TOEFL 勉強法

TOEFL iBT 勉強法総まとめ~TOEFL初心者でも大丈夫!~ Mamiko先生編

1. TOEFLとは? 

TOEFL (Test of English as a Foreign Language)は、その名称が示すように「外国語としての英語のテスト」で、全世界で実施されています。アメリカの非営利教育団体、ETS (Educational Testing Service)により開発・運営されています。英語圏(主にアメリカやカナダ)の大学や大学院へ留学を希望する者を対象とした、英語の能力(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)を測定するために作られたテストです。英語圏の各大学では、TOEFLのスコアを入学要件のひとつとしています。

日本の約半数の大学では、TOEFLのスコアをAO入試や推薦入試において、出願の条件や優遇の条件として活用しています。また、2021年1月からの大学入試において、「英語」は大学入学共通テストにかえて、TOEFLのスコアを利用できることが決まっています。

TOEFL は2種類ある?

TOEFLには公式テストであるTOEFL iBT (Internet-based Test)と、団体向けテストであるTOEFL ITP (Institutional Testing Program)の2種類があるのをご存知でしょうか? TOEFL iBTは、インターネットを使って受験し、4つのセクション(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)から構成されています。試験時間は10分の休憩時間を含め約4時間です。TOEFL iBTのスコアは正式なスコアとして認定されます。

TOEFL ITPは筆記試験(マークシート形式)で、3つのセクション(リスニング、文法、リーディング)から構成されています。試験時間は約2時間です。TOEFL ITPのスコアは正式なスコアとして認定されません。しかし、TOEFL ITPのスコアとTOEFL iBTのスコアには、高い相関関係があります。公式のTOEFL iBTを受験する前に、試験時間が短く、受験料の比較的安いTOEFL ITPを、現在の英語力を測るために利用してみてはいかがでしょうか。

TOEFL iBT受験~当日までにすべきこと

   TOEFL iBTの申し込みは、プロトメトリック株式会社がETS(TOEFLを開発・運営しているアメリカの非営利教育団体)の代行をしています。申し込みが受験希望日の7日前までなら、受験料は234ドル(日本円による支払も可能)でインターネット、電話、郵送で予約ができます。電話による、試験希望日の前日の申し込みも可能ですが、受験料が高くなります。受験日は月に3回~4回、土曜に設定されていて、受験地も選択することができます。

   予約をする前に、Information Bulletinと呼ばれる受験要綱を入手します。ETSが提供するTOEFLテストの公式ウェブサイトから、PDFファイル形式でダウンロードすることが可能です。また、国際教育交換協議会(CIEE)でも配布されており、郵送してもらうことも可能です。Information Bulletin には受験手続きから教材の購入方法まで、TOEFLに関する諸注意が細かく説明されています。次に、ETSのウェブサイトで「個人ページ」の作成が必要になります。

   試験当日は、身分証明書となるパスポートを忘れずに持参することが大切です。持参しないと試験は受けられませんので注意が必要です。

TOEFLのスコアとレベル

下の表はTOEFL iBT、TOEFL ITP、TOEICのスコアや英検のレベルを比較したもの

です。TOEFL ITP とTOEICにはスピーキングとライティングが含まれていないので、大体の目安となります。TOEFL iBTはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングが各30点満点で、全体で120点満点になります。

アメリカではTOEFL iBTのスコアが61点、カナダでは80点を留学許可の要件としている大学が多いです。日本の大学で求められているスコアは、40点~60点台が多いです。外国語学部や国際系学部などの英語が特に求められている学部は、70点以上のスコアが求められているところもあります。4種類のテストなかでは、TOEFL iBTが一番難しく感じるかもしれませんが、4技能を同時に測定してくれるアカデミックな英語のテストですので、自分の英語の力を測るために挑戦してみてはどうでしょう。

TOEFL iBT TOEFL ITP TOEIC 英検
120点満点 677満点 990点満点  
97~120 570~677 840~990 1級
89~97 560~570 740~840 準1級
56~68 510~540 540~640 2級
46~56 480~510 400~540 準2級
32~46 430~480 200~400 3級

TOEFL問題の傾向について

  最初に、TOEFLの流れを確認しましょう。下の図を見てください。随分長い、集中力のいるテストであることがわかりますね。

それでは、4つのセクションの問題の傾向について見ていきましょう。

(1)リーディングセクションの問題の傾向について

    リーディングセクションは、アカデミックな内容の3題または5題の700語前後のパッセージに関する読解問題が出題されます。問題数は36問から70問です。制限時間は60分から100分です。このように出題数と制限時間に幅があるのは、ダミーの問題(スコアに関係しない)が含まれるからです。2・3番目のパッセージか4・5番目のパッセージのどちらかがダミー問題ですが、受験者にはどれかわかりません。

パッセージの内容は大学で使用するテキストに出てくるようなものになります。考古学、文化人類学、アメリカ史、芸術といった文系の内容のものだけでなく、地質学、天文学、建築学、生物学など、理系のものも含まれます。

同義語を選択する問題、パラグラフの内容を把握問題、文章挿入問題、文意を置き換える問題、参照選択問題(指示語やフレーズが指しているものを選ぶ)、作者の意図を探る問題、パッセージ要約問題などが出題されます。

(2)リスニングセクションの問題の傾向について

リスニングセクションは、問題数は34問から51問で、制限時間は60分から

90分で、解答時間は20分から30分です。リーディングと同様にダミーの問題が含まれていると解答時間が長くなります。

会話問題と講義や討論の問題が出題されます。会話の内容は、実際に留学した時に経験するようなアドバイザーとの会話や、学内活動、就職活動に関する話題です。講義や討論はアカデミックなもので、出題範囲は広く、あらゆる分野の学問領域が対象となります。会話や講義は長いので、メモ書きが重要になります。

(3)スピーキングセクションの問題の傾向について

スピーキングセクションの問題数は6問で、制限時間(準備時間を含む)は、20分

で、解答時間は5分30秒です。

(A)自分の意見や好みを述べる独立型問題が2問出題されます。準備時間は15秒で解答時間は45秒です。設問1は自由な意見を求める設問です。例えば、「もしボランティア活動をするならば、何をしますか?」といった形式の問題です。設問2は好みを問う問題です。例えば、「あなたはネットによる通信教育を好みますか?それとも、クラスに出席する教育を好みますか?」といった二者選択の形式の問題です。

(B)読んで、聞いて、話すという統合問題が2問出題されます。準備時間は30秒で解答時間は60秒です。設問3では45秒で学生生活に関することなどのパッセージを読みます。次に男女の会話を聞きます。そのうえで「女性は規則改定に対して、どのように思っていますか?理由を述べなさい。」と問われる問題です。設問4では、45秒でアカデミックな内容のパッセージを読みます。次に講義を聞きます。そのうえで、「教授は、ヒートアイランド現象についてどのように述べていますか?」と聞かれ、読んだパッセージと対比させながら解答します。

(C)聞いて、話すという統合問題が2題出題されます。準備時間が20秒で、解答時間が60秒です。設問5では、男女の学生のいずれかが困難や問題に直面している内容の会話をします。設問では、「男性の問題は何ですか?女性が呈示したいくつかの解決策を述べ、そのいずれを支持するかを述べなさい。」と問われます。設問6では、講義を聞き、その内容について概要を説明します。「教授によると、インターネットの発展により従来型のコミュニケーションがどのように変化したかを述べなさい。」といった問題です。

(4)ライティングセクションの問題の傾向について

ライティングセクションの問題数は2問で、解答時間は約60分です。

(A)題1問目は統合型問題で、230語~300語の程度のアカデミックな内容のパッセージを3分間読み、約2分の講義を聞きます。最後に、読んだものと聞いたものを関連づけながら、講義の内容を要約して150語から225語で書くという問題が出題されます。解答時間は20分です。あくまで、読んだ内容、聞いた内容の要約でなければなりません。自分の意見を述べるのではないので気をつけてください。

問題のパターンは次の3つのタイプです。

①反論タイプの問題(Challenge type)

  反論タイプの問題は、パッセージと講義が、ある事柄に関して互いに異なる見解を述べているものです。解答は、講義内容を中心にして書く場合が多いです。このタイプは、3つの中では比較的解答しやすいです。

②補完型タイプの問題(Complement type)

補完型タイプの問題は、パッセージの内容を強めたり、追加情報を書いたりする問題です。解答を書く時に、パッセージと講義内容を上手に対比させないと高得点は望めません。

③解答タイプの問題(Answer type)

解答タイプの問題は、パッセージに提示された疑問に対して、講義でその答えを提示するものです。例えば、講義で3点の解決法が示された場合、それを3つとも書かないと高得点は取れません。

(B)第2問目は独立型問題で、与えられたトピックに対する意見を300語以上のアカデミックな文章にまとめる問題が出題されます。解答時間は30分です。例えば、「ある人たちは独学を好む。ある人たちはグループで勉強することを好む。あなたはどちらの方法を好むか。例を示し、あなたの意見を述べなさい。」といった問題です。Introduction(序論)、Body (本論)、Conclusion (結論)という流れで書くことが求められています。つまり、書き出しの序論で主題を提示し、文章の核となる本論で主題をサポートしたうえで、最も言いたいことを結論で再確認します。これらが、流れるようにつながりをもっていることが大切です。

6.TOEFLの目標スコア達成までの道

  物事を達成するためには、まず目標を立てることが重要です。目標はできるだけ高く設定しましょう。日本人はどちらかスピーキングを苦手としていますが、スポーツと同じで、練習を何度も繰り返すと、苦手意識が消え、自信を持てるようになります。過去問を入手し、暗記するくらい、何度も何度も繰り返し読んだり、書いたりしているうちに自然と力はついてきます。

わからない単語や熟語が出てきたら、辞書で調べ、単語帳に書き出し、単語カードを使って覚えるようにします。その際、類義語も一緒に書いておき、文を作って覚えます。単語カードの効果的な使い方は、覚えた単語は単語カードの下に置き、覚えていない単語は単語カードの上におきます。そうすることで、覚えていない単語を勉強する頻度を高めることができます。このような地道な勉強法が、語彙数を増やす一番効果的な方法だと言われています。語彙数を増やすことが目標スコア達成までの早道です。

音読をし、速読力をつけると、リーディング力だけでなく、リスニング力、スピーキング力、ライティング力も伸ばすことができます。ただし、スピーキングやライティングには決まったパターンがあるので、そのパターンを身に付けることも重要です。絶え間ない努力の繰り返しが、自信につながり、目標スコア達成につながるでしょう。

  • まずはTOEFLを受験してみよう   

TOEFL iBTを受験する前に、TOEIC ITPを受験することをお勧めします。受験料は実施団体によって異なりますが、5000円から6000円くらいでしょう。試験時間はリスニングセクションが約35分、文法セクションが25分、リーディングセクションが55分で、全体で約2時間です。TOEFL ITPを受け、自分の大体のスコアがわかったら、次はTOEFL iBTを受験しましょう。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能を同時に測定してくれる、日本実施されている唯一のテストですので、自分の英語の力を測るのに最適のテストです。

テストを受験することによって、自分のどの力が足らないかがわかり、次はどのような対策をすればよいかがわかります。私が初めて受験した時、もっと単語を知っていたら、時間をかけずに解答できるのにと悔しい思いをしました。リーディングセクションは最後まで問題文が読めずに、適当に答えを選んだ苦い経験があります。読む速さが遅いことを実感しました。文系分野の問題は比較的得意でしたが、理系分野の問題は苦手としていました。これは、語彙力だけでなく、背景知識が欠如しているのが原因なので、さまざまな分野の知識が必要だということがわかりました。

このように、実際にテストを受験することによって、自分の弱点を知ることができ、次へのステップにつなげられるのです。

  • TOEFLの目標スコアの設定をする

  TOEFL iBTの各セクションは30点満点で、4セクションあるので120点満点です。あなたはどのセクションを得意としていますか?それとも、どのセクションを苦手としていますか?それぞれのセクションの目標スコアを設定しましょう。誰にも得意、不得意分野があるので、総合スコアを80点を目標とする場合、リーディング25点、リスニング25点、スピーキング15点、ライティング15点を目標スコアとするなど、最初から苦手なセクションに対しては欲張らないようにしましょう。 

得意としている分野をさらに伸ばすことを優先し、苦手としている分野の克服に努める方が勉強が長続きし、効果的だと思います。目標のスコアを設定し、そのスコアに達したら、更に上のスコアを目指し、満点を取ることを最終目標としてください。目標を達成するためには、まず目標を決めることが大切です。その目標を実現するためには、どのような方法があるのか考え、少しずつ努力を続けることが肝要です。

私の場合は、アメリカの大学院で英語教授法を勉強したいという目標がありました。入学を許可されるのに必要なTOEFLのスコアが決まっていたので、合格に必要とさるスコアを取るというのが目標でした。そのころはiBTはなくPBT (Paper-based Test)で、550点以上を取る必要がありました。その目標を達成するために、過去問を購入し、問題傾向を知り、得意な文法問題から取り組み、苦手としているリスニングや速読に取り組みました。そして、目標としているスコアを取り、修士課程に入学を許可されました。勉強が面白くなり、更に博士課程に進みました。そして、還暦を迎えた今、自分の夢であった職業に就くことができました。夢を実現するためには、目標を決めることが最初の一歩です。そして、決してあきらめないで努力をし続けることです。

  • TOEFL リーディングセクションの勉強法

  それでは、リーディングセクションの勉強法についてお話しましょう。リーディングはたくさん単語を覚え、たくさん本を読むことが一番効果的な勉強法です。それでは、具体的に説明しましょう。

(1)語彙力を増強する。

語彙力をつけることがリーディングセクションのスコアを伸ばす最適な勉強法です。語彙力をつける効果的な勉強法は下に述べる「TOEFL単語の勉強法」の欄を参照してください。

(2)多読をする。

   自分が読んで楽しいと思える英語の本や雑誌をたくさん読むことが、リーディングセクションだけでなく、すべてのセクションのスコアを伸ばす秘訣です。その際、わからない単語に出会っても、辞書をできるだけ使わず、その単語の意味を文脈から推測するようにしましょう。この推測力がリーディング問題を解く際の大きなカギとなります。辞書を使うのは、その単語の意味がわからなかったら、ストーリーの流れがわかならい単語に絞って調べましょう。

  (3)速読力をつける。 

1パッセージ(700語)につき12~14の問題に対して20分で解答しなければならないのでかなりの速読力が要求されます。最初の1パッセージは制限時間が20分で、続く2つのパッセージは合わせて40分で解答することになっています。さらに続けてパッセージがあり場合があり、同じく40分が制限時間になっています。読むスピードの目安としては、1分間に150語程度の速さで読めることが理想です。700語のパッセージを5分程度で読み、残りの15分で1問につき約1分で解答するのが標準的解答パターンです。

(4)背景知識を増やす。

    問題は文系と理系の内容がほぼ半々くらいに出題されます。特に文系の受験者は、普段理系の文献に目を通すことが少ないので、苦手意識をもっている方が多いのではないでしょうか。専門的な知識は必要ありませんが、必要最低限の背景知識を持つ必要があります。そうしないと、特定のパッセージ問題で解答するのに時間がかかり過ぎたり、ミスをすることが多くなります。

  1. TOEFLリスニングセクションの勉強法

   次に、リスニングセクションの勉強法についてお話しましょう。リスニングは独立したセクションとして全体の4分の1を占めるだけでなく、スピーキングセクションの6分の1、ライティングセクションの2分の1のタスクにおいても必要になっています。つまり、全体の問題の中でリグニングが関わる部分は全体の半分を上回る約54%を占めています。4技能のうち、スコアを最も大きく左右するのはリスニング力であると言えます。スピーキングやライティングではリスニングの部分がわからないと、何にも言えなったかり、書けなかったりします。それでは、最重要なリスニング力を伸ばすには必要にはどうしたらよいでしょうか。

(1)過去問を何回も聴く。

リスニング能力を伸ばすには、過去問を何回も復習して、やることがなくなってしまうまで繰り返し聴くことが大切です。また、スカイプレッスンを利用し、専門の先生の助けを借りることも賢明な方法です。

(2)ディクテーションをする。

教材はTOEFL ITPのリスニングの過去問を使って、ディクテーションをするといいと思います。ディクテーションをする際のステップですが、

①できれば1文単位で、難しければ、カンマのある所まで、同じ部分を10回を目安に繰り返して書き取ります。

②わからない部分はカタカナでもいいので何か書いておくか、ブランクを空けておきます。

③できれば、その部分だけを繰り返して何度も聴きます。

④スクリプトを見て確認し、正しく書き取れていなかった部分を色を変えて訂正を入れます。

⑤聴き取れなかったのが、単語を知らなかったことが原因であれば、その単語の意味を調べて、文全体の意味がわかるようにします。

   書き取り方法ですが、コンピュータを使って入力してかまいません。ライティングセクションのためのタイピングの練習になりますし、タイピングが速い人は手書きより速いでしょう。ただし、自分で書き込んだ部分とスクリプトを見て訂正した部分が区別できるようにする必要があります。

     最初は、2分の会話や講義全体を書き取るのに、リグニングの得意な人で15分、苦手な人だと1時間かかります。しかし、ディクテーションはリスニング力をつけるための土台ですので、この作業を省略することはいきなり家を建てるようなものです。急がば回れです。

(3)シャドーイングをする。

シャドーイングとは、「耳から聞こえてくる音声に遅れないように、できるだけ即座に声に出して繰り返しながらついていくという学習法」のことです。もともと同時通訳訓練の前段階として、聞いたものを同一言語で繰り返すという方法であったものが、語学学習にも効果的があるとして、最近よく用いられるようになりました。意味がわからなくて繰り返していても役に立たないので、内容を理解したうえでシャドーイン グを行ってください。

   最初はスクリプトを見てもかまいません。最終的には、スクリプトを見ないでついていけるようにするのが目標です。初心者がTOEFLのリスニングの速さで口を動かすのはとても難しいので、最初はスピードを遅くしてついていきます。最終的にはノーマルスピードでついていけるのを目標にします。全体を通して一回やった後、1文ごとに覚えてしまうまで繰り返し練習します。最後にもう一度全体を通してやってみます。

(4)メモを取る練習をする。

   実際のテスト同様A4の紙3枚をホチキスで留めたものと鉛筆を用意し、リスニング問題を聴きながら理解を妨げない範囲で、可能な限りのメモを取ります。会話または講義が終わった段階で、設問とメモを照合し、うまくメモが取れているか確認します。この過程を設問に答えるのに十分なメモが取れるまで繰り返し練習する必要があります。

   メモを取る方法はフォーマットがあるわけではないので、自由にとってかまいませ

ん。会話は左右で男女に分けてメモを取ったり、講義については、大項目は左端、細

部は字下げして書くと見やすいです。

(5)速聴をする。

   通勤や通学時間を利用するとよいでしょう。ディクテーションが終わった、内容が理解できている教材を用いて、スクリプトを見ながら速聴をすると効果的です。スクリプトを見ながら速聴する利点は、リーディングの速度も上げることができるということです。TOEFLのリスニングセクションは1分間に150語から200語の速さで話されます。これを速聴すると1分間に200語以上なので、かなりの速さで英語が読めるようになります。

  1. TOEFLスピーキングセクションの勉強法

  TOEFLのスピーキングは英会話ではありません。自分1人でスピーチをするという形を取ります。英会話が苦手な人もスピーキングで高いスコアを取ることは可能です。 「スピーキング問題の傾向」のところでも説明しましたが、スピーキング問題には次の6つのタスクが出題されます。

①個人的な好みに関する独立型のタスク1と意見や立場を選択する独立型のタスク2

  解答準備時間:15秒   解答時間:45秒

②大学生活に関する話題で「読む→聞く→話す」のタスク3 

  解答準備時間:30秒   解答時間:60秒

  ③大学の授業に関する話題で「読む→聞く→話す」のタスク4

解答準備時間:30秒   解答時間:60秒

  ④大学生活に関する話題で「聞く→話す」のタスク5

解答準備時間:20秒   解答時間:60秒

  ⑤大学の授業に関する問題で「聞く→話す」のタスク6

解答準備時間:20秒   解答時間:60秒

  評価のポイントは次の通りです。

①話し方 (Delivery): 解答が明瞭で流暢か。発音、アクセント、イントネーションは

正しいか。

②ことばの使い方 (Language Use): 文法、語彙、文章構造は正しく効果的に使用され

ているか。

③トピックの発展のさせ方 (Topic development): 内容に一貫性があり、論理が適切に

 展開されているか。

それでは、具体的な勉強法について説明しましょう。

   (1)オンラインレッスンを有効に利用し、苦手意識を克服する。

     オンラインレッスンを有効に利用し、英語を話すことに対して持っている苦手意識を克服し、自信を持てるようにすることがとても大切です。英会話学校に通うより安価で、手軽に利用できるので是非ともお勧めします。正しい発音、アクセント、イントネーション等の指導もしていただけます。また、専門の先生に自分の作ったスピーチ原稿を添削していただいたり、アドバイスをしただくことも可能です。何よりも、やる気を高め、やる気を持続させるために、積極的に利用してください。

(2)正確さ(accuracy)より流暢さ(fluency)を優先して、毎日話す練習する。

スピーキングテストでは正確さよりも流暢さを優先して、定められた時間(45秒または60秒)めいっぱい使って話し続けなければなりません。文法を気にするあまり沈黙の時間を作ってしまうより、多少間違っていてもできる限り多くのこと(もちろん内容に意味のあるものでなければなりませんが)を伝えるようにする方が比較にならないくらい大切です。とにかく毎日話す練習をすることが重要です。

(3)上記の6つのタスクに対応できる力をつける。

  ①タイマーを利用し時間を計り、自分の答えをボイスレコーダーなどに録音します。

  ②それを再生して書き取ります。そして、使用した語数も確認します。

  ③辞書を使って、うまく表現できなかったことを正しい英語にしていきます。

  ④最終的に100語前後(自分が話せる速さによって30語前後します)の原稿を作ります。

  ⑤作成したスクリプトを見ないで言えるようになるまで練習します。

  ⑥再度時間を計って録音します。

  ⑦再生して問題ないか確認します。

⑧うまく言えなかった場合には再度⑥と⑦を繰り返します。

(4)自分で原稿を作成することで、話題や表現を増やす。

   自分で原稿を作成し、「Barron’s How to Prepare for the TOEFL Essay」のエッセーを

  読んで、自分の答えに使えそうな話題、単語、表現を書きだします。この方法は、ラ

ティングの力も同時に向上させることができます。

(5)さまざまな接続語句を覚える。

★順序を示すのに使える表現

First (最初に), First of all (まず最初に), To begin with (初めに),

Second (2番目に), The second reason is that … (2つ目の理由は…です)

★例を示すのに使える表現

 For example (例えば), For instance (例えば), such as … (—のような),

like — (—のような)

★追加を示すのに使える表現

 Next (次に), Moreover (さらに), Furthermore (さらに), In addition (加えて),

Another reason is that … (他の理由は—です)

★対比を示すのに使える表現

 In contrast (その一方), Whereas (—に反して), While (しかし一方では),

  On the other hand (一方では), On the contrary (それどころか),

★結論を示すのに使える表現

Therefore (それゆえ), Consequently (その結果), Thus (このように),

As a result (結果として) , In conclusion (結論として), In summary (要約すると)

For these reasons (このような理由で)

  1. TOEFLライティングセクションの勉強法

   次にライティングセクションの勉強法についてお話しましょう。「ライティングセクションの問題の傾向」のところでもお話しましたが、下記に示すように、統合型問題 (Task1)と独立型問題 (Task2)が2問出題されます。統合型問題よりも、独立型問題の方が得点を取りやすいので、独立型問題で高得点が取れるように練習しましょう。

   Task 1: パッセージを読む(制限時間3分)→講義などを聞く(2分)→

設問に対する答えを150語から225語で書く(解答時間20分)

      Task 2: 設問に対する答案を300語以上書く(解答時間30分)

  それでは、具体的なライティングの勉強法について説明しましょう。

(1)Introduction(序論)→Body(本論)→Conclusion(結論)という流れで文章を組み立てる練習をする。特に自分の意見を述べる独立型問題(Task 2)では、この組み立てが重要になります。

①序論は、最初に何を書くかを紹介する部分です。採点者がこの序論を読んで、文章全体のあらましがわかるようなものでなければなりません。書こうとする内容の概略だけでなく、自分が言いたいことの要点も含めておく必要があります。例えば、「なぜ、世界で日本食ブームになっているのか。」をという問題ならば、序論で「今、世界各地で日本食への関心が高まっているが、それにはいくつかの理由が考えられる。」とその後の展開を示唆しておくと、わかりやすくまとまりのある文章が書きやすくなります。

  ②本論では、序論で簡潔に述べた「言いたいこと」を詳しく説明するために、その例、理由、根拠などを述べる部分です。例えば、何かを比較して述べる問題では、それらについて、類似点や相違点を1つ取り上げながら詳しく説明します。1つのパラグラフ(段落)には1つのポイントだけを含めるようにします。

  ③結論では、序論で提示し、本論で詳細に述べた「言いたいこと」をまとめる部分です。序論の言葉を言い換えて、「~だから、~である。」と更に説明し、本論で述べた重要なことを更に強調し結論づけます。先ほどの日本食ブームの例を取ると、本論で「なぜ日本食が関心を集めているか。」の理由を挙げて述べ、結論では、それらの理由を再度まとめて「こうした理由から、日本食は世界各地の多くの人々に好まれている。」と論じます。

 (2)基本的な文法事項を身に付ける。

ライティングの文法ミスは減点対象になりますので、高校レベルの基本的な文法事項を自分の力に合った参考書を用いてマスターしてください。

   ここでは「数の一致」「自制の一致」を中心に英文を書くのに最も基本的な文法事項について説明します。

  (A)数の一致

   主語と動詞の一致、代名詞との一致を指します。次の例文の間違いを見つけてください。

   When they visited the United States, they ①was surprised to recognize that so many people with different ②nationality ③was living there. 

      ①のwasは主語がthey ですから、wereにします。

    ②のnationalityは「ことなる国籍を持つ人々」という意味ですから、nationalitiesと複数形にします。

    ③のwasは主語がpeopleですから、wereにします。

  (B)時制の一致

   過去のことを話しているのに現在形にしたりする時制の間違いも、TOEFL受験者が

よくする間違いです。例を見てみましょう。

   When I ①visit the Metropolitan Museum of Art, I ②am really impressed to see the pictures Gogh ③has drawn.

  これは過去のことについて述べた文ですので、①のvisitはvisited、②のamはwasになります。ゴッホはすでに他界しているため、現在完了形を使うのは間違いです。ですので、③のhas drawnはdrewの過去形にしなければなりません。

(3)パラグラフ(paragraph)を書く練習をする。

パラグラフというのは段落のことです。最初にtopic sentence (主題文)を書きます。主題文では、自分が伝えたいことを書きます。次にsupporting sentence(支持文)を書きます。支持文では自分が伝えたいことを例や理由などをあげ、具体的に説明します。最後にconcluding sentence (結論文)を書きます。結論文では、支持文の内容をまとめる結びの文や、主題文を別の言い方に換えてまとめる文を書きます。

(4)パラフレーズ(paraphrase)を練習する。

パラフレーズの練習は、主に統合型問題 (Task1)を解答する際に役に立ちます。パラフレーズとは、書いてあることをそのまま使うのではなく、別の言い方に置き換えることをいいます。パッセージや講義に出てきた文やフレーズをそのまま解答に書くと減点の対象となるので、20分の解答時間中、パッセージの内容を適宜パラフレーズすることが大切です。

例えば、下の①の文をプラフレーズすると②の文のようになります。これは、同義語で3つの単語を書き換えた例です。「TOEFL単語の勉強法」のところでも説明しますが、1つの単語を覚える時に同義語も一緒に覚えると、語彙数を倍に増やせるだけでなく、文章を書く際にとても役に立ちます。

①The passage states that people have found cell phones to be an extraordinary communication tool, and indispensable in our daily life.

②The passage states that people have found cell phones are exceptional communication devices and crucial to our current life.

(5)何回も書く練習をし、オンラインレッスンを利用して添削してもらう。

まず、20分または30分で書き、次に辞書を引いて完全なものを仕上げる、ほかにも使えそうな表現を書き出していく、専門の方に添削してもらう、といったステップを何回も繰り返し練習します。

 (6)タイピングの練習をする。

     タイピングの速さも得点を左右しかねないので、ブラインドタッチを目指して日頃から練習することが必要です。ブラインドタッチは画面を見ながら入力できるので、自分の作成したアウトラインを見ながら英文を打つことができます。また、基本的な単語のスペルミスは、ほとんどといっていいほどなくなります。約1000語を30分でタイプできるようになるのが理想です。

  1. TOEFL単語の勉強法

次に英単語の勉強法について述べたいと思います。

(1)体を使って覚える。 

単語は目だけでなく、体全体で覚えるようにします。例えば、単語を何回も発音する、何回も聞く、何回も書く。また、歩きながら覚えるようにします。体を使う方が速く覚えられ、記憶に長く残ります。

(2)単語帳や単語カードを使って、繰り返し覚える。

単語集を買って覚えるより、過去問の中でわからなかった単語を単語帳に書き出し、意味と類義語と、例文を書きます。発音ができない単語は聞き取れないので、必ず発音できるようにします。何回も発音し、書いて覚えているうちに、音とスペリングの関係がわかるようになります。そうなると、スペリングを見て、発音できるようになりますし、発音からスペリングを類推できるようになります。単語カードは覚えた単語は下におき、覚えていない単語は上において目に触れる頻度を増やします。単語カ ードを使っての学習はとても効果があります。

     下記に単語カードの作り方の例を示します。名刺サイズのカードが使いやすいです。表面には、「うれしい」という見出し語を書き、その下にG/H/Pという頭文字だけを書きます。裏面には、「うれしい」が表すイメージ(絵)を描き、それぞれの単語を記入します。自分で使いやすい単語カードを、工夫して作ってくださいね。

単語カードの作り方の例 (名刺サイズの大きさがよい)

    表面                   裏面

  うれしい G         H         P         Glad       Happy          Pleased

(3)同義語、反意意、派生語と一緒に覚える。

一つの単語を覚える時に、同義語、反意語、派生語と一緒に覚えるようにすると、語彙数が何倍にもなります。

  同義語 反意語 派生語
happy (うれしい) Glad sad /unhappy happiness / happily
succeed (成功する) make it / do well fail /mistake success /successful
patient(我慢強い) enduring /tolerant impatient patience /patiently

(4)接頭語や接尾語から単語の意味を類推する。

   接頭語 (単語の最初にくる文字)や接尾語 (単語の最後にくる文字)の表す意味を知っていると未知語の意味を類推できるようになります。

接頭語の例を紹介します。

接頭語 意味
un- 反対 unlucky (運の悪い)
re- 再び review (復習する)
trans- 超えて transportation (輸送)
dis- 反対 discover (発見する)
bi- 2つの bicycle(自転車)

 接尾語の例を紹介します。

接尾語 意味
-er teacher (先生)
-less ~がない homeless (家がない)
-ful ~で満ちた Beautiful (美しい)
-able ~できる eatable (食べられる)
-ness 状態 happiness (幸福)

(5)単語から連想されるもの (イメージ)や簡単な絵と一緒に覚える。

例えばspringをいう単語の意味を覚える時、心が弾む風景をイメージしください。スプリングは跳ねる、心が弾むのは春だな、とか。難しいレベルのplummet という単語の場合、株価が急落するイメージや絵と一緒に覚えると思い出しやすいと思います。

 (6)各学問分野特有の語彙数を増やす。

TOEFLの語彙は、一般語彙だけでなく、Arts (人文科学)、Life science (生命科学)、Physical science (生命科学以外の自然科学)、Social science (社会科学)の学問分野特有の語彙も出題されています。例えば、地質学では、compaction (圧縮)、faulting (断層),

erosion (浸食)、deposit (堆積物)、intrusion (侵入)などが出題されています。

(7)できるだけたくさんの英語の本を読む。

最後になりましたが、多読が語彙力をつけるのにとても効果的な方法だと最近の研究では報告されています。多読は、上記の「TOEFLリーディングの勉強法」でも述べましたが、リーディング力をつけるのにも効果的です。辞書を使わなくてもストーリーが理解できる本を選びましょう。わからない単語をすぐに辞書で調べるのではなく、内容を理解するのにどうしても必要な単語だけを調べ、単語帳に書き出します。

  1. TOEFL熟語の勉強法 

  最後に熟語の勉強法について説明したいと思います。英単語の勉強法と同じく、体を使って、単語帳や単語カードを使って覚えるのが最も効果的で、長期記憶に残ります。その他の効果的な方法について説明しましょう。

(1)辞書を活用する。

過去問を解き、わからない熟語が出てきたら辞書で調べ、例文を書いて覚えるようにしましょう。

(2)核となる動詞ごとに熟語を整理する。

核となる動詞、go, look, come, keep, takeなどの動詞ごとに整理して、熟語を覚えます。それでは、take を例に取ってみましょう。takeの次にくる単語の意味から、類推するようにします。

      take care of 、care の意味は世話ですので、世話をする。

take down 、downの意味は下にですので、書き留める

take away 、away の意味は遠くにですので、持ち去る。

take over 、overの意味は超えてですので、引き継ぐ。

take out 、outの意味は外にですので、持ち出す。

(3)類義語や反意語と一緒に覚える。

熟語を1語で言い換えたり、類義語や反意語と一緒に覚えるようにします。

   例えば、put up with (我慢する) は bear, endure, tolerate, standと同じ意味です。

             turn on (つける)はturn off (消す)の反対の意味です。

  1. TOEFL勉強法まとめ

皆さん、TOEFLの勉強法がわかりましたか。英語は一度に長時間学習するよりは、少

しずつ毎日続けることが重要です。語学はある意味ではスポーツや芸術と同じで、使わない能力は衰えます。通勤や通学の時間帯、携帯を使っている時も英語を聞いたり、読んだりすることができますね。毎日英語に触れることが大切です。

TOEFLのスコアを伸ばすには、語彙数を増やすことが一番の早道です。単語集を買っ

て覚えた単語はすぐに忘れてしまいます。過去問を暗記するくらいに、繰り返し利用し、わからなかった単語や熟語を単語帳や単語カードに書き出し、類義語と一緒に文で覚えることが定着の秘訣です。4時間以上のテストですので、集中力、体力、精神力を日頃から養っておくことも重要です。目標を高く持ち、日頃の努力を積み重ねていけば、スコアは必ず伸びます。

一人で勉強するのが難しい人は、友達と一緒に勉強してはどうでしょう。わからないところを教え合うと理解がさらに深まります。また、オンラインレッスンを利用することをお勧めします。専門の先生に教えていただけるので、勉強のコツを教えていただけますし、スコアの伸びが速くなり、やる気が持続するというメリットがあります。   

それぞれ自分に合った勉強法は異なります。ここに書かれている勉強法は、私が40年間英語を教えてきた経験と、英語教授法の研究成果を基に効果的だと思った勉強法です。皆さんがこのコラムを読んでくださって、自分に最適の勉強法を見つける一助となれば幸いです。最後に、皆さんが目標のスコアを取得し、夢に向かって一歩ずつ進まれることを切に願っています。    

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