。

質問の一番初めのワードが異なるだけでここまで答えの毛色が変わってくるのです。

しかし裏を返せば一番初めのワードを聞き取れさえすれば答えは大体予測できるのです。

対策としては先ほどパート1の対策としてあげたディクテーションがここでも最も有効です。一つ一つの単語を拾う能力が養われるためです。

また5W1Hと呼ばれる疑問詞群の発音を聞き分けられるようにすることも大切です。そしてさらにそれぞれの疑問詞に対してどのような解答がされがちなのかという傾向を分析することも効果的です。

次にパート3の対策です。

パート3は会話問題で全39問です、2人または3人の人物による会話を聞き、問題用紙に印刷された設問と解答を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選びマークをするといったものです。

このパートはリスニングセクションの中でも最も難しいといわれ、そしてさらに最も問題数の多いパートです。ここを対策しておくことでTOEIC500点の獲得に大きく近づくことができます。

特徴としては設問の問題文とそれに対する答えが既に問題用紙に印刷されているということです。それにより、問題の先読みが可能になり、何を意識して聞けばいいのかが明確になります。しかしながら問題文と答えをすべて読んでいると時間が無くなって音声が流れ始めてしまうので、まず問題文を読み理解することが重要です。

対策としてはシャドーイングが良いでしょう。シャドーイングとは英語の音声を影のごとく追いかけながら実際に声に出して発音することで英語のスピードに慣れ、対応できるようになります。

ポイントはまず英文を見ながらシャドーイングをおこない、慣れてきたら見ずにおこなうことです。最初はスピードが速すぎてついていけないかもしれませんが何度もおこなう内に必ずできるようになります。

最後にパート4の対策です。

パート4は説明文問題で全30問です。アナウンスやナレーションのようなミニトークを聞き、問題油脂に印刷された設問と解答を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選ぶという形式です。

このパートはリスニングセクションの中ではパート3の次に最も難しく、流れる音声も非常に長い英文を聞き取る必要があります。しかし、パート3とは違い話してが1人なのでその分はパート3は難易度は下がります。

対策としてはパート3と同じようにシャドーイングがお勧めです。速い英文を正確に聞き取るにはこれが一番だからです。また、英文を聞きながら必要な情報をメモするという技術も必要になってきます。これも練習の時から意識して行うといいでしょう。

リスニングセクションに共通してお勧めの教材はTOEIC公式問題集とキクタン単語帳です。

公式問題集では実際の写真と問題の音声が聞けるため、実践のレベルをつかむ練習となります。キクタンシリーズでは、それぞれの単語が用いられた例文が何千個も掲載されているので、CDで音声を聞きながらパート1に近い形で練習をすることができます。

TOEIC500点への基本の勉強法②:リーディング編

続いてはリーディング編です。

リーディングはやればやるだけ点数が伸び、努力の成果を感じやすいという特徴があります。ただ、リスニングと同様にパート別にそれぞれ特徴があるので、やみくもにやるのではなく効率的に勉強していくことが重要です。

パート別に解説していきます。

まずはパート5です。

パート5は短文穴埋め問題で全30問です。不完全な文章を完成させるため、4つの答えの中から最も適当なものを選ぶという形式です。

このパートはリーディングセクションの中であれば最も簡単で、500点を狙うにはこのパートをしっかりと押さえておくことが重要です。ここを取り逃がしてしまうと、後のパートで挽回するのは非常に難しいです。

特徴としては短文で文法力と単語力が求められます。

文法に関しては中学レベルまでの文法を教材は問わず何でもいいので一冊終わらせること。一度ではなく何度も解いて頭に叩き込むことが必要です。

単語に関してはTOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)を使うのが望ましいです。こちらは点数別にTOEICに出る確率の高い単語のみを収録しているのでとても効率的に覚えるべき単語のみを覚えることができます。さらに500点をクリアした後さらなる高みを目指すときにも使うことができます。

続いてパート6です。

パート6は長文穴埋め問題で全16問です。不完全な文章を完成させるために、4つの答えの中から最も適当なものを選ぶという形式です。

パート5と違う点は長文であることであり、先ほどの文法力と単語力に加え長文読解力が求められる点です。長文読解力とは長文のエッセンスを理解しながらより速く読む能力で、速読力ともいえるかもしれません。速読にはスキミングやスキャニングなど様々なテクニックが必要となりますが、500点レベルを目指す方が身に着けるべきスキルはスラッシュリーディングです。

スキミングやスキャニングほど難しくなく、初心者の方も身に着けやすいテクニックです。

Sラッシュリーディングとは英文を理解するために、意味の塊ごとにスラッシュで区切って読んでいく方法です

例えば次のような英文あったとします。

She is the most beautiful woman I have ever seen.

意味としては「私が見た女性の中で彼女はもっとも美しい」となります。

ただこのようにいちいち頭の中で和訳するのではなく、意味の塊で区切って理解するのがスラッシュリーディングです。

つまり

She is / the most beautiful woman / I have ever seen.

(彼女は / 最も美しい女性 / 私が今まで見た中で)

となります。これでも十分意味が伝わるのがお分かりいただけるでしょうか。

長文読解はきれいに和訳する必要はなく意味さえ分かればいいのでこれで十分なのです。これを練習すると素早く英文を正確に読み取ることができます。

最後にパート7です。

パート7は長文読解です。様々な文書が印刷されており、設問を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選ぶという形式です。一つの問題に複数の文書が含まれていることもあり、それらの文章をすべて用いながら設問の答えを探す必要があります。

正直このパート7はTOEIC全体の中で最も難しいパートであり、まさに鬼門といえます。

800点以上の高得点者もここで得点を落としていることがかなり多く、その難しさがうかがえます。

つまり500点を目指す人々がここで高得点を狙うことはほとんど不可能に近く、ここで点数が取れなくても落ち込むことはありません。

ただ0点というわけにはいかないので、パート6で行った長文のテクニックである、スラッシュリーディングを練習してください。同じ長文読解なので、良い練習になります。

現状のレベル別TOEIC500点までの対策方法

1、500点に向けて!TOEIC300点以下の人の勉強法

TOEIC300点以下の人は特徴として基礎的な文法力がついていないことが多いです。お勧めしているのは中学英語の文法を完璧にすることです。中学レベルの文法ができていれば、TOEICで500点は十分に取ることができます。

具体的なやり方としては、何でもいいので中学英語の文法が網羅されている問題集を一冊完璧にしてください。一度ではなく最低3回最初から最後まで解くことで、頭に叩き込むことができます。

2、500点に向けて!TOEIC400点レベルの人の勉強法

TOEIC400点レベルの人は特徴として文法は固まっているけど、500点獲得のための語彙力が足りない可能性が高いです。そこでお勧めしているのは単語力の増強です。

具体的なやり方としては単語帳2冊を完璧にすることです。とてもシンプルですが根気が求められる作業です。

使う単語帳は、1つは自由に決めていただいてもかまいませんが、一つは先ほども言ったTOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)です。これはTOEIC史上最も優秀な単語帳といって過言ではありません。著者のTEX加藤さんは毎回TOEICテストを受け、分析し、実際に出る単語だけを集めて、難易度順に並べています。また、どんな文脈やフレーズの中でこの単語が使われるかという記載もされています。まさにTOEICのための単語帳です。この単語帳を最初から最後まで完璧にしてください。

私がやっていた方法は毎日100語ずつ覚えていくというものでした。重要なのは、

1日目に1~100語、2日目に101~200語とやっていくのではなく、1日目に1~100語を覚えたら、2日目には1~200語をやるということです。前者のやり方で進めてしまうと10日やった後には最初の300語くらいはすっかり忘れています。ただ後者のやり方では忘れにくく、回数を重ねるごとに定着していきます。そして3日目には1~300語、4日目には1~400語という風に進めていきます。5日目の500語までいったら、その時点ですべての単語の意味が言えるかどうか自分でテストしてみましょう。私は赤シートを用いて行っていました。ここで意味の分からなかった単語にはチェックをつけ、6日目からは、「チェックのついた単語+501~600の100語」という風に進めてください。こうすることで確実に単語力がつきます。

このやり方で一冊終えたら、最後に全部の単語をもう一度テストです。ここでも分からなかった単語をすべて紙に書きだし、自分の部屋のよく見えるところに貼ってください。これで、一冊すべての単語を覚えたことになります。

一見辛そうに見えますがそうでもないです。毎日新しく覚えるのは100語だけなので、他は流れるように意味を再確認していくだけで結構です。

もちろん全く同じやり方でなくても結構です。自分の記憶力や単語力にあわせ毎日30語や50語など、工夫してやってみてください。

TOEIC500点のレベルまとめ

つらつらと書いてきましたが、やるべきことはリスニングとリーディングの各パート別に対策を講じ、500点を目指して効率的に勉強することです。反対にやってはいけないことはただやみくもに勉強を進めることです。こうするとモチベーションの維持が難しくなりますし、目標に向かって一直線に進むことができません。

初心者に方は500点を取るのに半年ほどかかるといわれています。このやり方ではそれを縮めることが可能です。

ぜひ目標をもってあきらめず努力を続けてください。

〈参考文献〉

IIBC一般財団法人国際コミュニケーション協会 TOEIC program DATA&ANALYSIS (https://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_da

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